いよいよ今週末は大学入試の「共通テスト」です。これを皮切りに本格的な受験シーズンがスタートしますが新型コロナの感染拡大で迎える今年は、勉強以外にも取り組まなければいけないことが多い受験となりそうです。

広島市内の進学塾。大学入試直前、受験生は最後の追い込みに入っています。講師はマスクをして講義をするため、マイクを付けるなどコロナで塾も様変わりしました。

【長井ゼミ高校部本校・丸井湧作副校舎長】

「そもそものセンター試験が変わる年。共通テストに変わる年、大きな節目の年。その上でコロナ対策もしないといけない二重苦ですよね。そこがやっぱり生徒からすると苦しい年」

すべての教室に消毒液。換気で、窓を頻繁に開けるためコロナと風邪、両方に気を使います。家でも講義を受けられるようすべての授業を録画し配信も始めました。

【長井ゼミ高校部本校・丸井湧作副校舎長】

「自分たちがコロナになったら受験できないという不安、かかってしまったらもう道が絶たれるのではないかそういう声を聞いたりして、1人1人の不安を聞くことがこの夏以降は結構大変だった」

大学入試センターでは、今週末の試験の際に、コロナに感染したり濃厚接触者として受験ができなかった場合、インフルエンザなどと同様今月30日、31日に追試験を実施するとしています。

一方、来月、高校入試を控えている広島県。来月3日の選抜1がコロナで受験できなかった場合、3月8日、9日に行われる選抜2の「一般入試」受験へ切り替え、更に選抜2を受験できなかった場合は、救済策として3月23日に作文や面接などの追検査を実施する予定です。

感染せずに本番を迎えたい受験生たち。こうした中、広島県の医師による組織「ひろしま感染症ネットワーク」はホームページで受験生のためにできる家庭での感染対策を紹介しています。

受験の2週間前から他の家族とは食事を一緒に食べない、洗面所やトイレのタオルは別々にする、歯を磨くときは1人になるなど気をつけることと共に食器洗いや、洗濯は一緒にして大丈夫といった過剰な心配に陥らないよう事例を紹介しています。

作成した広島大学病院の大毛教授は「家族の誰が感染していてもおかしくない中、家の中でマスクをはずす場面に注意をして頂きたい」と話しています。

コロナ禍で迎える受験シーズン。受験対策とコロナ対策に追われる受験生。まずは、無事に本番を迎えられるよう願うばかりです。

【スタジオ】

大毛教授は「窓を開放する試験会場が多いと予想する。防寒対策を十分に行い、手が冷えて文字が書きにくくなるのでカイロを持参するのが良いと思う」ともアドバイスしています。

今月8日に湯崎知事は会見で、県外受験の出願を控える動きについて、「人生に影響を与える大切なことなので、必要最小限の行程で躊躇なくチャレンジしてほしい」とも述べています。準備を万端にして日頃の努力の成果を、ぜひ発揮して欲しいですね。