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 棘皮動物(きょくひどうぶつ)と聞いてもピンとくる人は少ないと思いますが、海岸に行けば必ず目につく奇妙な奴ら、そう、当研究室で実験材料にしているヒトデやナマコ、そしてウニの仲間のことです。彼らがいかに変わっているか、そしていかに繁栄しているかは、本川達雄先生の「ヒトデ学」(東海大学出版会)、「ゾウの時間 ネズミの時間 」(中公新書)や「ヒトデガイドブック」(TBSブリタニカ)を読んでもらうことにしまして、ここでは発生学の立場から紹介したいと思います。

キヒトデ未成熟卵(微分干渉顕微鏡像)

 昔からウニがさかんに発生の研究に使われてきたことは有名です。 棘皮動物は「神様が発生学者にくれたプレゼント」などと言う人がいるくらい、優れた材料です。まず第1に、卵細胞は多くの種で極めて透明で、細胞の中の様子とその変化を 生きたまま 見ることが十分可能です。第2に、大量の卵細胞を容易に手に入れられ、それらを同調良く発生させることができます。 第3に、卵細胞や胚は丈夫で、特別な装置がなくても簡単に培養できます。また、成体の飼育も容易です。

という訳で、棘皮動物は現在でも初期発生(卵形成、受精、卵割(細胞分裂)や、形態形成の重要な研究対象であり続けています。

テツイロナマコの卵成熟(卵核胞の移動と卵核胞崩壊)

イトマキヒトデの飼育

放卵中のモミジガイ雌


 棘皮動物は分類学上、5つのグループ(綱、Class) に分けられています。すなわち、ウミユリ類、クモヒトデ類、ウニ類、ナマコ類、ヒトデ類です。この5つのグループが、どのような系統分類学的関係にあるか、は現在もホットな話題です。

ここでは、私がこれまでに実験材料としてきた、または出会ったヒトデ類、ナマコ類の一部を紹介します。

ヒトデのいろいろ

イトマキヒトデ Asterina pectinifera

マヒトデ Asterias amurensis

モミジガイ Astropecten scoparius

アオヒトデ Linckia laevigata

Pisaster ochraceus

Pycnopodia helianthoides

オニヒトデ Acanthaster planci

イボヒトデ Nardoa tuberculata


ナマコのいろいろ

テツイロナマコ Holothuria moebi

ジャノメナマコ Bohadschia argus

Parastichopus californicus

沖縄で出会ったナマコたち