年間1万4千台と国内トップクラスの救急車を受け入れる、湘南鎌倉総合病院(神奈川県鎌倉市)。新型コロナウイルス感染症の患者を多く受け入れながら「救急患者を断らない」をモットーに診療を続ける。しかし、新型コロナの「第3波」は拡大を続け、「個別の病院の努力だけでは限界が見えてくる」と山上浩・救命救急センター長(41)は語る。何が起きているのか。
拡大する自宅で具合が悪くなった新型コロナウイルス感染症の患者が救急車で運ばれ、仮設病棟に入った(画像の一部を加工しています)=神奈川県鎌倉市
「高齢者施設に入所する新型コロナ陽性の70代後半女性、呼吸不全」「自宅療養、陽性の60代後半男性で透析患者が発熱」
1月13日。ER(救急外来)の救急調整室では、電話対応に4人の救急救命士が追われていた。
拡大する「救急患者を診てほしい」といった電話を受ける救急調整室の救急救命士=神奈川県鎌倉市
病院近くには昨年5月、神奈川県が開設し、運営を委託された中等症の新型コロナ患者向けの臨時医療施設の仮設病棟がある。最大180人が入院でき、現在は90~95人が入る。病院の医師・看護師90人ほどが対応する。昨年以降、860人以上の入院を受けた。計算上はさらに90人の入院が可能だが、「高齢者や精神疾患のある患者が多く、医師や看護師を増やさないと、これ以上の対応は難しい」という。
昨年末から今年1月上旬までに、稼働する629床(ベッド)のうち41床を空け、その分の看護師らを新型コロナ患者向けの仮設病棟にあてている。ホームページなどでスタッフの募集も続けるが、それでも人材は足りないという。
県が昨年4月に導入した「神奈川モデル」は、酸素投与が必要な中等症の患者を受ける「重点医療機関」を指定し、患者を集約する。湘南鎌倉総合病院も重点医療機関の一つだ。重症化すれば重症者を診る高度医療機関に移す。患者受け入れや搬送の調整は、県の調整本部が担う。
だが県によると、今月10日ご…
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