コロナ抑制の台湾で異例の集団感染、北部の病院で9人
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【台北=中村裕】台湾の衛生福利部(厚生省に相当)中央感染症指揮センターは19日、台湾北部の病院で院内感染によるクラスター(感染者集団)が発生し、医師や看護師など計9人の感染者を確認したと発表した。感染拡大を抑えていた台湾での集団感染は異例だ。春節(旧正月)の大型連休を控え、警戒感が強まってきた。
クラスターが発生したのは、台湾北部の桃園市にある病院。当局が12日、新型コロナ患者の治療を担当する30代の男性医師が感染したと発表して以降、次々と感染者が見つかっている。同じ病院に勤務する女性看護師や、その家族で、19日には新たに4人が感染したと発表し、これで合計9人の感染が確認された。
台湾全体ではこれまでに累計868人の感染、7人の死亡を確認した。感染者の大半は域外からの入境者だった。
台湾では、2月10日から16日まで春節の大型連休がある。帰省など人の往来も増え、新型コロナの感染拡大に当局は従来以上に警戒を強める。
交通部(交通省)観光局などは19日、台湾の一大イベントで、新竹市で2月26日から予定されていた「台湾燈会(台湾ランタンフェスティバル)」の中止を発表した。
新型コロナ対策の指揮を執る陳時中・衛生福利部長は19日の記者会見で「今後、防疫のルールが守られなければ(事業者などに対し)イベントの中止を強く求めていく」と話した。