「公務員だからって ″税金泥棒″と目の敵にされるのは納得いきません」国家公務員の怒りに共感の声
公務員がいなければ行政サービスは立ち行かないが、なぜか悪態をつかれて疲弊する人もいる。ガールズちゃんねるに1月下旬、「公務員の方、妬まれたことありますか?」というトピックを立てた女性もその一人だ。
国家公務員だというトピ主は、知人から「公務員はクビにならないしいいよな」「仕事楽でいいよね」と嫌味を言われたり、ボーナス時期には妬まれたりもするという。職場の外から「税金泥棒」と何度も叫び連呼する中年男性もいて、
「何故そんなに嫌われているのか分かりません。私の仕事はそんなに生ぬるいものではなく、激務です。しかも給料、ボーナスも大手企業と比べ物にならないくらい安いです」
と不満を綴る。皆が遊んでいる中必死に勉強して試験に合格したと語るトピ主は、「公務員だからって目の敵にされるのは納得がいきません」と主張した。(文:okei)
「ボーナスのニュースで嫌味を言われました。まるで罪人みたいでした」
トピック内のコメントは、同じような経験を持つ公務員からの共感や経験談が相次いだ。
「公務員に内定決まった後、バイト先ではめっちゃ妬まれました。残業やばいらしいね~とか言ってくるパートのおばさんとか」
「国立病院の国家公務員でした。患者さんや家族から『私たちの税金のおかげ』や、ボーナスのニュースで嫌味を言われました。感謝されず、まるで罪人みたいでした」
公務員との結婚が決まった人は、「私、公務員が税金で食ってるのが腹立つんだよねー」と言われ、教員で残業代がつかないという人は、友だちに「給料下がらなくていいね」と言われている。
「公務員だって、みんなと同じ税金払ってるんだよ!何が税金泥棒だくそー!!」
など怒りの雄叫びを上げたくなる気持ちも分かる。確かに公務員だから税金が免除されるわけではないし、ひと口に公務員といっても警察や消防など身体を張った仕事もある。昨年は特別定額支援金の手続きに自治体職員が忙殺されたことは記憶に新しい。誰かがやらなくてはならない公の仕事に「税金泥棒」とは、あまりに酷い言われようではないだろうか。
「少なくとも国家公務員は普通のメンタルではできません」
一方で、「税金で食べている」という事実自体が気に入らない人も一定数いるようだった。「給料は安定してるよね。一番左右されない。(中略)このコロナ禍でも災害あっても公務員は給料もボーナスもちゃんとあるもの」など、羨む声も入っている。確かにボーナスのニュースが流れる時期には、自分の薄給と比べて何か言いたくなる気持ちも分かる。
かといって、公務員がラクな仕事をしていると思うのは偏見だろう。コメントの中には、省庁に勤務していたことがあり、「国家公務員の激務は理解している」と書く人も。実際には休みはあって無いようなもので、「よほど精神力がなければ続けられない仕事です」として、
「公務員は誰でもできる仕事と言われることもありますけど、少なくとも国家公務員は普通のメンタルではできません」
と力説していた。
霞が関のブラックな労働環境はかねてより問題となっており、河野太郎国家公務員制度担当相は昨年11月、20代で離職するキャリア官僚が多いことに危機感を表明し、霞が関のホワイト化を図ると表明。同年12月2日には働き方改革を求める2万6953筆の署名が河野大臣に渡された。
官僚に限らず、身の回りを冷静に見渡せば、公務員がいないと困ることは少なくない。行政サービスが手薄な自治体は人が集まらず、結果的に税収も少なくなり衰退していく。国全体にも同じことが言えるだろう。「税金泥棒」などと言われのない批判をして公務員の皆さんのメンタルを削るのは、自分にとっても不利益になることは覚えておきたい。