米ファイザーのワクチン、変異種にも効果 米大と共同研究
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【ニューヨーク=野村優子】米製薬大手ファイザーと独ビオンテックは8日、共同開発する新型コロナウイルスのワクチンについて、英国と南アフリカで確認された変異種にも効果があることを示す研究結果がでたと発表した。感染力が強いとされる変異種は世界で相次ぎ確認されており、急速な感染拡大に対する警戒感が強まっている。
米テキサス大学とファイザーが共同で研究を行った。ファイザーとビオンテックのワクチンを接種した20人の血液中の抗体を調べたところ、変異種を中和する効果がみられたという。
英国と南アフリカで確認された変異種は、ウイルスの表面にあるスパイクと呼ぶ突起が複数箇所変化している。研究ではスパイクを人為的に変化させたウイルスを生成しており、実際に確認された変異種のものと完全に一致するものではないとしている。また、これは初期段階の研究結果であり、引き続きデータの収集を進める必要があるという。
ファイザーとビオンテックのワクチンは、米国や英国、カナダなど世界45カ国以上で緊急使用の許可がおり、接種が進められている。変異種は英国で確認されてから世界20カ国以上に広がっており、米国でも少なくとも8州で確認されている。