簿記検定で要注意の漢字たち
数字だけでなく文字にも注意
簿記の検定試験では、数字と同じくらい文字を記入する場面があります。仕訳や勘定記入、用語補充問題などなど……答案用紙に文字を書く場面は意外と多く、かなりの量になることもあります。
答案用紙に書くということは、当然ながら数字と同じく採点対象となる訳ですから、記入する文字に間違いがあったり、不鮮明で読み取りづらいものがあったりすれば、減点対象となる可能性があります。
この記事では、簿記検定に的を絞って、間違えやすかったり、注意が必要だったりする文字の代表例を取り上げます。
崩し字や略字はNG!
資格試験の答案用紙では、文字は楷書で丁寧に記入することが前提となっており、簿記検定もその例から外れるものではありません。「楷書」という言葉が聞き慣れないものかもしれませんが、点や画を省略したり、文字を崩したりせず、1画1画をはっきり書くもので、小学校の漢字ドリルなどで何度も書いたあの書体だと思って頂ければ大丈夫です。
あくまでも答案用紙は「他人が読むもの」ですから、そこに記入される文字は誰もが読みやすいものでなければなりません。
そのため、行書のような崩し字では正しく採点されない可能性があります。
また、普段のお仕事などで略字を使っている方もご注意下さい。
「門」や「問」といった文字の門構えや、「権」の文字など、仕事上の手書きメモでは略字を使う方も多いのではないでしょうか。
自分しか見ない下書き用紙で使用する分にはまったく問題ありませんし、時間短縮の面で考えれば望ましいともいえるのですが、その癖のまま、勢い余って答案用紙に書いてしまうと減点される可能性があります。
似て別の文字になってしまうケース
以下に示したのは、簿記検定で使用することが多い文字のうち、偏(へん)などの一部を変えるだけで、別の文字になってしまう組み合わせの例です。存在しない文字になってしまうケース
“有価証券”の「券」の文字
登場する機会が高いことから、最も注意が必要な文字かもしれません。
“配賦”や“割賦”の「賦」の文字
日常生活ではあまり用いる(手で書く)機会がないにもかかわらず、簿記検定の一定レベル以上の級になると書く機会が一気に増える文字に、“配賦”や“割賦”の「賦」の文字があります。場合によっては何度も記入することもあるので、要注意です。
“預金”の「預」の文字
勢い余って1画足してしまって、「矛」という文字にしないように注意しましょう。
“簿記”の「簿」の文字
最後に、簿記検定で直接記入する機会は少ないものの、たまに記入する問題があるのが、“簿記”の「簿」の字です。せっかく合格したのであれば、履歴書にも記載したいという方も多いと思いますが、その際に間違ってしまってももったいないので、おまけ的に取り上げました。
“簿記”の「簿」の字は竹かんむりです。
これを草かんむりにしてしまうと、“薄い”や“薄情者”の「薄」という文字になってしまいます。
また、右下の部分は“専門学校”の「専」という文字に見えますが、「専」の文字単独には右上に点がありませんが、“簿記”の「簿」の字には点があります。
この辺りも細かいですが、せっかくの機会ですので間違えないように注意をして頂ければと思います。
最後に
こうやって見るとかなり面倒に思うかもしれませんし、「少しくらい大目に見てもいいじゃないか」と思われるかもしれません。ですが、点の位置を変えただけで「犬」と「太」のように意味が全く変わることもある訳ですから、正しく記録するということを考えれば、文字に関しても厳密にならざるを得ないのも納得できるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、答案用紙は「他人が読むもの」です。
せっかく正解を導いても、それが採点者に正しく伝わらなければ点数にならない訳ですkら、その前提で数字も文字も丁寧に記入するように心がけましょう。