価値創造の歴史
1960年、日本の学生がまだ自由に就職先を選べなかった時代に、東京の小さなビルの屋上プレハブからリクルートグループはスタートしました。初の自社商品となった大学生向けの就職情報誌『企業への招待』を通じて企業からの新卒採用情報を広く公開し、オープンな就職マーケットの創造に注力しました。今年、創業から60年を迎えた当社グループは、世界中の国や地域でさまざまな事業を通じて個人と企業の新しい出会いを提案し続け、新しい価値の創造に取り組んでいます。
時代や場所は変わり続けても、私たちが目指しているものには共通点があります。それは、世の中に溢れる「情報」を、圧倒的な速さと便利さで、必要とする人々のもとへ届け、社会の「不」(不満・不便・不安)を解消し、誰もが自分自身に最適な選択肢と出会える機会を提供することです。また、この「不」を探し出し、自ら解決しようとする人々の意志と情熱に賭け、一人ひとりの可能性を育むことで世界を変える力を生み出すことが、私たちの価値創造の源泉となっています。
今般、60周年を迎えるにあたり、当社グループの価値創造の歴史を「事業領域の拡大」「情報のデジタル化」「グローバリゼーション」という3つの軸でたどりました。私たちの沿革は、事業や業界の枠にとらわれず領域を拡大し、テクノロジーを活用しながらいち早く情報のデジタル化に取り組み、最適なマッチングによって世界中の「不」の解決を目指してきた歴史ともいえます。今日、過去に類を見ないスピードで社会や顧客のニーズが急激な変化を遂げているなか、私たちはこれからも自らを進化させ、「まだ、ここにない、出会い」を桁違いに速く、驚くほどシンプルに、もっと身近に創出し続けるよう努めてまいります。
事業領域の拡大
1960年に大学新聞専門の広告代理店として創業。2年後、大学生への求人情報だけを集めた「企業への招待」を発行し、企業の新卒採用情報を広く公開。個人と企業をつなぐビジネスモデル「リボンモデル」 を確立。高度成長期の就職を支え、転職を広く一般的なものに変え、女性の働く機会を広げるなど、人材領域においてさまざまな時代の変化やニーズに応える中途採用・人材紹介・人材派遣などの事業を展開。さらなる機会の創出を目指し、個人と企業の新しい出会いを提案し続けています。
さらに、ライフイベントや日常消費の販促領域、例えば、住宅や結婚、旅行や飲食、美容といった分野においても、同じく情報を自由化することで、個人が多様な選択肢から選べる世界の実現に貢献してきました。近年では、SaaS (Software as a Service)ソリューションを活用し、クライアントの集客や顧客管理など、業務・経営支援の提供を通じた新たな価値の創造にも取り組んでいます。
情報のデジタル化
1960年代、一般的にはまだ導入が珍しかった時代からコンピュータを導入し、情報のデジタル化と最先端のテクノロジーの活用を通じた情報提供の迅速化と効率化を実践してきました。1980年代に研究を進めたスーパーコンピュータの知見を活かし、1990年代には紙メディア(情報誌)をインターネット 、そしてモバイルへと転換しました。デジタル化した情報を個人ユーザーにスピーディに届けるだけでなく、企業クライアントに対しても業務効率の改善に繋がるオンライン予約管理サイトを開発するなど、テクノロジーの急速な進化とともに変化し続ける個人と企業双方のニーズに適切に対応し、サービスの磨き込みを続けています。現在は、人材マッチング市場におけるあらゆる採用プロセスをテクノロジーの活用で圧倒的に効率化することに加えて、Air ビジネスツールズなどのSaaSソリューションの拡大を加速しています。
グローバリゼーション
2000年代からは、世界中の情報の流通に、当社グループのノウハウを展開することを目指し、グローバル市場への事業展開を推進し始めました。当初は結婚関連の事業を中国で展開したものの、数年で撤退。この失敗の経験が、以降のM&Aを通じた海外事業戦略に活かされることになりました。2010年の米国CSI買収を皮切りに、欧州や豪州でも買収を通じて人材派遣事業を拡大し、グローバル規模で就業機会の提供に努めています。また、2012年にIndeed、2018年にGlassdoorを買収。オンライン求人プラットフォームやテクノロジーを活用した採用ソリューションの提供などを通じて、世界中の個人の求職活動と企業の採用活動を支援しています。
創業
大学新聞広告社の設立
企業への招待
大学生への求人情報だけを集めた就職情報誌「企業への招待」を創刊し、「リボンモデル」を確立
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IBM 1130を導入
上記コンピュータを、日本企業として初めて導入し、テスト事業などで活用。情報を扱う企業として、最新のIT環境を追求・整備
リクルートコンピュータプリントを設立
情報誌などの印刷前工程のデジタル化にいち早く取り組むための子会社を設立
住宅情報事業を開始
「住宅情報(現 SUUMO新築マンション)」創刊
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とらばーゆ
日本初、女性のための転職情報誌「とらばーゆ」創刊
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カーセンサー
中古車売買の専門情報誌「カーセンサー」を創刊
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インフォメーションネットワークサービスを開始
同年の日本における通信事業の民営化を背景とした情報サービス関連事業に取り組むための基盤を強化。多くのエンジニアの採用を開始
Recruit U.S.A Inc.を設立
米国に事業展開する日本企業の採用支援などの事業を開始
スーパーコンピュータ研究所を設立
スーパーコンピュータの研究と利用促進を目的とした研究所を設立。情報サービス事業のあり方を模索しながら、来るべき情報化社会に向けた知見を深化
じゃらん
多彩な予約情報を提供する旅行関連情報誌を創刊
ゼクシィ
新規事業提案制度「Ring」から生まれた結婚関連情報誌を創刊
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Mix Juice(現 ISIZE)
日本のインターネット黎明期、情報誌のコンテンツを活かしながら、ネットの機能を活用するさまざまなサービスを提供
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RB on the NET(現リクナビ)、 Digital B-ing(現リクナビNEXT)
就職情報誌のオンライン化を開始
Hot Pepper(現 Hot Pepperグルメ)
グルメなど日常生活に密着した生活情報誌を創刊
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ISIZEトラベル(現 じゃらんnet)
宿泊施設のオンライン予約サービスを開始
中国での事業展開と撤退
中国での事業展開と撤退結婚関連情報誌ゼクシィなどを中国で展開
数年で撤退を余儀なくされるが、ここでの失敗の経験を以降のM&Aを通じた海外事業戦略に転換
Hot Pepper Beauty
サロン予約の常識を変えた革新的サービスとして成長
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CSI買収
米国の人材派遣会社CSIを買収。ユニット経営を導入・実践。M&Aによる人材派遣事業のグローバル展開を開始
受験サプリ(現 スタディサプリ)
大学受験勉強を支援するオンライン学習サービスを開始
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Staffmark、Advantage Resourcing買収
これらの買収を通じて米国・欧州に多数の事業拠点を獲得
SALON BOARD
ビューティーサロン向けのクラウド型オンライン予約管理システムを開発
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Indeed買収
米国のオンライン求人情報専門検索サイトを運営するIndeedは2004年創業。リクルートグループはこの買収を通じて人材関連事業をデジタル技術で変革するHRテクノロジー事業に本格参入
Airレジ
飲食・小売・サービスなどの業種で必須のレジ業務がiPadもしくはiPhoneで行えるSaaSベースのPOSレジアプリをリリース
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2014東京証券取引所市場第一部に上場
1962年
「企業への招待」創刊
大学生への求人情報だけを集めた就職情報誌「企業への招待」を創刊し、「リボンモデル」を確立。「企業への招待」は、アメリカの大学で配布されていた就職情報ガイドブック「キャリア」をヒントに出版され、リクルートの"広告だけの本"の原型となる。
1976年
「住宅情報(現 SUUMO新築マンション)」創刊
オイルショック時の不況対応として開始した住宅情報事業で急成長。住宅の売買情報の「駅から徒歩○分」という表示。これまでは、販売主が自由に広告を制作してしまうため、基準がまちまちで、実際に歩いてみたら○分よりもはるかに時間がかかったなどという問題が発生していた。そこで住宅情報は、"徒歩1分を80メートル"と掲載基準を設定。また、今では不動産広告で当たり前になっている「間取り図」を開発したのも本誌。
1980年
日本初、女性のための転職情報誌「とらばーゆ」創刊
日本で初めて、女性のための転職情報誌を創刊。日本で男女雇用機会均等法が施行されたのは5年後の1985年。女性の社会進出を後押しし、後に「とらばーゆする」が流行語に。
1984年
中古車売買の専門情報誌「カーセンサー」を創刊
中古車売買の専門情報誌を創刊。当時の新入社員研修プログラムで提案されたアイデアから生まれた事業。
1993年
画一的で退屈な結婚式を解消し、結婚をもっとHAPPYに、というコンセプトで、新規事業提案制度「Ring」から生まれた結婚関連情報誌を創刊。
2000年
グルメなど日常生活に密着した生活情報誌を創刊。
結婚・住宅・中古車などライフイベントからライフスタイル(日常消費)関連情報を扱うメディアへと事業を拡大。
2011年
大学受験勉強を支援するオンライン学習サービスを開始。良質な学習コンテンツをウェブベースかつ低価格で提供するモデルを展開。後に語学・資格取得など多様な学びの機会創出へと拡大。
2013年
飲食・小売・サービスなどの業種で必須のレジ業務がiPadもしくはiPhoneで行えるSaaSベースのPOSレジアプリをリリース。中小企業を取り巻く業務負荷を軽減し、クライアントが思い描く理想の店舗づくりを支援。
2015年
中・小規模クライアント向けの決済サービスを開始し、業務支援サービスを拡張。現在、カード・電子マネー・QRコード*・ポイントなど多様化する決済手段に対応するお店の決済サービスとして進化。
(*QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です)
2018年
シフトの作成・管理などができるSaaSベースのシフト管理サービスを開始。飲食・小売・サービスなど深刻な人手不足を抱える幅広い業種での活用が拡大中。
1995年
Mix Juice(現 ISIZE)
日本のインターネット黎明期、情報誌のコンテンツを活かしながら、ネットの機能を活用するさまざまなサービスを提供。例えば、マンションを購入したいときに予算と希望の地域、広さを登録しておくと情報が届く、というサービスなど。インターネットがまだ一部の人にしか活用されていない時期から「Mix-Juice」はさまざまな実験を続けた。
2007年
オンライン予約サービスを開発。サロン予約の常識を変えた革新的サービスとして成長。
2012年
ビューティーサロン向けのクラウド型オンライン予約管理システムを開発。店舗での紙ベースだった予約台帳をデジタル化し、サロン業界のさらなる生産性とサービスの向上に寄与することを目指して展開。