地域医療が危機に直面しています。長野県は14日、県全域に「医療非常事態宣言」を出しました。また、2人が死亡、51人の新規感染者が発表されました。

新たに感染がわかったのは、10歳未満の未就学児から90歳以上の男女51人です。

20の市町村で確認され、最も多いのが松本市の7人、続いて長野市6人、上田市と白馬村で5人などとなっています。

県内の感染者の累計は1819人になりました。医療機関などで療養中は、499人でこのうち7人が重症です。

また、新型コロナに感染し入院していた2人の死亡が発表されました。

県内の感染者の死者は、21人になりました。

一方、医療提供体制の「ひっ迫」を受け知事は…。

長野県・阿部守一知事:

「地域医療の機能が平常時に比べて弱くなっている。そういうことを踏まえて、医療非常事態宣言を発出」

14日、県医師会とともに会見を開き「医療非常事態宣言」を出しました。

感染者の急増で病床使用率は、13日時点で53.1パーセント。県の医療アラートでは、非常事態宣言の目安となる50パーセントを4日連続で超えていました。

特に感染者の多い松本・佐久圏域では、すでに入院の調整が困難となっています。リモートで同席した松本市立病院の院長も厳しい現状を訴えました。

松本市立病院・中村雅彦院長:

「ベッドが本当に足りない。“ファイナルステージ”という形で、なんとかここでとどめなければいけない」

宣言に伴う県民への呼びかけは主に3点です。

「人との接触機会を極力減らす。特に高齢者、基礎疾患のある人は不要不急の外出を控える」「感染拡大地域への訪問を極力避ける」「大人数・長時間の会食は自宅や職場も含め控える」の3つ。

飲食店への時短や休業の要請は行いません。

また、医療機関に協力を求め受け入れ病床を、現在の350床から400床に臨時的に増やす方針です。

宿泊療養施設は北信、東信、中信で275人分。南信での開設を急ぎます。

長野県・阿部守一知事:

「長野県の医療、本当に危機に直面している。これ以上、医療の負荷が増え、さらに陽性者が増えると、非常に深刻な事態になってしまう。何とか早期に新規陽性者を減少に転じさせたい」

松本市立病院・中村雅彦院長:

「何ができるのかを考えて、それを行動変容につなげてほしい」