「数時間で人が死に至る恐れ」福島第一原発内に高放射線量設備…廃炉工程遅れの可能性
読売新聞 / 2021年1月26日 14時29分
2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所事故から10年になるのを前に、原子力規制委員会の検討会は26日、19年9月に再開した事故調査の中間報告書案を公表した。現地調査の結果、2、3号機原子炉建屋5階付近に、極めて放射線量が高い設備があると指摘した。同原発の廃炉工程の遅れにつながる可能性がある。
報告書案によると、2、3号機で高濃度の汚染が判明したのは、原子炉格納容器の上部にある「シールドプラグ」というコンクリート設備の下部。放射性セシウムの量が、それぞれ約20〜40ペタ・ベクレル(ペタは1000兆)と約30ペタ・ベクレルに達すると推定された。放射線量に換算すると、毎時数シーベルトに上る可能性が高く、人が立ち入った場合、数時間で死に至る恐れがある。
東電は、まず2号機原子炉から溶け落ちた核燃料などが混じる「核燃料デブリ」を取り出す計画だ。搬送ルートによっては、シールドプラグを取り外す必要がある。この設備は線量が高いだけでなく、重量が計約465トンに上るため、取り外しには時間がかかることが予想される。
ほかに検討会は、1、3号機で格納容器の破損を防ぐため、放射性物質を含んだ蒸気などを強制的に大気に放出して圧力を下げる「ベント」の影響についても調べた。配管などを調べた結果、ベントが成功した1、3号機原子炉建屋内に蒸気が逆流したことを突き止めた。当時のテレビ映像を解析し、3号機の水素爆発が複数回生じていたことも指摘した。
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