ニュージーランドで数カ月ぶり市中感染、隔離終了後に新型ウイルス陽性

Nurses at Otara Town Centre Covid Testing centre prepare to test the public on August 26, 2020 in Auckland, New Zealand.
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オークランドにあるオタラ・タウンセンターに設置された新型ウイルス感染症COVID-19ウイルス検査センター(2020年8月26日)

早期に新型コロナウイルスの感染拡大を封じ込めたニュージーランド政府は25日、数カ月ぶりに市中感染が発生したと明らかにした。

同国保健省によると、最近欧州から帰国した56歳の女性が、隔離施設で2週間を過ごした数日後にウイルス検査で陽性と判定された。

現在、接触者の追跡が行われており、当局は女性が立ち寄った場所のリストを公表している。

ニュージーランドは早期に厳格なロックダウンを敷き、新型ウイルスの感染拡大をいち早く封じ込めた。こうしたパンデミックへの対応が広く称賛されてきた。

人口約500万人のニュージーランドでは、これまでに1927人の感染が確認され、25人が死亡している。

2度の検査で陰性も、隔離終了後に陽性

保健省によると、欧州から帰国しオークランドの隔離施設に入った女性は、2度のウイルス検査で陰性と判定されたことを受け、13日に隔離施設を出た。

しかし、その2日後に新型ウイルス感染症COVID-19の軽い症状が出始め、徐々に悪化していった。23日に陽性判定が出たため、現在は自宅で隔離している。

地元紙ニュージーランド・ヘラルドによると、クリス・ヒプキンス保健相は25日の記者会見で女性について、南アフリカで最初に見つかった変異株に感染していることが分かったと述べた。

保健省は、「女性が感染しているのが、従来より感染力の強い変異株かもしれないと想定して対処し、適切な予防措置を講じていた」とした。

ヒプキンス氏は今後の対応についてコメントするのは「時期尚早」だと述べた。

女性の訪問先リストを公表

陽性判定が出た女性は、隔離終了後に北島ノースランドの多数の場所を訪れていた。

保健省が公表した訪問先リストには、複数のスーパーマーケットやレストラン、ギャラリーが含まれている。

同省は女性と同時期に同じ場所を訪れていた人は、同じ空間に居合わせたりすれ違うなどした接触者(casual contact)とみなされると説明。「念には念を入れて」自宅で待機し、ウイルス検査を受けるよう求めた。

女性の濃厚接触者4人もウイルス検査を受け、隔離されている。