灘中生、脱税写真に見入る 大阪国税局が講義
大阪国税局は9日、神戸市の私立灘中で、税金が社会で果たす役割や脱税の調査をテーマにした講義を開き、3年生約180人がなじみの少ない世界の話に聞き入った。
猪野茂総務部長が、市民が税金を納めることで警察やごみ収集といった公共サービスが維持できると解説。数億円分の札束と金地金を金庫や土の中に隠した脱税現場の生々しい写真を紹介すると、生徒は食い入るように見つめていた。
理系研究者を目指しているという稲井雅之さん(14)は「巧妙な脱税の手口に驚いた」と感想を話す一方、「日本の社会は貧しい人へのケアが行き届いていないと思う。国は国民に説明しながら、万人を助ける体制をつくってほしい」と税金の使い道に注文を忘れなかった。〔共同〕