菅首相は、総務相時代に自らの意に沿わないNHKの担当課長を更迭したことを自著に記している。ある元総務官僚は、更迭直後の菅氏の興奮を隠せない様子を鮮明に覚えているという。
「OBが人事を決めている省もある。総務省の人事はどういうふうに決まるんだ? OBはどのぐらい力があるんだ?」
第2次安倍政権で官房長官を務めた菅義偉は2006年9月、第1次政権で総務相に就いた。着任早々、総務省幹部にこう尋ねたという。
幹部が「うちはOBは決めていません」と答えると、菅は即座に続けた。「人事権を持っているのは誰だ?」。幹部が「大臣です」と答えると菅は「そうだよな、権限は使わないと意味がない」。省庁の人事権は閣僚が持つと法的に定められているのに、事実上は、各省の現職官僚、そしてOBが決める霞が関の体質を菅は嫌っていた。
同省OBの一人は「法的な人事権を持つのに、官僚が決めることを菅さんは『政治家を馬鹿にしている』と感じていたのだろう。菅さんは自分を軽視する官僚は徹底的に許さなかった」と明かす。
菅は2012年3月に出版した自著「政治家の覚悟 官僚を動かせ」で、「『伝家の宝刀』人事権」という項目を設け、その冒頭の見出しを「NHK担当課長を更迭」とした。
総務相として取り組んだNHK…
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