アジアンヴァンパイア vs 偽ロ×コップ

ロボハンター 霊幻暗黒團大戦争
原題: ROBO VAMPIRE

(-- # さわるな危険
ジャンルB級アクション・Z級オカルトの闇鍋
公開1988 時間90分
監督Joe Livingstone 製作元FILMARK INTERNATIONAL
出演Harry Myles, Joe Browne 販売にっかつ
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香港映画界のダークサイド、それがこちらFILMARK INTERNATIONALさんです。
とにかく流行りモノのまがいモノ、Z級クンフー、ニンジャ映画を低予算で製作、海外バイヤーをだまくらかして売り飛ばす(まあ二束三文で(^^;)という、香港映画のイメージをマイナス方向に盛り上げることに力を尽くした会社です。

でもってココは、おおざっぱに撮り集めたシーンを適当に繋いで1本の映画にしました、という作り方をしているので、シーンとシーンの繋がりが悪い、というか繋がってません。(--;
ストーリーも繋がって無いんですが(^^;、一応なぞらってみるとこんな感じです。

黄金の三角地帯では、今日も悪の麻薬組織と正義の麻薬捜査官が戦っています。
ある日、悪のボスは言いました。「麻薬捜査官のトムを始末するのだ」
部下達は顔を見合わせます。「何か方法が?
それを考えるのがてめぇらの仕事だろうが!! (~ロ~ ## 、なーんて事はボスは人間ができている?ので言いません。ボスには切り札があったのです。
ボス「キョンシー使いの道士を雇った」(^^;
#どうも手元の資料では、キョンシーの事を向こうではアジアンヴァンパイアって言うらしいです。

この道士サマ、悪に魂売っている以外は一時日本でもあったキョンシーブームでも見なれたスタイルで、ちょっとだけ安心です。(^^;
持っている瓶の蓋を開けるとキョンシーが出てくる(再収納も可能)ってのと、「魔よけだ」とか言って組織の手下にニンニクの首飾りを渡したのは新鮮でしたが。(^^;;
途中、心中した彼氏がキョンシーにされたので一緒に暮らせない事を恨んで化けて出てきた女幽霊(お色気担当でシースルー着用)(--; を懐柔したりとすでに開始10分後にして視点散漫でストーリーは飽和しかけていますが、先に進みます。

さっそく道士サマは、組織の下っ端2人を意味もなく犠牲にした後で、キョンシーを使役して麻薬捜査官達に襲いかかります。
銃が効かない、ワープする、人肉を食う、口から毒煙を吹く、手から飛び道具を撃つキョンシーに全く歯も立たず、あっけなくやられる捜査官達。
ボスもこの結果に御満悦。ヤクの取引に従事する部下に「ヤクの密売はやめた。死体の密売に商売変えしたよ」などと狂ったことを言いますが、結局はヤクの方が商売になると思いなおしたようです。当たり前だって。(^^;

しかし正義も黙ってはいません。麻薬捜査官のトムさん(実はさっきあっけなくやられた)が死んだことを聞いた同僚が「彼をロボットとして甦らせましょう」などと間髪入れずに提案し、その場で承認。
なんだか胴体の空洞にアンプみたいな部品を突っ込んで、外装のブリキを溶接して完成、という待てやコラァ!!(--;; という改造手術が終わった後は、予算が500ドルしかなかったロボコップというか、アーマード消防士ってな、関節のモーター音がファービー人形みたいにうるさいロボットができあがっておりました。

即座に現場に投入されたロボットトムさん。キョンシー(弾には強いが打撃技に弱い(^^;)を倒して(といっても又出てくる)戦果を上げますが、ボスのロケットランチャーを食らって紙人形のように炎上。(このシーンは本当に紙人形)
でも電動ドライバーのちょちょいで直っちゃうんだけどネ☆ …もしかしてスゴイ科学力、なーんて考えはFILMARKでは無用です。(^^;

こうして書くとキョンシー vs ロボットトム映画みたいに見えますが、実際はもう一つ、正義に雇われたエージェントが敵に捕まった女麻薬捜査官の救出に仲間と向かう、って話が同時進行(比重はほぼ五分)であったりします。
普通こういう2つの違った話が同時進行で進む場合、どこかで一緒になったり伏線があったりするもんですが、この映画では離れる一方。(^^; 群像劇、なんてレベルの高い事には挑戦すらしていません。(^^;;
2つの話には敵組織が同じ、というくらいしか共通項が無く、こちらではロボットもキョンシーも無いですが、代わりに脈絡の無いクンフーアクションやお姉ちゃんのサービスシーンがあったりします。
さすがに「ここから敵の本拠地に近くなる。気を抜くな」と言われた直後のシーンで、メンバーの一人のお姉ちゃんが全裸で湖で泳ぎだしたのにはメゲました。野郎の一人まで一緒に脱いでジャレあってるし。(--; でもって、その後仲間とはぐれた(らしい)二人は組織に捕まって拷問されるのでした。
…これでバイヤーをだまくらかす要素は全部投入したという感じでしょうか。(^^;;

最終的には、エージェントどもは悪の組織のアジトを(場所は南米の奥地っぽい所。まわりの木がバタバタと先に倒れるというなんとも効率の悪い)爆破して、ついでに女捜査官も救出、ロボットトムは道士サマが女幽霊にやられた隙に焼き払って(場所は中華街の奥地っぽい所。どう見ても天井からワイヤーで吊ってるシーツが燃えてるようにしか見えません。思わずコマ送りで確認。でもやっぱりシーツ。(--;)ジ・エンド。最後まで二つの話は噛み合いませんでした

途中、正義も悪も「情報が漏れている…」とスパイの存在匂わせますが、結局何にも出てこない(まあ、こんな組織だからダダ漏れしてるのかもしれませんが)とか、さっきまで敵だったヤツが何の説明も無く味方になっているとか、おかしな所がいろいろありますが、FILMARKだからなぁ。(^^;;

このFILMARK、実はアーマード消防士の着ぐるみを使いまわしています
「ロボ道士 エルム街のキョンシー」(1988 原題 THE VAMPIRE IS ALIVE)と「必殺! ムーンウォーク拳 キョンシーマン」(1988 原題不明。情報有る方教えてください(_o_)")です。
でもってロボ道士では改造人間ではなく、変身ヒーローの役どころに使っている模様。うーむ。

アメリカにも捨ててあった他の映画(ジュラシックなんちゃらのパチ映画)の恐竜モデルを拾って「ジュラシック・アマゾネス」を撮っちゃうような監督もいらっしゃいますが、FILMARKの場合はプロデューサー兼社長のTomas Tang氏が率先してやってたらしたんでしょうねぇ。

何せ儲け最優先(儲かったのはスゴい。ある種尊敬)で見るのもツライ映画を量産したため、批評家にもマニアにも、もちろん一般客にも愛される事の無かったFILMARKはその後どうなったか。
Web上の情報によると、1996年に会社が社長やフィルムごと焼失。存在は伝説?となったのだそうです。

余りにもチープでメチャメチャで、内容も愉快でつじつまが合ってないなんてザラですが、そんな時はこう言うのです。
だってFILMARKだからなぁ。(^^;;

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