第17話 絶望への行進曲(3)
神殿から出る青髭を生やした巨躯の赤髪の男。男は真っ赤なビキニブリーフにマントをした極めて奇異な様相であり、顏一面に塗りたくられた白粉と頭に乗る軍帽はその異様さを特に引き立てていた。
『
ビキニブリーフの男がパチンと指を鳴らすと、青と白を基調する軍服に軍帽を被る狼、虎、鷲の頭部をもつ三体の怪物が気色悪いポーズを取りながら出現し、跪く。
『『『パズズ
獣の頭部を有する三体の怪物たちは、ビキニブリーフの男に声を張り上げる。
『ボクちゃんたちぃもぉ、来なさ~~い』
地面が真っ赤に発色に、そこから湧き出てくる執事服を着た無数の獣の顔のマッチョたち。
犬顔、猿顔、豚顏、牛顔、山羊顔、鹿顔の男たちは、それぞれ奇怪なポージングをするとビキニブリーフの男の前で、やはり跪く。
ビキニブリーフの男は膝をつき頭を垂れる獣顔の怪物どもに、悪鬼のごとく顔を歪めて、
『さあ、楽しい、楽しい、ゲームの始まりよぉ。どうやら、私たちが一番のり、みたーいだしぃ。
両腕を広げると仰け反り気味に跪く怪物どもに指示を出す。
『パズズ様の御心のままに!』
狼の頭部を持つ男が叫び、ビキニブリーフの男は満足そうに頷くと、
『とりあえず、近くの集落を落とすわよぉ』
そう宣言しながら、改めて周囲をグルリと見渡す。そして、パズズ達から一目散に逃出す一つ目の巨人の魔物を視界に入れてニンマリと笑い、
『あの魔物ちゃんたち使えそうねぇ。ボクちゃんたちぃ。ゆっくりぃ、ゆっくりぃ、じわじわとぉ、魔物ちゃんたちを追い立てていきなさーい』
配下の獣顔の怪物どもに指示を出す。
『ぐごっ!』
獣たちは胸に手を当てて一礼すると、
こうして地獄の宴は静かにそして確実に開始される。
また変なの(変態獣軍団)が現れました。こうして、ある意味、最悪の絶望への行進は開始されます。ちなみに、この絶望が誰のかというと、もちろん――。
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