サルスベリ(百日紅)の手入れや剪定

サルスベリ(百日紅)とは

木登り上手のサルですら、すべって登ることができないほど、樹皮がツルツルとなめらかなことからつけられた名前がサルスベリです。鮮やかに咲いている紅色の花を見ると、まさに夏の花という感じがします。

  1. 夏から秋にかけて次々と開花する。枝の生育にばらつきがあるので、「百日紅」の別名どおり、開花期が長期間となる。
  2. 落葉期に新梢すべてを切り戻す仕立て方のほか、弱めの切り戻しと間引き剪定を組み合わせた自然風仕立ても人気がある。
  3. 本種とヤクシマサルスベリとの交雑種などを含め、矮性品種や、幼木から開花する一才性品種、這い性品種、うどんこ病に強い品種など、多くのタイプと花色がある。
  4. サルスベリは、樹高10mになる落葉高木だが、イッサイサルスベリと呼ばれる樹高30cm程度で、幼苗のうちから花を咲かせる系統もあり、この園芸品種の矮性サルスベリが、道路や公園の植栽に使わることが多い。

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サルスベリ(百日紅)の手入れ
サルスベリ(百日紅)
サルスベリ(百日紅)の手入れ
サルスベリ(百日紅)
サルスベリ(百日紅)の手入れ
サルスベリ(百日紅)
サルスベリ(百日紅)の手入れ
サルスベリ(百日紅)

種類

ディア・ルージュ

うどんこ病に耐性があり、花色も鮮明である。枝が張らない立性のため、限られたスペースでも栽培できる。本品種は真紅の花を咲かせ、非常に美しいが、暖地での栽培に限られる。

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ディア・パープル

ディア・シリーズの1品種で、清涼感のある藤紫色の花を咲かせる。

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チカソー

サルスベリとヤクシマサルスベリの交配種。7年で樹高50cmにしかならず、濃い緑色の葉と調和する紅がかったピンクの花を咲かせる。

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サマー&サマー

成木でも、樹高30~40cm程度で、枝も横に張るため、グラウンドカバーにもできる。寒さにも強く、北海道南部まで庭植えが可能である。紅花の本品種以外にも、濃紅色の「サマーフラッシュ」紫色の「パープルクイーン」白色の「ホワイトフェアリー」がある。

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花言葉

「雄弁」「愛敬」「活動」「世話好き」

栽培環境

日当たりがよく、水はけのよい場所を好む。

水やり

庭に植えつけてから1年未満の株は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与える。根づいた株は、水やりの必要はありません。

肥料

2月ごろに寒肥(元肥)として有機質肥料を株元の周辺に埋めておけば、そのほかは必要ありません。

病気と害虫

病気:うどんこ病

糸状菌のカビの一種で3月から4月ごろから発生します。
前年から樹上で冬越しした菌が発生源となります。予防策としては、茂りすぎた枝を間引いて、風通しと採光をよくすることです。

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害虫:サルスベリフクロカイガラムシ

6月、8月を含めて、年に2~3回発生します。白い楕円形のカイガラムシが樹液を吸汁します。
蜜状の排せつ物にカビが発生して起こるすす病も深刻です。景観上だけでなく、日光を好むサルスベリの葉を覆い光合成を妨げます。

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花が終わってすぐ切るのはダメ!

夏の暑い時期7月~9月に咲き続けますが、剪定は冬の落葉が終わってから、行います。 そして、切るときは今年花が咲いた枝を思いっきり切ってしまいます。 株元から伸びている枝(ヒコバエ)は根本から切ります。 幹の根本から出てきた枝(前年枝)で、細い枝は根本から、太い枝でも2~3芽を残して切り落とします。

同じ箇所ばかりはダメ!

ありがちなのが、同じ箇所を切り続けてしまったために、切り口がかたまることがよくあります。 こうなってしまったら、5~6年に1度くらいそのかたまった部分を切って取り除いてしまいましょう。 また、伸びのよい方向の枝を数本残しておくといいです。

植えつけ

植えつけは4月から5月と9月が適期です。移植などの植え替えは3月から4月が適期です。植えつけや植え替えるときに、植え穴の底に有機質肥料か緩効性化成肥料を元肥として施しておきます。

剪定

翌年も花付きをよくするために剪定を行います。適期は落葉期の1月から3月です。「その年に伸びた枝(本年枝)を短く切り戻す」ことが、基本となります。
強い切り戻しは翌春に勢いの強い枝を出し、大きな房で開花します。弱い切り戻しは、細かい枝が多く出て小さな房でたくさん開花します。

  1. 細かな枝先の前に、株の元から生えている細い枝を全て切除します。サルスベリはヤゴが発生しやすい樹木ですが、これを放置すると主幹の成長が阻害されますので、見付け次第、取り除くのが本来の手入れです。
  2. 幹から出ている枝は、なるべく幹に近いところの分かれ目で切ります。こうすることで大きくなるのを抑えつつ、コブにするのも防ぐことができます。ただし、枝が長過ぎる場合、分かれ目ではなく適当な位置で切っても問題ありません。 サルスベリの場合、強めに剪定すればするほど、切った場所から元気な枝が発生して、良い花を咲かせます。

春以降の剪定

春以降に伸びた枝に初夏~夏にかけて花をつけるので、この時期は基本的に枝を切りません。
地際から勢いよく伸びてくる枝(ヤゴ)や細くて弱々しい枝などがあれば付け根から取り除いて整理しますが、その程度にとどめます。

花がら摘み

花が咲き終わった後は、タネをつけて消耗しないように花がらは切り取っておきましょう。

こぶの整理(数年に1回)

本年枝の剪定を毎年繰り返すと、毎年切る位置あたりが肥大してげんこつのようなこぶになります。
こぶが大きくなってしまうと全体の樹形が損なわれるので、数年に1回はこぶの位置を切り落とすような感じで古枝ごと切り戻しを行います。

サマー&サマー
サマー&サマー

宮原福樹園より

放っておくと、高さは6~7m程度に達し、横枝も大きく張り出します。芽吹きがよく枝葉が鬱蒼としやすいため、剪定せずに放置していると、台風などの強風にあおられて転倒することもあります。また、風通しが悪いとウドン粉病やカイガラムシの被害に遭いやすくなります。

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