神奈川県内の新型コロナウイルス感染者が累計3万人を超えた。感染者の急増に伴い医療現場の逼迫(ひっぱく)具合は深刻さを増す一方だ。現状分析や喫緊の課題について、県医療危機対策統括官(藤沢市民病院副院長)の阿南英明(あなん・ひであき)氏に聞いた。
─県内の累計感染者数が3万人に達した。現状をどのように捉えているか。
「ものすごく苦しい。今まで体制を構築して入院、療養と、何とか収めてきたが、やはり待ち患者さんが発生してきて相当に厳しい。われわれが一番心配するのは急病、急変する方。療養中に悪化する方。こういった人たちに十分な対応ができるのか。少なくともこれまではぎりぎりでやってきたが、これからはそういう急に悪化する人の受け皿としての医療機関がなくなってしまうということが起き得る。これが現実のものとなってくる。そういうレベルだろうと思っている。非常に危機感を覚えている」
─感染者の増加傾向に歯止めが掛からない。なぜか。