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(百合子)さようなら。(村川)違うな。
今のセリフ もう一度。
(千代)恋人役になってくれはれへんやろか。
うちの恋人役になってくれはれへんやろか。
うちの…。(小暮)大事な話って何?
あの… あんな こないなこと言うのはほんまに こっ恥ずかしいんやけど…。
うちの恋人になってくれはれへんやろか?
千代ちゃん 恋人役の「役」が抜けてる。
あれ?
ほな 今日も いきまっせ。
ワンのツーの ほいさっさ!
あれ~?
♪「オレンジのクレヨンで描いた太陽だけじゃ」
♪「まだ何か足りない気がした」
♪「これは夢じゃない(夢みたい)」
♪「傷つけば痛い(嘘じゃない)」
♪「どんな今日も愛したいのにな」
♪「笑顔をあきらめたくないよ」
♪「転んでも ただでは起きない」
♪「そう 強くなれる」
♪「かさぶたが消えたなら」
♪「聞いてくれるといいな」
♪「泣き笑いのエピソードを」
♪~
<な… 何で こないな時にこないなとこに こないなやつが…>
あっ…。<幻か?>
(京子)わっしょ! どないしよ。せやねん 活動写真やなんて久々やもん。
そこ ちゃうじょ!2人きりでお出かけやろ。
あいびきやんけ あいびき~。
ちょうど見たいシャシンがあるんだけどどうかな?
シャシン?
活動写真!?
(平田)その小暮とかいうやつほんまに大丈夫なんか?
(宮元)いきなり誘うてくるあたりな相当 遊び慣れとる。 そいつ悪い男や。
小暮さんは そないな人やあれへん。(純子)そうや。 へんねし起こさんとき。
千代ちゃんが選んだ相手なんやさかい。そうだすわ! いやいやいや…。
せやさかい ただの「ふり」やから。
(洋子)こういうのんは 最初が肝心なんえ。
正直 僕も あんまり経験ないからどこまで仮の恋人役が務まるか自信ないけど。
おおきに! よろしゅうお願い申します!
よっしゃ そしたら今から みんなで作戦会議や!
作戦会議や~!
活動写真の前にな 新京極出てなんぞ甘いもんでも食うてええ雰囲気にするんやし。ほいでよ 店出たらよぉええとこで 手ぇ握るんじょ!
そんな あかんわ。 控えめにせな。
向こうから そうさせるように 誘うんや。
うちの一張羅 貸したげるわ。(真理)私のも!
化粧濃すぎんのは あかんしな。ちょお 今から試してみよけ。
ほな まず 服から合わせてみよし。
(騒ぐ声)
・(猫の鳴き声)
あかんな。
(洋子)何や お尻こそばあなるわ。(京子)はあ~?
こんな足出した あかんえ。
これが いっちゃん ええやんけ。
(真理)あかんちゃ! 千代ちゃんのよさが全然出てないがいちゃ!
(京子)何言うてんねん。(言い争う声)
おはようございます。
(守屋)今日は何の撮影や。
恋愛物だす。
えっ?
千代ちゃんは 撮影所で小暮君と待ち合わせをしておりました。
うっ…。(百合子)ああっ…。
(小竹)逃げよう。君のためなら全てを捨てる。
さようなら。(村川)違うな。
今のセリフ もう一度。
さようなら。(村川)うん もう一度。
何がいけないのかしら?
君の芝居はさ!
君のお芝居は僕の映画になってないんだよ。
おい いつまでやんねん。
すみません。
(片金)よう! やってんな 諸君。
朗報や。今朝は 一段と はみ出しおったわ。
嫌やわ。吉兆吉兆。 ハハハハハハ!
(村川)休憩。休憩?
一旦 休憩で~す!はい ご苦労さん。ご苦労さん。 ご苦労さん。ご苦労さんでございます。 ご苦労さん。
気張ってや!
こぐ…。
(一平)こぐ?
こぐ…こぐまかと思たわ。フッ… 頭 大丈夫か?
そないなことは どうでもええ!何で あんたが ここいてんねんな!
ええやろ 別に。役者が撮影所おって何が悪いねん。
あんたも活動写真に出んの?そないなもん出るかい。
俺はな 舞台役者や。ほんなら何で…。
あ~ 女優さん追いかけてきたんやろ。
お前と一緒にすな。どういう意味やの。
何や その ちゃらちゃらした格好は。
あっ ちょちょ… こ… これはやな…。あ~。
真っ昼間から 男に 恋人になってくれ言うて せがんでたしなあ。
ちゃうねん ちゃうねん ちゃうねん誤解やて 一平 落ち着き!
お前が落ち着け。あの人はな ここの助監督さんでほんで うちのこと いろいろ心配してくれてはってな。
で うちが芝居すんのに恋いうもんが よう分かれへんさかい試しに恋人のまねしとくれやすてお願いしたんや。
ほんまに 好きとか嫌いとかそないなことと違う!
けど 二枚目やったなあ。嫌いやあれへんのやろ。
そら まあどっちかって言われたら 好きやけど。
何言わすねんな もう。…やそうですわ。
あ~! ちょちょ…!すんまへん! すんまへん! すんまへん!
大丈夫。 それより ごめん 千代ちゃん。撮影 まだ終わりそうになくて。
そうだすか もう… 構しまへん。うち待ってますさかい。
村川先生と高城さんが やり合っちゃっていつまでかかるか分からないから様子見て先に帰っていいからね。分かりました。
あっ! この人はどうでもよろしんだす!
そないな紹介のしかたあるか。
前に道頓堀で 千代と一つ屋根の下に暮らしてたもんです。
おかしい! それも けったいや!ほんまのことやろ。
ただの知り合いだす。あっ そうなんだ。
はい。じゃあ もしよかったら 僕の代わりに…。
絶対お断りだす!
あっ そう。 じゃあ 悪いけど現場戻るね。はい。
ほな 俺も やることあるさかい。
あっ なあ…。
道頓堀のみんな 元気にしてはる?
元気やで。 お前が役者になったって聞いてみんな言うてたわ。
何て?
あほやなあ 役者なんかやるもんやあれへんのになあて。
嘘やろ…。
フフフフフ…。
「僕は胸がいっぱいで何も言うことができない」。
「堪忍してください」。
「君は あの富山のダイヤモンドに目がくらんで 僕を裏切った」。
「貫一さん!」。「ええ言うな。こうして2人一緒にいるのも今夜限りだ」。
何で 結局 こないなんねんな。知らんわ。
なあ あんた ほんまに何しに来たん?
「貫一さん お願いです。どうぞ 辛抱して…」。
「せやからやなみんなの言葉を伝えたりに来たんや」。
(千之助)「どうせ おっても おらんでも変わらん役者にしかなられへんのに。おちょやんって あほやのう」。
(千鳥)「あほやなあ!」。「あほやなあ」。
(みつえ)「あほやなあ」。(シズ)「あほやなあ」。
(テルヲ)「ハハハ! あほやなあ。あほやなあ。 あほやなあ。あほやなあ。 あほやなあ」。
(小暮)千代ちゃん… 千代ちゃん。
怖い夢やった…。大丈夫?
あっ… すんまへん 寝てしもうてました。
こっちこそ ごめん。 どうする?
そうだすなあ… また今度にしましょか。
高城さんと監督は 大丈夫だしたか?うん まあ なんとかね。
じゃあ 僕 戻るから。
ほな また明日。また。
千代ちゃん。
(小暮)千代ちゃん 大丈夫? 頑張れ。はい おおきに。
あ~! やっぱり間に合わなかったか。
ごめん せっかく来たのに。いや 元はて言うたらうちが頼んでつきおうてもろてますねさかい。
いや…。じゃあ ごはんでも食べて帰ろうか。
はい。
こないな時 恋人やったらどないな話 しますのやろ。
う~ん… 「ご趣味は?」とか。
それ お見合いと違います?あっ そうか。
う~ん…。
小暮さんの趣味は何だす?
え~ 何だろ…。
活動写真と違いますの?違うよ。
活動写真は趣味じゃない。 夢。
いつか 一本でいいから自分が本当に作りたい作品を撮ろうと思ってる。
小暮さんやったら できるわ 絶対。
ありがとう。 千代ちゃんならそう言ってくれると思った。
やぁ ほんまに そない思たさかい。
千代ちゃん… ごめん。
僕は 千代ちゃんを利用した。
白状すると「カルメン」の撮影が かなり大変でさ。
村川先生も高城さんも気が立ってるからこっちも全然気が抜けなくて…。
でも 終わって休憩所で千代ちゃんと話してると何だか いつも ほっとして元気になれた。
だから 今日も話がしたかったんだ。
本当は 僕が千代ちゃんに救われてるんだ。
どう? 恋人同士の芝居できそう?
あ… ああ そうだした ふりやもんね。
小暮さん お上手だす。役者もできはりますなあ。
いや 今言ったのは本当だよ。
千代ちゃんがいてくれて よかった。
ただいま。(一同)お帰り。
店長。うん?あさって休ませてえな。
またかいな。 あかん もう。
平田 ちょっと来い!はい。
ほな お先ぃ。ああ お疲れさん。(京子)うちも帰る。洋子さん おうどん食べ行かへん?(洋子)ええね。
あの… どないやったか聞きはれへんのだすか?
ああ ほんまじょ。
まあ よう考えたら所詮 まね事やし。
うまいこといくも いかへんもあらへんしな。
あっ 千代ちゃん! どうやったがけ?
何や うち…あの人のこと好きみたいや。
そやろ。 そんな簡単にな 恋心いうのは…。
今 何て…?
どないしよ… うち ほんまに好きになってしもたみたい。
え~!あっちゃ!
あれ~。