被害総額は3億円以上…詐欺首謀者の男が書類送検

新型コロナウイルスの影響を受けた、中小事業者に支給される「持続化給付金」。この支援制度を悪用した詐欺の首謀者の男が書類送検された。

被害総額は3億円以上。取材でその不正の手口と豪華な生活ぶりが見えてきた。

端正な顔立ちでピースサインをする男。「金儲けのカリスマ」と崇められ、ある事件の首謀者として警察にマークされていた。

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その正体は、詐欺の疑いで逮捕送検された、飲食店経営の結城世成容疑者(23)。持続化給付金を悪用し、国にうその申請をして給付金100万円をだまし取った疑いが持たれている。

SNSには豪遊生活がつづられていた

だまし取った金で手にした生活はどんなものだったのか。結城容疑者のSNSには、数々の高級料理店で食事をしている様子が多く投稿されていた。

北京ダックや酢豚、麻婆豆腐など、高級中華料理店で食べた豪華メニューのほか、ミシュラン2つ星の高級寿司店での食事の画像も投稿されていた。

結城容疑者の投稿内容:
超予約困難な店にならないでほしい

住まいも並外れていた。結城容疑者は東京・目黒区の高級住宅街にそびえるタワーマンションの一室を借りていたほか、自ら経営する店がある仙台市にもマンションを持っていたという。

23歳という若さで手に入れた、豪華な暮らし。巨額のお金をだまし取ったその手口はどんなものだったのだろうか?

実行役は300人…不正報酬の8割は結城容疑者に

結城容疑者はすでに逮捕、起訴されている田村龍斗被告に、SNSで犯行の手口を指南。田村被告は犯行グループのリーダーに指示を出して、実行役らに給付金申請の手続きをさせていたとみられる。

実行役には数万円の報酬を与えていて、その数は300人。不正に得た報酬のうち、8割は結城容疑者へ。残りの2割は犯行グループリーダー2人に1割ずつ渡っていたという。

結城容疑者は、給付金を申請する実行役を探す場合、個人事業主として登録のない会社員や専門学校生を狙うよう指南していたという。

警察はこれまでの家宅捜索で、通帳やパソコン、スマートフォンなど100点近くを押収していて事件の全容解明を進めている。

「許せない」飲食店からは怒りの声

こうした給付金の悪用に、客足が遠のき苦しい状況にある飲食業界からは怒りの声が上がっている。

創作和食ダイニング 和神・松田三知店長:
ひどいですね。本当に僕らはこうやって苦しんでるときにそれを悪用して、国民の税金をだまし取るっていうのは本当に許せないですよね

鉄板焼き 鉄仁・森仁英店長:
国民のお金ですからね、はっきり言って。もう本当に怒りしかないですね

(「イット!」1月21日放送)