2006年06月15日

あずまんが大王(あずまんがだいおう)

『あずまんが大王』(あずまんがだいおう)は、漫画雑誌『月刊コミック電撃大王』(メディアワークス)に1999年2月号から2002年5月号にかけて連載された4コマ漫画である。著者はあずまきよひこ。全4巻の単行本が刊行された。
概要

とある共学の高等学校を舞台にした学園物コメディで、登場人物の多くは女子高生である。作中では彼女たちの「実際にありそうで実はありえない」学校生活が活き活きと描かれている。登場人物の強烈な個性や、他の学園物の漫画にありがちな恋愛や闘争とは無縁のほのぼのとした展開が特徴的。特に前者の魅力は大きく、連載が終了した今もなお登場人物の固定ファンが数多く存在する。なおこの作品に特定の主人公は存在しない。

連載中、作中の時間の流れは現実の時間の流れとリンクしており(春には学年が上がり、秋には運動会・文化祭があるなど)、メインキャラクターの高校生活3年間が終了すると同時に作品も完結した。

2000年末にアニメ化され、インターネット上だけで有料ストリーミング放送が行われた。しかし、代金(200円)の支払いは電子マネーのみでの取り扱いのほかブロードバンドがほとんど普及していなかった当時の状況もあってか、この時は第1話だけで終わってしまい、3か月後にはその公開も終了した(なお、現在は後述のTVバージョンがストリーミング配信されている)。

2001年末にスタッフと声優を一新し、5分ほどの短編映画が公開された。2002年には再びアニメ化され、全26回がテレビで放映された。現在はテレビ放映分を収録したDVDが発売されている。

また2001年には、作品の登場人物が埼玉県のO157防止キャンペーンのイメージキャラクターに選ばれ、製作されたポスターは県内の役所や学校に掲示された。

単行本第2巻の発売の際(2000年)に、登場人物のイラストが描かれたラッピングバスが小田急バス狛江営業所と京王電鉄バス府中営業所で運行された。また、アニメ化の際(2002年)にも小田急バス狛江営業所(人物は変更)と京王バス永福町営業所で同様のラッピングバスが運行された。

コンシューマーゲームとして、2002年にプレイステーション用ソフトとして麻雀風絵合わせゲーム「あずまんがドンジャラ大王」(バンダイ)、2003年にゲームボーイアドバンス用ソフトとしてカードバトルゲーム「あずまんが大王アドバンス」(キングレコード)が発売されている。また、アーケードゲームとして、2002年に「あずまんが大王パズルボブル」(モス、タイトー)が稼働している。


ネタバレ注意 : 以降の文章には、作品の内容に関する記述が含まれています。


登場人物

「アニメ版の声優」という記述は2001年の映画版以降に関するものである。2000年のWeb版は声優が異なる(作品内に登場していないキャラは記述を省略)。

美浜 ちよ(みはま ちよ 通称「ちよちゃん」)
アニメ版声優:金田朋子 Web版声優:齋藤彩夏

10歳で小学校から高校に飛び級で編入してきた超天才少女。身長133cm(2年次)。愛らしい容姿、素直で明るく人なつっこい性格、家はお金持ち(自宅は豪邸で海辺に別荘も所有)、料理が得意で毎朝自分で昼食の弁当を作るなど、非の打ち所のない「完璧超人」。好物はミートボールである。原作では牛乳も大好きで、「ホットにしてもたまらないおいしさ」と言っている。ただ身体能力は小学生そのものであるため、高校生に混じってのスポーツはあまり得意ではない。あまりに子ども扱いされると腹を立てひねくれたりと、人一倍負けず嫌いでもある。だが逆に気遣いも人一倍で、自己主張は控えめ。誰よりも智の悪行の迷惑をこうむっているが、後に諦観的になってしまう。大の読売ジャイアンツファンで、原作では高橋由伸のサインを宝物にしている。二結いのお下げが特徴(大阪の夢の中では、そのお下げを羽根の様に動かして空を飛ぶ。また、取り外し可能となっており大阪も装備可能。TVアニメ版オープニングでは二人で飛ぶ姿が描かれている)。自身の飛び級に関して、原作ではわざわざ映画館で高校生料金でチケットを買い、みるちー・ゆか(後述)にお姉さんぶったりとまんざらでは無さそうだが、アニメ版ではもはや戻れない小学校生活に名残惜しそうでもあった(原作に比してシリアスな描写がおおいのはアニメ版全体に見られる傾向である)。登場人物達の中で最も出番が多く、登場人物の中で主人公に近い存在である(ただし原作での登場は途中から)。

滝野 智(たきの とも 通称「とも」)
アニメ版声優:樋口智恵子 Web版声優:半場友恵

自称「暴走女子高生」。身長154cm(2年時)。いつも元気一杯にはしゃぎまわっており、度が過ぎて周囲に迷惑をかけることもしばしば。生死沙汰になりかねないことも在るが、悪ふざけのつもりだったり過失だったりするので始末が悪い。ちよちゃんに意地悪するのが好き。よみとは小学校以来の幼馴染み。好物はバナナ。大阪・神楽とともに勉強は苦手で、いつもよみやちよちゃんに宿題を写させてもらう。よみや神楽のスタイルのよさをからかうが本当は貧乳であることにコンプレックスを持っている。またダイエットのネタもよみよりとものほうが先である。『ルパン三世』の峰不二子に憧れており、将来は同じく『ルパン三世』に登場した、銭形警部所属の国際刑事警察機構(ICPO・インターポール)の捜査員になりたいと思っている。原作では中日ドラゴンズ、アニメ版では阪神タイガースファン。『魔法遊戯』のパドドゥに似る。

水原 暦(みずはら こよみ 通称「よみ」)
アニメ版声優:田中理恵 Web版声優:雪野五月

勉強も運動も得意な優等生。身長163cm(2年次)。眼鏡をかけており、理知的で大人の雰囲気を漂わせる。しかしおいしい食べ物の誘惑には弱く、よく体重を気にしている。実際のスタイル自体は抜群の部類に入るが、そばに榊や神楽がいるせいであまり目立たない。ともとは小学校以来の幼馴染み(小中高と一貫して同級生)でよくケンカをしている。周囲のとぼけた連中にツッコミを入れる係。ともの保護者的立場にいて周囲からもそう扱われているが、本人は迷惑している。ただし極限状態に置かれると暴走し、ともでも手に負えなくなる。また大阪に意地悪をしたこともあった。カラオケが好きだが設定上音痴で、声優渾身のシャウトもとい歌声がカラオケボックスを変形させるシーンもあった(ただしキャラクターソングCDでは演じる田中理恵の本来の歌唱力が遺憾なく発揮されているが)。辛いもの(「激辛唐辛子コロッケ」を涼しい顔で頬張るほど)と甘いもの両方が好きであり、終盤での「シュークリーム分が不足してきた」という台詞は有名となり『現代用語の基礎知識』にも収録された。寒いときはテンションが下がり、ツッコミが冴えない。太ももまである長靴下を愛用。実は作者の敬愛するゲーム『To Heart』の登場人物保科智子へのオマージュであり、実際に連載初期は(半ば冗談交じりに)保科智子と呼ばれていた。水原暦の名が公式に発表されたのは単行本1巻の加筆修整に際してである。電撃大王誌上で行われた第1回人気投票の時点では、そのため、「メガネっ娘」名義の出場であった。

春日 歩(かすが あゆむ 通称「大阪」)
アニメ版声優:松岡由貴 Web版声優:川澄綾子

大阪からの転校生。それを理由にともによって「大阪」というニックネームを命名されたが、実は和歌山県出身の兵庫県育ち。以後、本名はほとんど使われていない。身長156cm(2年次)。テンポが遅くいつもボーッとしており、授業中はよく居眠りしている(ただし割箸を割ることや、自分の居場所ともいえるこたつのこととなると感情の起伏が激しくなる)。その上遅刻魔で「忘れもの大王」。運動が苦手で、ちよちゃんより足が遅い。勉強も苦手だが物事の発想が柔軟で、特になぞなぞのひらめきだけは天才的。またさまざまな物事に関して独特の視点・思考を持つことがあり、それで悩んだりすることや、突然突拍子のないことを言うこともある。目標は「しっかりする」こと。辛いものと炭酸飲料が苦手。パンとこたつが大好き。「へーちょ」という変なくしゃみをする。胸は真ッ平ら。目を開けたまま眠るという特技がある。寝転ばないと目薬がさせない人である。アニメ版では身長がともより低く修整されている。2002年に開かれた作者の個展「放課後の1年戦争展」は全イラストが春日歩尽くしであり、その中でやけにガンダムに詳しいことが判明した。2年次のクラス替えの時は、名簿に「大阪」と書かれてしまった。ちなみにこれらの設定は日本国内である事が前提なので海外版になる時は対応が必要であった(下記参照)。2ちゃんねるの名フレーズ「また大阪か」の由来。

榊(さかき 名前は不明) - アニメ版声優:浅川悠
勉強もスポーツもこなす上に、174cm(2年次)の長身でスタイルも抜群。しかし裁縫と絵は苦手。いつもクールで美貌も備え無口なため周りからは一目置かれ、近寄りがたいと思われることもあるが、実はコミュニケーションが苦手な淋しがり屋で動物など可愛いものが大好き。その割にはいつも報われず、道端でネコを見つけては噛まれたり逃げられたり……。まさに、性格はドライで寡黙。性質は乙女そのものといったキャラである。想像力が豊かで、ちよ父(後述)の人物像はほとんどが榊の頭の中で作られた。獣医師になるのが夢。その次は花屋、ぬいぐるみ屋。イリオモテヤマネコのマヤーが愛猫で、一緒にいるときは唯一鉄壁の無表情が思い切りほころぶ。身長設定は物語の進行とともに定期的に更新され、最終的には180弱になったと作者は語っているが、履歴不明。ファンの間では上記174が一般的である。『魔法遊戯』のノノノンに似る。苗字は榊であるが、下の名前は不明となっている。一度だけあったテストの答案を見せ合うシーンですら氏名欄に下の名前がなく、画面はみ出しなどでごまかしてもいない。放送する時間帯が違っていれば批判されかねない映像であり、制作者が頑なに公開を拒否している証拠と言える。なお榊役の声優は、歌を榊にカラオケさせる逆キャラクターソング的シーン、ラジオDJの音声で唯一名前を読まれるシーンなどアイドル声優として本編で最も恵まれた扱いを受けている。

神楽(かぐら 名前は不明)
アニメ版声優:声優は桑島法子 Web版声優:斎賀みつき

水泳部所属のスポーツ少女。1年次はにゃもの受け持ちのクラスで、体育祭では同じくスポーツが得意な榊さんを一方的にライバル視していた。2年次から他のメインキャラクターと同じ3組に加わった。体育祭のために引き抜かれたらしい。その後もしばしば勝負を挑むが、友人としても親しい。勝負事なら何でも良いのか、スポーツと関係ない分野にも挑む事がある。(最初は成績も争うつもりだったが榊の成績は良く神楽は──)。豪快な振る舞いが多いが、根は真面目で繊細。勉強は得意ではなく、同様のとも・大阪と共に「ボンクラーズ」と呼ばれている。スタイル抜群、しかし、胸が大きいことを指摘されると恥ずかしいのか、赤くなって動揺する。榊と違って156cm(2年次)と高身長ではない。ちなみに榊同様名前が不明で、作者本人が「気にするな」とコメントしている。上記の榊のテスト答案シーンでもやはり同様に堂々と氏名欄に下の名前がなく、制作者が頑なに公開を拒否している証拠と言える。

ここまでの6人が事実上のメインとなるキャラクターである。


かおりん(姓は不明) - アニメ版声優:野川さくら
榊さんに憧れている少女。その入れ込みようは尋常ではなく、榊が側に来ると舞い上がって前後不覚となり、突拍子もないことをしでかしてしまうこともしばしば。本作中唯一の恋といえる。天文部所属。木村先生に気に入られていて、3年生の時に遂に引き抜かれたが、本人は激しく嫌がっている。要所要所で好待遇を受けながら、最後までレギュラーになれなかった7人目。作者曰く大学受験には失敗したが、原作・アニメ版共にその顛末は一切描かれていない。本名は原作中でかおりんと同じ髪型の女生徒が「相田」と呼ばれていたため「相田かおり」であると言われていたが、作者によって否定されている。但し下の名前が「かおり」である事は原作連載中からあかされており、アニメ版では母親によってそう呼ばれている。

千尋(ちひろ) - アニメ版声優:大前茜
かおりんの友達。第一話で元は小学生のちよちゃんに勉強を教えてもらっていたことで落ち込んでいた。2年次の体育祭でかおりんと二人三脚をする予定だったが、軽く足をくじいてしまい、榊に役を奪われる。アニメ版では文化祭の着ぐるみを造ったり、足が遅い、ゴキブリが嫌いという女子然とした女子であったが、原作では「うるせー」と口を利いたり男子や先生の陰口を叩いたりといわゆるいい娘ではない。本作では最も原ア間の相違が激しいキャラクターかも知れない。本名は原作中で千尋と同じ髪型の女生徒が「井上」と呼ばれていたため「井上千尋」であると言われていたが、作者によって否定されている。

大山将明(おおやま まさあき) - アニメ版声優:吉野裕行
入学当初、ゆかり先生に容姿から委員長に抜擢される。成績は優秀で英語のテストで100点を取っていた(ゆかり先生は93点)。左利き。居眠りするゆかりや浮かれているクラスから距離をとることもあれば、木村先生の生き様に涙を流す情熱的な一面もあり、出番の少なさゆえに性格は把握しがたい。名前のある生徒キャラとしては主要6人を差し置いて最も早く登場したが、アニメ版では彼中心のエピソードが全て省略、背景キャラに転落するという屈辱を受けた(もっとも原作でも初期以外登場しないのではあるが)。アニメ版第6話に登場する「スターター」は容姿が彼に酷似しており、声優も同じく吉野であるが、別人らしい。劇場版にのみ登場するまつやま(漢字不明 声優は福島潤)もまた彼に似るが、やはり別人らしい(まつやまは大山と違い成績は良くない)。最終回では卒業式の代表生徒。また最終話のAパートCMアイキャッチでは、彼以外のメインキャラが登場しない特別バージョンのアイキャッチが放送された。

後藤(ごとう 通称「後藤君」)
ゆかりのクラスの男子生徒。夏休みの家族旅行でアメリカに行くのが楽しみで、英語の勉強に力を入れている。アニメ版には姿を見せないが、「後藤広孝」という名前だけは出てくる。これが彼のことなのかは果たして不明である。

和田(わだ)
長髪の女子。第1話(*)に端役として登場し、以後姿を消して物語に関与する事はなかったが、最終回での再登場を果たし、大山とともに当時の読者を驚かせた。(尚、最終回には他にも前述の相田・井上が再登場している、とは作者の言いである。)
(*)より正確には"April Part-2"だが、この"Part-…"の区分は雑誌掲載時に前半後半を分割していた名残であり、発表は同時である事と、エピソードの連続性をかんがみても、総括して1話とみなすべきであろう。例えば「最終話」といえば"Graduation Part-2"のみならず"Part-1"も含まれる。

松田(まつだ)
短髪の女子。相田・井上・和田初登場時に、眠そうな顔をして和田の隣に立っていた。3人と異なり最終回に登場しなかったため、原作で彼女の姿が見られるのは1コマのみ(ただし、相田・井上の再登場も、ほとんどの読者が認識していない)。この4人はアニメ版では登場していないということになっているが、第3話で黒沢先生とヴァレーボールをしている4人の女子学生を、髪型から彼女らに同定することがある。

男子生徒A - アニメ版声優:矢薙直樹
アニメ版第1話で自転車を取られた男子。

男子生徒B - アニメ版声優:吉野裕行
もみ上げの長い男子。

女子生徒A - アニメ版声優:永田亮子
三つ編みの女子。

女子生徒B - アニメ版声優:大前茜
茶髪の女子。

それぞれ原作で1~4回登場した脇役。アニメ版では声優工面・作画利便のためか或る程度固定化した。アニメ版オリジナルの設定として女子Bは男子A・女子Aと仲が良い。いずれも主要6人との接点はほとんどないが、男子Bは神楽と同じ水泳部と思しい(第5話)。後藤君は男子Aに吸収された。


谷崎 ゆかり(たにざき ゆかり 通称「ゆかり」) - アニメ版声優:平松晶子
ちよちゃんたちのクラス(1年3組、2年3組、3年3組)の学級担任。担当科目は英語。身長158cm。ちよちゃんたちの学校の卒業生で、先輩にあたる。教師とは思えないほどの自由奔放な性格で、度々周囲の人々を振り回す。にゃもとは高校以来の付き合いで親友。車の運転がとても荒く同乗者にとっては命がけで、夏休みに海に出かけた時には同乗したちよがトラウマ持ちになり、それ以来彼女の車に同乗する事を頑なに拒否するようになる。当の本人はそれらの事を全く自覚していない。ちなみに乗る車は第四巻46ページに描かれているフロントグリルのエンブレムから日産・セフィーロ(二代目)と推定されるが、ゆかりの運転の為原形をとどめておらず不明、ともやよみに「ゆかり車」と呼ばれるが実際には父親の所有。寝起きも酒癖も金遣いも悪い。美人だがこの様な性格のためか独身で彼氏無し。「ともがそのまま大人になるとこうなる」イメージがある。悪い事だらけの先生だが生徒からは親近感を持たれている。ただし生徒のほとんどは「ゆかりちゃん」と呼ぶ。連載第一回冒頭の扉に登場するキャラであり、最終回の扉にも登場することから、彼女こそがこの作品の主人公である、という見方もある。

黒沢 みなも(くろさわ みなも 通称「にゃも」)
アニメ版声優:久川綾 Web版声優:平松晶子

体育担当で、水泳部顧問。身長161cm。生徒のみんなから好かれている。ゆかりと違い、「先生」を付けて呼ばれる事が多い。ゆかりとは高校以来の付き合いで、休日には一緒に行動することも多い親友。ゆかりとは対照的な常識派だが、それゆえいつもゆかりに振り回されているものの、何だかんだ言いながらも毎朝ゆかりを迎えに行っている。冷静だがゆかりにバカ扱いされるとムキになる。意外な点として学力はゆかり以下。ともに対するよみのような関係。愛車は若い女性らしくトヨタ・ヴィッツ(初代)だが、日産・エルグランドのような比較的大きな乗用車も運転できる(ちよちゃんの「ゆかり車」対策)。独身で現在彼氏無し。金遣いは荒くない。酒癖は悪くないが、事情から大量に飲酒したときはすっかり泥酔しとも以上に暴走した上、記憶がさっぱり抜け落ちていた。1年5組、2年2組、3年2組担任。

木村(きむら 名前は不明) - アニメ版声優:石井康嗣
古文担当。細身で根暗な印象の風貌。学校では「女子高生とか好きだから!」と叫んだり、水泳の授業に紛れ込んだり女子生徒全員にブルマーで授業を受けさせようとしたりとかなり変態的な行動が目立つ非常に危険な人物。女性の守備範囲は広く、本来小学生のちよちゃんでも可。しかし学校の外では、1万円を募金したり(直後「いつもありがとうございます」といわれている)、初詣で1万円を入れ「世界人類の平和」を願ったりと善人の鑑。綺麗な奥さんと利発そうな娘がいる。何かにつけてかおりんに絡もうとする。登場回数は、大山2回、後藤君3回、後藤先生3回(いずれも原作)と男性勢が振るわない中で頭一つ抜けて多く、女性ばかりが目立つ本作でほぼ黒一点をなしている。

後藤(ごとう 通称「後藤先生」)
ゆかりとにゃもの学生時代を知るかつての恩師。現在は、大人になっても変わらず傍若無人なゆかりに頭を痛め、時にたしなめる職場の同僚。生徒の評判は余り宜しくないようである。アニメ版には名前しか登場しない。

木村の奥さん(きむらのおくさん) - アニメ版声優:大原さやか
木村先生の奥さん。名前は不明。美人で性格も天使の様に優しいらしいが、常人には理解しがたい独特の価値観・思考をもつ。愛車はトヨタ・プリウス(初代)。

忠吉さん(ただきちさん)
ちよちゃんのペットの優しい目をした白い犬で、種類はグレート・ピレニーズ。人、もとい犬ができている。フランス生まれらしい。大きいのでちよちゃんを背中に乗せることができる。匿名掲示板2ちゃんねるのアスキーアート「ぞぬ」の元ネタとなった。

ちよ父(ちよちち) - アニメ版声優:若本規夫
榊さんや大阪の夢の中に登場するネコのような不思議な生き物。ちよの父(という設定)で、異常な存在感を発揮している。見た目は森喜朗に少し似ており(気にしているらしく言われると怒る)、怒ると全身の色が変化する特徴を持つ。榊さんにとっては可愛いらしい。また、英語も堪能。なお榊さんは、「マッハ100で空を飛び、銃弾をも跳ね返す」と信じている(しかも実際飛べる)。ちよの部屋には、大阪から誕生日にプレゼントされたちよ父のぬいぐるみがある。後に大阪の夢の中にも登場。その他アニメ版のオープニング・エンディングなどにも登場する、本作のマスコット(影の主人公?)的存在。2005年現在「月刊コミック電撃大王」で連載中の『よつばと!』では、Tシャツの絵柄やぬいぐるみとして特別出演している。作者自身の肖像画としても使われており、作中でも作者の分身なのかもしれない。

かみねこ
榊の登下校路に出没する黒猫で、遭うたびに榊さんに噛み付くことからこう呼ばれる。おそらく野良猫。かまれまいと手を引くと、みぞおちにロケットアタックをしてくる。最後は和解(?)した。

マヤー
特別天然記念物イリオモテヤマネコの子供。修学旅行中に榊さんと運命的出会いをし、動物がなつかない榊さんになついた。母親と(恐らく)死に別れ、沖縄から榊さんを頼って街にやって来て、榊さんとちよちゃんの危機を救った。その後榊さんは雑種と偽り、面倒を見ることに。「マヤー」という名前も榊さんがつけたもので、その由来は沖縄の方言で山猫を「ヤママヤー」と呼ぶことから(ちなみに大阪は、同じ意味の「ヤマピカリャー」を「ピカニャー」と間違えて覚えている)。元が野生な為か、性格は割と凶暴で肉食。忠吉さんとは仲がよさげ。榊の母親が猫アレルギーのため、卒業まではちよの家で飼われることになる。

みるちー(みちる) - アニメ版声優:大前茜
ちよちゃんの小学校時代の友達。姓不明。2人組のうちの、短い黒髪。
ゆか アニメ版の声優は野川さくら。
ちよちゃんの小学校時代の友達。本名不明。2人組のうちの、波掛かった茶髪。


用語

石原動物病院(いしはらどうぶつびょういん)
美浜家が忠吉さんの主治医に選んでいる動物病院。院長の石原は、ちよと榊にとってマヤーを飼う事への貴重な理解者。マヤーが運び込まれたとき、イリオモテヤマネコと気づくものの、雑種として見逃してくれた。アニメ版の声優は北川米彦。

金蘭賞(きんらんしょう)
卒業式に最優秀生徒に贈られる賞。ちよが授与された。金蘭とは「金のごとく固く、蘭のごとくかぐわしい」意で、変わらずに続く真の友情の象徴。

ねここねこ
作品世界で人気のあるキャラクター。猫2匹が上下に重なったもので、下を大ねこ、上をこねこと呼称する。榊お気に入りのぬいぐるみとしての登場他、服など多方面にグッズ展開している模様。イリオモテヤマネコヴァージョンも存在する。
本作の他、『あずまんが大玉』『よつばと!』にも登場。『ねここねこのたび』では主役を張ったが、これは現在見ることは困難な幻の作品である。

マグネトロンバーガー(通称:マッグ、マグネ)
ファーストフードチェーン。マクドナルドのパロディ。原作のみ。夏休み中のちよ、とも、大阪のアルバイト先。ねここねこブランドと提携し、おまけの人形を付けるなどしている。このこととの関係があるかはわからないが、猫の肉を使っているとの噂が流れている。
雑誌掲載時には、アルバイト先の店長は、ちよの事を病気で発育が遅れた高校生と勘違いして雇っていた。単行本では修整され、ちよが就職可能年齢に達していないことに薄々気付いていながら、高校生として雇う事になっている。ちよを高校生として受け入れ、成長を見守る大人キャラクターの一人であり、ちよ父とは別のベクトルで、作中に登場しない彼女の父親の代役なのだとも解釈しうる。

マジカルランド
新しくオープンしたテーマパークで、日本一のジェットコースターが売り。『よつばと!』でも言及あり。マスコットキャラクターは魔法使いか妖精の姿をした白猫。


テレビアニメ

2002年4月から9月まで、テレビ東京系列(テレビせとうちを除く)、びわ湖放送、AT-Xで放送された。

このうち、AT-Xでは1話中のエピソードを分割して、月曜~金曜の帯番組として放送した(この枠ではエンディングは省略)。当初の放送形態はこれだけとの事だったが、後に地上波展開と合わせて30分バージョンの放送も決まった(なお、AT-X(30分バージョン)では基本的に「テレビ東京放送版」をソースとしているため、番組中に単行本等プレゼントのスーパーが流れたり、番組最後にプレゼントの応募先が表示されるなど、ある意味エアチェック派泣かせと言えよう。※その後、締め切り後である旨を告知している)。

なお、25話のDVD-BOXのプレゼント告知では、なぜか演歌歌手の香田晋が登場している。


DVD収録・販売形態

最初に出たのは販売専用の全3シリーズのDVD-BOXで、各学年ごとの話をまとめて一つのBOXに2枚組で収録された。その収録形態もTV放送版とは違い、各ディスクには最初にオープニングが収録され、続いて各話を連続で収録(アイキャッチも省略)、最後にノンクレジットのエンディングが流れ、放送時の各話クレジット入りエンディングと予告は別途再生扱いで収録、各話アイキャッチは最終シリーズの特典映像としてまとめて収録された。
その後、TV放送30分バージョンに準じた収録形態の単品DVDも順次発売され、レンタル版も同様の仕様で発売された。


スタッフ

原作:あずまきよひこ
監督:錦織博
プロデュース:GENCO
企画:佐藤辰男、真木太郎、大月俊倫
シリーズ構成:大河内一楼
キャラクターデザイン:加藤やすひさ
総作画監督:和田崇
美術監督:柴田千佳子
色彩設定:店橋真弓
撮影監督:高瀬勝
編集:西山茂
音響監督:鶴岡陽太
音楽:栗原正巳
演奏:栗コーダーポップオーケストラ
音楽協力:テレビ東京ミュージック
音楽制作:ランティス
アニメーション製作:J.C.STAFF
エクゼクティププロデューサー:梅澤淳
プロデューサー:池田慎一、大澤信博、松倉友二
協力:IMAGICAデジックス、animo、よつばスタジオ、里見英樹、佐々木衆五郎
製作:あずまんが大王製作委員会
脚本:大河内一楼、大久保智康、吉永亜矢、五月はじめ、ほか
演出:錦織博、大畑清隆、渡辺健一郎、ほか
作画監督:和田崇、加藤やすひさ、小栗寛子、ほか

主題歌
OP:『空耳ケーキ』(作詞:畑亜貴/作曲、編曲:伊藤真澄/歌:Oranges&Lemons)
ED:『Raspberry heaven』(作詞:畑亜貴/作曲、編曲:上野洋子/歌:Oranges&Lemons)


放映リスト

#01 「こども高校生」「天才です」「こわいかな?」「爆走ともちゃん!」「大阪人や」
#02 「今日も大阪」「体育・バレーボール」「しゃっくり」「脳が」「おにゅー」
#03 「にゃも」「派閥闘争」「ゆかりがきた」「悪くないもん」「どこまでも」
#04 「楽しい職業」「プールプールプール」「りぼん」「ふたりっきり」「いいひと?」
#05 「なつやすみ」「ようこそちよの部屋へ」「ご招待」「経験者語って」「もうだめ」
#06 「勝利の方程式」「三組の榊 五組の神楽」「ぶっちぎり」「わーい」「踊る大団円」
#07 「おとぎの組」「人格者」「のりのりゴー!」「マスコット」「敵?」
#08 「大阪の初夢」「ともちゃんの場合」「榊の場合」「ようこそ」「かおりんの場合」
#09 「触れないなら」「11才」「ねこさん…」「設定」「なんで?」
#10 「ドラフト指名」「クラス替え」「おおかみ」「先輩風ぴゅーぴゅー」「マルコ・・・」
#11 「国際都市」「対決」「たたかなくても」「ねこまみれ」「逃げないで」
#12 「ちよちゃんの一日」「高校のともだち」「お昼」「ごご」「なわとび」
#13 「ノーガード戦法」「S」「中間テスト」「結成」「能力」
#14 「おかいもの」「集合」「うみー!」「捕獲作戦」「大人の世界」
#15 「木村家の人々」「みたみた?」「未確認奥さん」「ガチガチ」「結果発表」
#16 「くみあわせ」「降臨」「かわいい」「注文」「宣伝効果」
#17 「大阪の怪談」「気分転換」「師走」「すごいサンタ」「クリスマス会」
#18 「うきよみ」「裏切り」「ワクワクワクワク」「仲間はずれ」「ゴー」
#19 「あくび名人」「なんだか青春」「大人の花見」「子供の花見」「桜」
#20 「別離」「ゆかりの誕生日」「はばたけちよ」「こども大統領」「強く生きて下さい」
#21 「期待」「いてもたっても」「海の藻屑」「夢の島」「山にすむネコ」
#22 「ナイスですよ」「だまされた」「黒沢先生」「未遂」「まだ終わってない」
#23 「かんだ」「もりあげ役」「考えてなかった」「みんなで走ります」「一丸」
#24 「進路」「対決」「はやく行こう」「人望」「マヤーと一緒」
#25 「進路相談」「合格祈願」「ファイト」「勉強会」「智と大阪運命の日」
#26 「初めての卒業」「万感」「悲しみ」「母校」「みんな」


タイトル案

あずまきよひこが連載開始前に用意していたタイトル案は『くるくるスクール』ないし『すくすくスクール』というものであったが、関係者にその案を提示したところ、「漫画コンテストに応募したら落選しそうな題であり、良くない。電撃大王に載るあずまの漫画だから、『電撃あずまんが』か『あずまんが大王』にし給え」といわれ、押し切られる形で現題に落ち着いた。

ちなみにこれはそれ以前に、天地無用!シリーズや『バトルアスリーテス 大運動会』のCDやビデオカセット(発売元:パイオニアLDC)のブックレットにあずまが書き下ろした漫画を、収録したコミックスのタイトルが「あずまんが」であったことにも由来している。しかし、あずま自身の中ではこの件は以後もわだかまっていたようで、登場人物に「やなタイトル」といわせたり、「これほど売れると判っていればちゃんと題名を考えた」「(『ぱにぽに』を見て)自分もこの様な題名にすればよかった」といった発言を繰り返している。そのためか、次作のタイトルは『よつばと!』と、「その様な」題名になった。


書誌情報等

単行本
メディアワークスより「Dengeki Comics」として刊行されている。全4巻完結。
第1巻(2000年2月25日発行) ISBN 4-8402-1467-0
第2巻(2000年11月15日発行) ISBN 4-8402-1691-6
第3巻(2001年9月25日発行) ISBN 4-8402-1943-5
第4巻(2002年6月25日発行) ISBN 4-8402-2128-6

DVDソフト
KING RECORDSより発売されている。全6巻完結。
第1巻(2003年7月24日発売) KIBA-893
第2巻(2003年8月27日発売) KIBA-894
第3巻(2003年9月25日発売) KIBA-895
第4巻(2003年10月22日発売) KIBA-896
第5巻(2003年11月27日発売) KIBA-897
第6巻(2003年12月26日発売) KIBA-898


外部リンク

あずまんがTV大王(IMAGICA内)
あずまんが大王パズルボブル (モス web site!内)
あずまんがドンジャラ大王(バンダイ ビデオゲーム ホームページ内)


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