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日本語が話せないロシア人美少女転入生が頼れるのは、多言語マスターの俺1人 作者:アサヒ

第四章

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63話: 超番外編! 妹とのチキチキ告白練習

もともと予定無かったんですけど、要望が多かったので急遽リリーとの告白練習回を書いてみました笑

なのでかなりおふざけ回となってます。

生暖かい目で見てください

 時は戻って数日前。

 現在俺の部屋にいるのは、俺、リリー、エマの3人。

 チーナとのデートに向けた作戦会議はその形をかえ、まさかの告白練習が始まろうとしていた。


「さあ兄さん!私をチーナ先輩と思って告白してみて!」

「く……」


 嫌だ。嫌に決まっている。


 当然だろう?義理とは言え妹や姉の前で告白の練習なんて……。


 しかも妙にリリーがニヤついてるし。

 面白がってるのか、何か期待してるのか分からんが、やめて欲しい。


 だがリリーの言う通りぶっつけで本番に臨んだところで、失敗するのは過去の事例からも有り得る話。

 どうするか……。


 究極のジレンマに頭がショートしそうになっていたその時、ピコーんと妙案が閃いた。


 なるほど、この手があったか!ジレンマ敗れたり!


「分かった。いくぞ……」


 そして俺は一呼吸置いてから、チーナへの告白の言葉を紡いだ。


『好きだチーナ。俺と付き合ってくれ』




 ロシア語で。




 はっはー!どうだリリー理解できまい!

 チーナに告白する練習なのだから、当然本番に則したロシア語がベスト!文句は言わせん!

 勝ったな!


『私も、ヨリーの事が大好きです』


 だがそのリリーは、ニヤニヤ顔で言葉を返してきた。



 ロシア語で。



「え……あれ?リリーってロシア語話せる……のか?」

「ふっふっふ。マルチリンガルが兄さんだけだと思ったら大間違いだよ。小さい頃から兄さんの真似して語学の勉強してたからね」


 なるほどつまり、リリーはバッチリ俺の告白文句を理解していたと。


 …………………かあぁ。


「うそだろ!まじか!俺のアイデンティティ無くなるじゃん!多言語マスター俺1人じゃないじゃんてか恥ずか死ぬうううああぁ!」

「まあまあ兄さん。どうせこの話のタイトルなんて1章の時点で味無くなってるガムみたいなもんなんだし、気にしなくていいんじゃない?」

「やめろ!薄々気付いてた事を言語化するな!」

「ということで次回からは"日本語が話せるようになったロシア出身アメリカ人美少女は、沢山の多言語マスターに頼る必要は無い"始まるよ!」


【重大告知】タイトル変更のお知らせ


 ついでに主人公はチーナに替わります。さいなら……。


「まあまあ伊織。タイトルが序盤しか活きてない話なんていくらでもあるんだし、降板しなくったって大丈夫よ。掴みさえ良ければ誰も気にしないって」

「エマさん。さすがにメタいんでやめてください」

「ごめんね兄さん。主人公辞めないで」


【報告】主人公続行してみた


 はあ、こいつら俺で遊び過ぎだろう。

 漢の純情なんだと思ってやがんだ。


「てか、告白練習するつもりが変な方向に発展しすぎだろ。話を戻すぞ」

「あれあれ、兄さんそんなに告白練習したかったんだ。しょうがないなー」

「…………」


 最近のJCこえぇ。


「だあぁもうこうなったらやけだ! やってやるよお!」

「その意気だよ兄さん! じゃあ次はチーナの部分をリリーに変えてやってみようか!」

「リリー、さり気なく自分の欲望満たそうとするのやめなさい」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



 そして迎えたクリスマスイブの夜。いわゆる聖夜。

 夜景に煌めくもみの木のイルミネーションの前。

 そんな幻想的な景色の中で、俺とチーナは並んで立っていた。

 緊張した様子で、そしてどこか期待した様子でチーナが口を開く。


『綺麗だね、ヨリ』

『ああ、えっと。チーナの……ほうが……きれいだよ』

『…………あ、うん』


 会話がぎこちないのは、これからの展開をお互い薄々気づいているからか、それとも……。

 とにかく俺は、勇気を振り絞って目の前の少女の名前を呼ぶ。


『えっと、チーナ』

『……なに?』


 伝えるんだ、俺の気持ちを。

 今までのなあなあな関係をぶち壊し、正式に恋人となるために。


『えっとチーナ、その……聞いてください、告白』

『歌うの? ファ〇モンなの?』

『君に〜つた〜えたい……違くて!』


 俺が必死に言葉を紡いでいると言うのに、彼女は面白そうに茶化してくる。

 そのせいで1番大事な事を伝えられない。


 いや、流されてる俺が悪い!

 ここは漢として、ガツンと行くんだ!


 俺は彼女の肩に両手を置き、目と目を合わせて一息に、思いの丈を叫んだ。


『聞いてくれ! ずっと、ずっと好きだったんだリリー! ……間違えたチーナああぁ!』

「リリーへの告白頂きましたぁ⤴︎ 」

「伊織……本番は間違えちゃダメよ?」


 ちなみに今のは練習である。迫真過ぎて気付かなかったかもしれないが、練習である。

 もみの木?そんなんねぇよ。目の前にはリリーが持ってきた巨大クマさんしかねえよ。


 心なしかクマさんからも痛い視線を向けられている気がする。


「いやー楽しいね兄さん。もう1回やる?」

「やればやるほど本番が不安になってくるんだが……てかアドバイスとかねえのかよ」

「ロシア女子のときめく言葉とか知らないけど?」

「解散!」





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最近忙しくなっており更新頻度悪くなってます。

申し訳ございません!

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