菊地洋行
年明けの爆発的な感染以降、宮崎県内の新型コロナウイルスの新規感染者数が高止まりしている。県は、「第3波」に入った昨年11月~今年1月19日の約1300人の事例を分析し、具体的な感染事例をまとめた。会食や休憩などでマスクを外した場面が多く、症状がありながら医療機関を受診せずに感染を広げた例もあった。
いずれも、接触歴や発症日などから感染経路を推定した。11月以降、医療機関や高齢者施設など、15件のクラスター(感染者集団)が発生。このうち都城・北諸県圏域の感染症指定医療機関「都城市郡医師会病院」では一時、救急患者や新規コロナ患者の受け入れができなくなった。
県医師会の浜田政雄副会長は「クラスターは、休憩時間や食事など緊張の緩んだ時に起きている」と指摘した。
感染者の高止まりについて県は、宮崎市を中心に年末年始に県外から帰省した人たちとの会食などの場で感染しながら軽症、無症状で感染に気付かない人(二次感染、三次感染)が一定数いて、家族・親族間や高齢者施設などでの感染につながったとみている。
県は、第3波では感染者が多く、三次、四次以降の感染にまで広がっているため沈静化には時間がかかると分析する。宮崎・東諸県圏域外も感染の火種が残り、各地の高齢者施設などでクラスターが発生する可能性はあると警戒。「感染を広げないためにもマスクの着用を」と呼びかけている。
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宮崎県と宮崎市は21日、あらたに10歳未満~90代の男女28人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内の感染者の累計は1675人になった。
宮崎市の検査では20人の感染を確認した。このうち2人が県外在住者。これまでに確認された患者の家族・親族、患者と接触歴がある人が14人と大半を占めている。
県の検査では8人の陽性を確認。都城市、延岡市が各2人、小林市、日向市、新富町、三股町が各1人。延岡市と日向市の3人は、県内18例目のクラスターとなった門川町の「カラオケスタジオさざん歌」の利用者の家族らという。
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地域医療機能推進機構「宮崎江南病院」(宮崎市大坪西1丁目)が、国が実施する医療従事者向け新型コロナウイルスワクチンの先行接種の対象になった。県が21日、明らかにした。
国民へのワクチンの本格接種の前に、国は医療従事者1万人程度にワクチンを先行接種し、接種後の健康状況を調べることにしている。医療従事者への先行接種はワクチン承認後、2月中にも実施される見込みという。(菊地洋行)
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