アマゾンの生態系を脅かす「道」をAIが発見

参考文献: insidescience
ブラジルを拠点とする環境非営利団体「イマゾン」の地理学者カルロス・ソウザ氏ら研究チームによると、現在アマゾンには生態系を脅かす非公式の道路が数多く存在するとのこと。
こうした事態に対処するために、彼らはアマゾン内の不正な道路を自動で発見するAIを開発し、2020年12月15日の米国地球物理学連合(AGU)の国際会議にて発表しました。
今後、AIが90%の精度でアマゾンの隠された道路を見つけ出すかもしれません。
目次
アマゾンの生態系を脅かす非公式な道

ブラジルにはアマゾン熱帯雨林の約60%(420平方キロメートル)が含まれており、その中には、連邦政府と地方政府が建設した「公式道路」と、それ以外の団体が建設した「非公式の道路」が存在します。
しかし非公式道路は地図に記載されておらず、2016年の時点で、すべての非公式道路の長さは、公式道路の約13倍にものぼると言われています。
非公式道路はさまざまな目的で作られます。木材入手、鉱山へのアクセス、農業、土地投機などのために曲がりくねった道や真っすぐな道が作られるのです。
多くの場合、それら非公式道路は自分勝手に建設されたものであり、当然違法です。
そして特に問題となっているのが、道路建設による生態系の破壊です。
ソウザ氏によると、ブラジル・アマゾンの森林破壊の95%近くが道路から5.5km以内、また川の1km以内で発生しているとのこと。
さらに火災の約95%が道路や川から10km以内で発生しています。
つまり、道路のない広大な地域こそがアマゾンの生物多様性と先住民たちの保護に役立つのです。
こうした状況に対処するために、ソウザ氏らは「非公式道路発見AI」を開発することにしました。
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