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takao版「このラノベがすごい!2010」 電撃文庫編 後編 [takao版「このラノベがすごい!2010」への]
それでは、先日に続き、takao版このラノベがすごい2010 電撃文庫編の後編です。
29 有川夕菜の抵抗値/時田唯
まぁまぁ面白かったかな、という印象。パラライザという、身体から電気を放電する特殊体質ゆえ、人との接触を恐れる主人公が、転校した先の学校の人物によって変わっていく、というお話。
夕菜をパラライザと積極的に関わろうとする二人に関しては、キャラ的には良いものの二人も必要だったかな、という感じがしました。部長だけにして、恋愛ものとするか、千春だけにして、友情ものとするか、どっちか一つを選んでいた方がもっとすっきりしたような感じがしました。
登場人物の周りがよかったのは好印象。夕菜、千春、部長とそれぞれの立場、トラウマがあるのですが、ついつい自分の思いだけで暴走しがちなキャラたちをちゃんとたしなめる存在がいて、それを受けて3人が少しずつ変わっていくのが素敵でした。
評価:☆☆
30 ダブルブリッド(1)/中村恵里加
電撃文庫では人気シリーズだったのかな?よく分かりません。で、ずっと最終巻が出ていなかったのですが、5年ぶりに最終巻が出て見事完結、というシリーズ。漫画版を読んでいたので、興味はあったのですが、完結を機に全巻購入。そして、未だ1巻しか読んでない、という感じですw
1巻しか読んでないので恐縮ですが、やはり人気が出そうだなぁ、と思いました。主人公二人の関係がすばらしいですね。この二人がいかに関係を築いていくのか、これが作品の見所でしょうか。(とか言いつつ、電撃文庫MAGAZINEでその後の展開を読んだので、大隊の展開は知っているのですがw)
安心して読めるシリーズではないでしょうか。無事、完結もしましたし。ただ、グロ表現も見られるので、それが苦手な人は避けた方が無難かと思います。
評価:☆☆☆
31 狼と香辛料(3)/支倉凍砂
アニメ化もされて、電撃の人気シリーズとなっている本作。第12回電撃小説大賞銀賞受賞作です。
この作品の特徴の一つでもあるのですが、ライトノベルという分野において、経済を取り入れたのが面白いなぁ、と感じました。新人さんのあとがきとか読んでいると、小説が大好き、という人は多いのですが、それ故に独自のアイディアを入れるのが難しかったりするもの。この、オリジナリティに多くの作者が悩むと思うのですが、そこに経済を持ってきたのはよかったですね。1巻はかなり新鮮な気持ちで読むことができました。
ただ、それは特徴の一つでしかなく、売れた一番の要因は、ホロの可愛らしさかな、と思います。独特の台詞回しが印象的でした。
ただ、それ故に、だんだん経済的要素が薄くなってきて、ホロとロレンスの掛け合いがメインとなってくるのは残念かな、という気がします。あ、これは噂ですが。がんがん続いていますが、適当なところで、ホロの故郷に行って終わらせた方がよかったんじゃないかな、という気がします。
4巻以降手をつけていないのですが、大きな原因は劣化が酷い、といわれていることなんですよね。事実、このライトノベルがすごいでは、2009で5位だったのが、2010では19位と大幅にランクダウンしています。同様に10位から姿を消した作品もあるのですが、それが
『とある飛空士への追憶』→元々1巻もの
『フルメタル・パニック!』→2009年出版されずに対象外
ですからね。正直、風呂敷の畳み時ではないかと思います。
ああ、あと面白くなってくるのが結構後半から、というのも辛いですね。ホロとの掛け合いが楽しめればよいのかもしれませんが。もっと早くから面白くなれば読むスピードも速くなるんですけどね。
評価:☆☆☆
32 新フォーチュン・クエスト(10)/深沢美潮
私がライトノベルを読み始めるきっかけとなったシリーズ。とにかく、好き・・・・・・だったですね。
読まなくなった原因としては、やはり内容の変化でしょうか。なんか、パステルがやたらうじうじし出したり、トラップが鬱陶しくなったり。素直にひっついとけばよかったのに、なんか関係性が気持ち悪くなってきたというか。
展開的には、旧シリーズ1巻で放置されていたクエストを解決して、最後の目的らしきものが見つかって、という感じで決して悪くない気がするんですけどね。その謎の商人が謎の城にも関わっていた、となればもう俄然目が離せなくなるのですが。パステルの視点から書かれている文章なのに、そのパステルがうじうじしていたら全然駄目ですよね。
確かに、途中までは面白かったんですけどね。今ではもう惰性で続いているとしか思えません。一応、全巻購入はしていますし、このシリーズと15年のつきあいになるので、完結は見届けたいと思っていますが。最後は面白くなって欲しいな、と願ってやみません。
評価:☆☆
新装版フォーチュン・クエスト〈1〉世にも幸せな冒険者たち (電撃文庫)
- 作者: 深沢 美潮
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2002/05
- メディア: 文庫
新フォーチュン・クエスト (1) (電撃文庫 (0039))
- 作者: 深沢 美潮
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 1998/07
- メディア: 文庫
無印シリーズは間違いなく名作だと思いますし、新も、5巻くらいまでは面白かったんですけどねorz
33 俺の妹がこんなに可愛いわけがない/伏見つかさ
ネットでの評判を見て手を出してみた本シリーズですが、その評判に違うことなく、かなり面白かったです。
兄弟仲がよくない主人公ですが、ある日妹の秘密の趣味を知ってしまったことから人生相談を持ちかけられるようになって、というお話。
キャラが良いなぁ、と思う本シリーズ。個人的にお気に入りは、毎回感想で書いていますが、沙織・バジーナと幼なじみwこの二人を堪能するために私はこのシリーズを読んでいる、といっても過言ではないですね。また、黒猫も最初はどうかなぁ、という気がしていましたが、だんだん可愛く思えてくるようになり、最新4巻では魅力大爆発、という感じですし。桐乃は、終始主人公である兄に冷たい態度ですが、最後に見せるちょっとしたデレ、というべき部分が良いなぁ、なんて思っています。
桐乃の内心を想像すると、なんだかもうにやにやするやら切なくなるやら。一体、彼女の秘めた思いが打ち明けられるのはいつになることか、という感じです。
5巻は少し間が空く、ということでしたが、今月10日に発売が迫っています。桐乃はアメリカに旅立ち、黒猫は主人公と同じ高校に入学して。どのような展開を見せるか、目が離せません。
評価:☆☆☆☆
34 静野さんとこの蒼緋/水鏡希人
第14回電撃大賞金賞受賞作『君のための物語』の作者による、受賞後第1作。電撃文庫は金賞が本命、といわれることがあるように、『君のための物語』がかなり面白かったので、期待していたのですが見事肩すかしを食らってしまいました。
失敗の原因は、作者がライトノベルらしさ、というものを追ってしまったからかなぁ、なんて思いました。『君のための物語』では良い意味でライトノベルっぽさがなく、でもライトノベルのエッセンスが入っていて、非常に面白い作品に仕上がっていたと思います。ただ、ファンレターに「ライトノベルっぽくない」とか言う意見があったのかな?で、作者がそれを気にしてしまったのかな、と思います。
編集者と話し合って、ライトノベルっぽさを考えて、という下りがあとがきにありましたし、確かに前作よりライトノベルっぽい作品になっておりました。しかし、そのことによって作者の良さがなくなってしまっては意味がないなぁ、と。結果、平凡な作品ができあがってしまいました。
展開もよくなかったですね。主人公は魔法使いの家系で、という話何ですが、それが分かるのが中盤すぎ。後半に入る頃だったと思います。結果、前半はこんなにいらなかったんじゃ?という感じになってしまいました。
『君のための物語』を読む限り、ライトノベルっぽい作品を書こうとすると、作者の良さはでないような気がしました。2巻の予定が今年3月になってもない、というのが作者の苦悩なのかな、という気がします。個人的には、続きも読んでみたい気がします。でも、ベストの選択肢は、このシリーズを捨てて、「メディアワークス文庫」から新シリーズを出す、ということだと思います。
この作品はお薦めしませんが、作者の次回作は楽しみにしています。何年かけても良いので、がんばって貰いたいです。
評価:☆
35 空ろの箱と零のマリア/御影瑛路
これは、はっきり言って2009年度ベストシリーズと言っても過言ではないと思っています(『とある飛空士への恋歌』が3巻に来て一気に迫ってきたのですが)。すべてにおいて文句の付け所がない作品。元々、今までの作品に定評があった作者が久しぶりに刊行したシリーズで、作者曰くエンターテイメント性を考えた、とのこと。
ライトノベルらしさを保ちながら、内容としてはほかのライトノベル作品より頭一つ飛び出ている印象です。とにかく面白い。ぐんぐん引き込まれて、一気に読んでしまう、という感じでしょうか。
でも、このライトノベルがすごい2010だと、48位なんですよね。私としては、「それはあり得ないから」という感じです。確かに、キャラ萌えもないですし、コメディでもないですし、終始シリアスで重い作品ですので人気が出にくい作品なのかな、という気がします。でも、この作品、もっと評価されてしかるべきなんですけどね。
下手に私が書くよりも、読んでみた方が良い作品だと思います。絶対に後悔はしないとおもいます。気になる引きとなって終わった2巻を受けた3巻もいよいよ今月10日発売。楽しみで仕方ありません。
評価・:☆☆☆☆☆
36 アスラクライン/三雲岳斗
アニメが残念でしたね。で、原作ですが、私はすごく好きです。ただ、万人に勧められるか、というと難しい気がします。
作者曰く、コミカルで、残酷で悲しくて、少し救いのある作品(うろ覚え)ですが、ここら辺がですね。前半コミカル後半シリアス、というのを受け入れられるか、というところにかかっていると思います。あと、展開が少し遅いのも気になるところ。5巻なんて、実質20ページ程度しか重要部分がない気がしますし。
実際の物理学の理論を物語に取り入れているため、内容が若干難しいのも気になるところかもしれませんね。あと、謎がなかなか明かされないのも。
とはいえ、好きになったらすごくはまるシリーズだと思います。7巻「凍えて眠れ」のおもしろさは異常ですし、10巻「科學部カイメツ」から13巻「さくらさくら」の展開は神がかっていると思います。特に、智春と操緒の物語の完結にあたる13巻「さくらさくら」の熱さ、切なさは異常だと思います。確かに、物語の展開としては、急すぎるし、ラスボスがあっけなくやられるのに不満を感じる人も多いと思いますが、私はかなり楽しむことができました。
原作は、智春と操緒の話が完結し、物語が和葉にバトンタッチされました。そして、14巻「The Lost Files」がいよいよ2月に迫っています。果たして、智春と操緒はどうなったのか、期待しています。
確かに、既刊13巻と長いですが、読んでそんはない作品かな、と思います。
評価:☆☆☆☆
表紙は、新装版より前の方が好きでしたねw
37 C3-シーキューブ-(2)/水瀬葉月
これまたはいてないで有名な作品ですねw一体はいてない作品いくつあるんだ、という感じがしますねw
呪われた道具たちと呪いを受けない少年の物語。作者は、登場人物をやたら殺すことで一部有名のようですが、この作品ではそうでもないですね。やたらグロいですけどもwそれは、ヒロインのフィアがアイアンメイデンが人間化した存在なので仕方ないですね。読んでいると、拷問道具に詳しくなれますよw
とはいえ、作者も気にしているようで、エロと微グロを心がけているようです。1巻の展開は微グロではなかった気がしますが。グロはそこそこ好きなので(あまりにグロいと駄目)、大丈夫でしたが。後は、狂った敵とか大好物なので、1巻はすごく好きでした。
登場人物も可愛いですし、グロい作品が駄目、という人でないなら、買って読んでも大丈夫だと思います。興味があるのでしたら、是非、という感じです。ただ、作者が作者なだけに後半の展開が心配です。
評価:☆☆☆
「狼と香辛料」,興味を持ちつつも読んだことがありません。今回レビューを読ませて頂き,とりあえず1巻は近々読んでみようかな,という気持ちになりました。
「空ろの箱と零のマリア」,これは私も大好きなシリーズです。にもかかわらず,じきに第3巻が出るのを知りませんでした…。情報ありがとうございます!
by 凪 (2010-01-03 06:34)
電撃文庫は毎年のように話題作を出していますよね。
僕もそれにつられて買ってしまうのですが…
by アニキング (2010-01-03 11:23)
>新フォーチュン・クエスト(10)
新って10巻も出ていたのか!
自分も途中から読まなくなったのですが、結構好きでしたよ。たしか漫画版も持っていたと思う。
自分の場合はつまらなくなったというわけではなく、新だの外伝だのでワケ分からなくなってどれを買ったらいいか混乱し、面倒になったからだと記憶しています。
漫画版も別レーベルから同じモノが出て、中身同じでサイズ違いを買わされたときに小説も含めて見限った感があるんですよね。あの当時は出版社も錯綜していたんじゃないかなと。
>空ろの箱と零のマリア
ラノベはあまり読まないのですが、takaoさんの感想を読んで気になったのはこれかな。家が近かったら借りに行くんだけどw
by カルディア (2010-01-03 14:39)
フォーチュン・クエストが未だに続いているというのが、
ホント凄いなぁと思いますね。
どんな話だったか、とんと忘れてしまいましたがw
by まこたま (2010-01-03 19:49)