ショートとは
ショートすると危険だといわれます。。
一般に配線が接触して、”バチィッ” と火花が飛ぶのを思い浮かべますが、本来、回路ではショート(短結)させる とは 抵抗なしにそのままつなぐことをいいます。
ショートとは回路では、単に配線でつなぐことですが、普通に配線するのでなく、本来とは違う経路を意図して配線でつなぐようなときに、「こことこの部分をショートしてみて・・」というように使われるようです。
それとは別に、一般には火花が飛ぶようなショートは、電源をショートさせることを指しています。 ここでは、そのショートの話
電源のショート
電源の+ -部の配線を 抵抗なしにそのままつなぐことを普通に、
”ショートさせる” といいます。
そしたらなぜ危険なのでしょうか?
その説明はオームの法則に頼ることになります。
抵抗なしにショートさせると 電源の電圧が何ボルトであっても
オームの法則 から
I |
= |
V
R |
で 分母 R がゼロ となり 無限大の電流が流れることになります。
実際は抵抗が0ということはないので、、極小の抵抗、0.01Ω で割ってもかなりの電流になり、オームの法則の式から電圧が高いほど、多量の電流が流れることになります。
1.5V乾電池をショートさせたとすると、仮に配線の抵抗が 0.01Ω としても
I= 1.5[V] ÷ 0.01[Ω]
= 150[A]
となります。
こんな巨大な電流が流れるときは接続したとき、大きく火花が飛ぶはずですが、実際にはこんな電流は流れません。なぜなら、流せといわれても、乾電池にはそんな電流を流すだけの力がもともと無いからです。
しかし、高電流を流すことの出来る電源をショートさせると大変です。
水の流れにたとえると
電源(水源)が持つ圧力(エネルギー)が解き放たれ、それがセキを切った電流の鉄砲水のようになるイメージでしょう。
その危険度は、電源(水源)もつ力次第です。
すごい電流を流せる高圧電源をショートさせると、ダムが決壊したようになります。高電圧で、多量の電流を流せる電源をショートさせるほど、高電流が流れ危険になる。
高電圧をショートさせると、ダムが決壊したようになり、鉄砲水が押し寄せます。
(乾電池程度の電源はショートさせても、もともとたいした電源でないので金魚蜂に穴が開いた程度で鉄砲水にはなりません。。。。)
その安全策ために、危険のある電圧を使用する回路にヒューズやブレーカーなどをつけます
ヒューズ
ヒューズは規定以上の電流がヒューズに流れると、溶解して接続が切れます。
ブレーカー(漏電遮断機)
家の電気設備についているブレーカー、漏電遮断機も規定以上の電流が流れたときに自動的に電源の供給を遮断する安全、保護装置です。
これら、意図しない漏れ電流を防ぐのにも使われ、ブレーカー以下につながる、配線、装置に大きく流れた、配線ショートなどで漏れた場合に(漏電)も、電流を流しっぱなしにせずに、電源を切るという安全保護の役割もあります。
ヒューズやブレーカーをつけているからといって安心はできません。
中途半端な過剰電流の場合
ヒューズ、ブレーカーの範囲内だと 遮断されるまでには至らない。
押し寄せる大きな電流で部品がなぎ倒されて壊れることで流れを関止めてくれるとい いのですが、そのまま流れ続けたままだと、だんだん熱くなり、しまいに発火することがあります。
また、配線も許容電流があるので、それ以上をずっと流し続 けていると発熱していきます
ショートの危険度は流れる電流の大きさにあります。接続がつながっていないならいいのですが、 電圧が高いところが微小につながっていたりすると、そのつながりが小さな接続になります。
そこに大きな電流が流れるので、それが熱に・・・通電したままだとなりどんどん熱くなります。
即座に危険はなくても、徐々に電子部品や配線が熱くなり、数時間~数日後に発火して火事になることがあります。
だから、低い電源のショートだからとあなどれません。
家庭用100V電源をそのまま使う自作回路は、感電と火事の危険があるので最初はやめておきましょう。特にずっと通電したままおいておくようなものは火事の危険があります。