北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間孫崎享『情報と外交』(https://amzn.to/3t03024)を読みました。孫崎氏によるインテリジェンスと外交政策をめぐる回想であり、また彼なりの分析をした本です。情報と外交情報と外交amazon.co.jp1950
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間だいぶ前、『戦後史の正体』という本が出たときこんなエントリを書いたことがありますが、私は基本孫崎氏を評価していません。ただ、この本は意外とおもしろかったです。というのは、回想兼分析という作りがよいのと、孫崎氏の思考の問題がくっきり出てくるからですね。過剰に大きな星条旗―孫崎享『戦後史の正体』を読む - Valdegamas侯日録戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)作者: 孫崎享出版社/メーカー: 創元社発売日: 2012/07/24メディア: 単行本購入: 31人 クリック: 410回この商品を含むブログ (86件) を見る 感心できない本である。 著者が出版社から「高校生でも読めるような冷戦後の日米関係」を書くように希望されたことが本書出…donoso.hatenablog.com11431
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間本書は冒頭で面白いことを書いてます。この本は2009年に出た本ですが、自分は著書としては、外交について『日本外交 現場からの証言』を、安全保障について『日米同盟の正体』を書いた。この本は自分が外務省で特に歩んだ分野、インテリジェンスについて論じた本だ、ということなんですね。1818
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間著者は編集者に「情報に関し、できるだけ個人の経験を紹介する形で執筆してみないか」と誘われてこの本を書いたといいます。著者は外務省では情報部門を中心に仕事をしてきたので、情報分野をどう考えるかというテーマを持ちながら回顧する形をとった、ある意味で回顧録だと語っています。1813
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間本書を読むと、この編集者のアドバイスがよかったというのがわかります。本書では戦後日本外交の情報にまつわる著者の経験を含む様々なエピソードが語られているんですね。1815
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間実地で見聞した、ただ刹那的に日々を生きるソ連国民の姿、石油危機の可能性を示唆していた米国事務当局、ベトナム政策から米中接近を予期した東南アジア政策担当者と、握り潰した中国政策担当者、省内の情報共有システム改善を試み、抵抗にあった話等々、様々な回想が切れ切れに盛り込まれています。11016
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間どれも回想が実にリアルなんですね。ああ、こういうことあるよなと。情報調査局分析課長の頃、様々な観測レポートをいろいろな部門に回し、地域を担当する人間に「邪魔をする気なのか」と凄まれたなど、いかにも現業部門と調査部門の葛藤というあるある感です。11115
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間このように回想録、日本外交エピソード集として非常におもしろい。他方で本書は、情報分野をどう考えるかという問いに答える本であります。これについて著者は、回想だけでなく日本とは直接関わらない歴史や、当時の国際情勢をテーマに論じているのですね。11217
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間しかしここが本当にひどい。ここが全く当て推量による陰謀論だらけで、まさに『戦後史の正体』でフィーバーした後の、悪い意味で反米陰謀論の孫崎氏のイメージそのものです。なんでこんな面白い部分とできの悪い部分の二層構造になっているのか。11434
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間本書にはこうした歪みが生まれた理由を示唆するようなエピソードが含まれています。本書の序盤で著者は、80年代、ハーバードに留学していた頃にサミュエル・ハンチントンが主催するカクテル・パーティーに参加した時のエピソードを語っています。1619
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間著者はここでハンチントンが「米国安全保障では引き金となる事件が起こり、ここから米国の安全保障は一気に変わる」と述べたと書いています。これを聞いた著者は「それなら安全保障を変えたいと思う人物が、引き金となる事件を起こすこともあるのではないか」と聞いたと続けています。1716
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間著者曰く、ハンチントンは「君のいうのは正解だろうが、そんなこと、肯定できるわけがないではないか」という雰囲気だったとあり、そして著者はその反応を見て「私の国際関係を分析する重要な視点」を得たと書いているのですね。1716
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間著者の問いは言うまでもなく、陰謀や謀略の役割を重視するものです。だから結果的に著者が経験していないこと、だから肌感覚のないものに関する記述は全部謀略史観に陥っていったわけです。退職後に日米関係を勉強して書いたという著者の『戦後史の正体』の記述のお粗末さもなるほどと思いました。1828
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間著者はまず大国の政策的優先順位を理解することが大事だと、アーネスト・メイから学んだと書いています。確かにこれは原則的に正しいです。しかしこれが陰謀論と結びつくとどんな分析になるか、それは言うまでもないことです。著者の世界には「尾が犬を振り回す」といった事態は存在しなくなります。1520
北大西洋条約さくら@MValdegamas·11時間なんとハンチントンは著者に罪深いことをしたものでしょうか。しかしそもそもハンチントンは「君のいうのは正解だろうが」という顔をしていたのでしょうか。案外「そんな全能の幻想、実世界で機能するわけないではないか」とでも思っていたのではないのかしらん。そんなことを読んで感じたものでした。1520
北大西洋条約さくら@MValdegamas返信先: @MValdegamasさんなので地に足のついたパートである回想録部分は面白いです。他はだめです。この人の本は『日本外交 現場からの証言』もそうでしたが、そういうところを丁寧に切り取って読む必要がありますね。午後3:49 · 2021年1月27日·Twitter Web App5 件のリツイート19 件のいいね