家計は、入ってくるお金(収入)と出ていくお金(支出)から成り立っている。収入には、イメージしやすい給与やアルバイト代のほかに、投資の利益や副業収入といったものも含まれる。一方支出は、住居費や食費、光熱費など生活に欠かせないお金のほか、趣味や交際費のように自分のために使うお金と、税金や社会保険料などのお金も含まれるんだ。生活を維持していくためには、収入と支出のバランスを考えて管理していくこと、すなわち家計管理がとても大切だ。
家計管理の第一歩は、毎月の収入と支出を把握すること。収支のバランスがわかれば、ムダづかいを減らせて、お金の使い方を見直すことができるのだ。そこで君たちに始めてもらいたいのが「家計簿」だ。まずは1か月分の使ったお金を、専用のノートや家計簿アプリを使って記録してみよう。
「家計簿」によって1か月のお金の使い方がわかったら、次は家計を改善することを考えてみないか?新型コロナウイルスによって生活スタイルが変わり、支出の構成も変化していることだろう。この機会に家計支出をチェックして、ムダな支出がなかったか、自分の生活で「必要なもの」と「欲しいもの」を仕わけしておくといい。生活で必要なものが把握できていれば、突然収入が減った場合にも、あわてずに立て直すことができるはずだ。
家計を改善するには、一度の見直しで長期的な削減効果が見込める固定費から手をつけるのが効果的だ。通信費(スマホ料金など)、住居費(家賃)、自動車関係費(駐車場代、自動車税、ガソリン代等)、保険料など、それぞれの見直し額はわずかでも、積み上げればかなりの効果になるはず。支出を見直して家計に余裕が生まれれば、貯蓄や投資など将来に向けた資金計画も立てやすくなる。万一の備えとして、まずは生活費の3か月程度の貯蓄はほしいところだ。
クレジットカードは、商品を買ったり、サービスを受けたりした代金を後から支払うことができるもの。新型コロナウイルスの影響で、オンラインショッピングなどで利用する機会が増えていることだろう。カード利用代金の支払い方法は、一括払いや分割払い、リボルビング払いなど、自分に合った返済方法を選択できるのも特徴だ。だが、クレジットカードはお金が手元になくても手軽に利用できるだけに、ついつい使いすぎてしまうこともある。将来の収入で確実に返済できるかを確認して、計画的に利用するようにしてほしい。
お金の使い方を見直して、少し余裕ができたなら、貯まったお金を運用して資産をつくること(資産形成)を考えてみてはどうだろう。資産を増やすには資産運用という方法があるが、まずは使う目的や時期に応じて、自分のお金を色分けしてみよう。日常生活に必要なお金、いざというときに使うお金、近い将来に使う予定があるお金、当面使う予定がないお金の4つだ。一般的には、当面使う予定がないお金が資産運用に向いているんだ。
誰でも損をするのは嫌で、お金が増えるのは大歓迎だろう。資産運用の難しさは、その両面を持ち合わせているところにあるのだ。一般的に、大きいリターン(利益や損失)が望めるものほど、リスク(リターンの振れ幅)も大きいことを覚えておこう。資産運用を始めるにあたって、自分がどの程度のリスクなら受け容れられるのかをよく考えておくことが大事だ。