- 伊藤篤史
- 福島県出身。学生時代に自転車でアメリカ大陸を横断。その日々が忘れられず、2011年6月より自転車世界一周に出発。世界の日常を自転車で巡りつつ、各所で自然とトレッキングを楽しむRide&Walkスタイルで旅行中(旅の詳細はa traveller's footprintにて。)海外の素敵なアウトドアアクティビティ情報をお届けします。
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高地を物語る濃厚な空の青さの下で入る露天風呂は最高の一言!
意外かもしれませんが実はペルーは隠れた温泉大国。アンデス山脈の山中にはインカの皇帝も足繁く通った温泉や長旅の疲れを癒やす温泉が点在しています。水着着用で湯音はぬるめという温泉が海外には多いですが、この国では湯音も高いものが多く、個室温泉もあって日本人好みの温泉が揃っています。今回はペルーの温泉の中でも秘湯中の秘湯4000mの高地にあるアグアスカリエンテス温泉をご紹介したいと思います。アグアスカリエンテスはスペイン語で“熱い水”の意味。直球勝負なネーミングに名前負けしない熱々の温泉をどうぞ!
利用者に西洋人はおろかツーリストは皆無。地元民のインディヘナと一緒に浸かる温泉はとっても不思議な感覚です。露天風呂は入場料に含まれますが、個室温泉とサウナは追加料金が必要です。
アグアスカリエンテスはマチュピチュの拠点クスコとチチカカ湖のあるプーノの二大観光地の中間地点にあり、そこは4335mのララヤ峠という県境になっています。この峠を10km程下った場所に温泉地の湯煙が見えてきます。入場料を払ってゲートをくぐると大小のプールが十湯程あり、深さや湯音が少しずつ異なるので好みの湯船を探してみましょう。この温泉はリウマチや筋肉痛に効能があるのだそう。肩までお湯に浸かった目の前にはアンデス山脈のパノラマが。こんなに開放感溢れる温泉は世界中を見渡してもここが一番です。
暮れゆく夕日と空に瞬き出す星を眺めながら、いつまでも入っていたい…と思うかもしれませんがここは4000mの高地ということもお忘れなく。のぼせないようにほどほどに。
この温泉には宿泊施設もあり、泊まることが出来ます。ベッドがあるだけの簡単な設備なので過度の期待は禁物ですが、食堂も併設されています。日中はインディヘナの地元民も立ち寄る温泉も皆が帰る夜は独り占めで堪能することが出来、水着も外して裸で入る湯船は極上の湯心地。闇に染まっていくアンデスのシルエットを眺めていると、いつの間には頭上には満点の星空が。高地の夜は冷え込みが厳しいですが、身も心もポカポカで眠ることが出来るでしょう。電気は最小限しか通っていないのでトイレのための懐中電灯は必須です。
あちこちで見かける源泉は51度の高温だそうなのでうっかり触らないようにしましょう。
アンデスの秘湯だけあって、この温泉へ直接向かう交通機関はありません。といってもアグアスカリエンテスはクスコとプーノを結ぶ国道3号線沿いにあるのでご心配なく。問題はバス停もない場所のため、バスやタクシーの運転手に場所を伝えなくて途中下車しなくてはいけない点です。最寄りの大きな街はクスコ県側に30kmのシクアニ。この街でプーノ方面に向かうミニバスかタクシーを捕まえてアグアスカリエンテスと伝えましょう。帰路は国道に出て、行き来するバスを拾って戻るようになります。
明け方は湯気が至るところから立ち上り、朝風呂もこれまたなかなか気持ちよいのです。
◆クスコ~プーノ運行バス会社(http://www.turismomer.com/)
国道沿いにありながら旅行者にとってアクセスが少し難しいアグアスカリエンテス。シクアニまでバスで行き、そこから乗り合いバスかタクシーで向かうのが一番効率が良いです。
◆施設の外のおみやげ屋ではお菓子や水などの食料品も売っていますが、夕方を過ぎると閉まってしまいます。園内の食堂も翌朝はやっていないので宿泊するならば街で軽食は準備しておきましょう。
※記事は掲載日時点での情報であり変更されている可能性もあります。ご了承下さい。(掲載日:2015/10/07)
※旅行前には必ず、外務省の海外安全ホームページで訪問地の安全情報についてご確認ください。
※この記事はガイドレポーターの取材によって提供された主観に基づくものであり、記事は取材時時点の情報です。
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