里芋(読み)サトイモ

  • 里芋 (サトイモ)

デジタル大辞泉の解説

サトイモ科の多年草はほとんど伸びず、葉は高さ約1メートルの柄をもち、大きい卵円形。夏にまれに花が咲き、淡黄色の細長い仏炎苞(ぶつえんほう)で包まれた雄花雌花をつける。球茎葉柄食用にする。熱帯アジアの原産で、栽培され多くの品種がある。いえのいも。はたけいも。たいも。
[補説]サトイモ科の単子葉植物にはサトイモ・コンニャクミズバショウなど約2000種があり、主に熱帯地域に分布。花は花軸が多肉質となり、柄のない花が多数密生した肉穂花序(にくすいかじょ)で、仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 サトイモ科の多年草。熱帯アジア原産で、日本へは古く渡来し、各地で栽培されている。高さ約一メートル。地下に卵形または楕円形で節の多い球茎がある。葉は長さ三〇~五〇センチメートルの楯形で長柄をもち四、五枚ずつ根もとからはえる。雌雄同株。夏、葉間から花茎をのばし、黄色で筆状の仏炎苞(ぶつえんほう)に包まれた肉穂花をつける。球茎を食用とし、また、葉柄も食べられる。品種が多く、秋から冬にかけての重要な蔬菜。漢名、芋。いも。はたけいも。たいも。いえついも。つるのこいも。はすいも。《季・秋》
▼さといもの花 《季・夏》
※松屋会記‐久政茶会記・天正一七年(1589)八月三〇日「くゎし さといも、きんかん、柿」
※俳諧・杉風句集(1785)「里芋の長なり畠中の庄司とやらん」
[補注]古くイヘツイモなどと呼ばれたが、おそくとも一六世紀末にはサトイモの名が現われた。ともに人の住む地域でとれることからの称であろう。

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