ウィズコロナ時代。命と暮らしを脅かす未知のウイルスに翻弄(ほんろう)されながらも、新しい価値観や地域の支えに背中を押されて一歩を踏み出す例は少なくない。困難を乗り越え、上を向く人たちの今を追った。
柔らかな日差しに包まれ、布団で川の字になった子どもたちが、すやすやと寝息を立てていた。
「思い切りほめて、思い切り叱って、全力で触れ合う。たくさんの人と一緒に子どもたちを支える。密こそが私たちの仕事」
昨春、新型コロナウイルスの感染拡大で渦中に巻き込まれた西寺尾保育園(横浜市神奈川区)。園長の菱川由美さん(54)は園児たちの表情に目を細めながら、思いを新たにした。