新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感が強まる中、マスクをめぐって、15日、ネット上である言葉が話題となった。
午前9時半のYahoo! リアルタイム検索では、「不織布マスク警察」が8位に入っていた。
SNSにも「#不織布マスク警察」というハッシュタグがつけられた投稿が相次いでいた。
SNSでは、「ついに職場にも『不織布マスク警察』が現れた」、「最近のマスク警察は『不織布』に変えろって言うらしい」などの投稿が見られた。
「マスク警察」という言葉は、前回の緊急事態宣言のあと、マスクを着けていない人が非難されたことなどをきっかけに生まれた。
今回は、不織布マスクではなく、布やポリエステル製のマスクを着けている人も、同じように非難されるケースが出てきているという。
実際に、街中にはどのくらいの人が不織布マスクを着けているのか?
10代「アルバイトしてるんですけど、その時は不織布マスクを使ってます。ガードがかたいので」
20代「薬局で買った(不織布)マスク。なくなったときのために布のマスクも持っている」
番組が街の人にアンケートしたところ、不織布マスクを着けている人は、半数近くとなった。
考えられる理由の1つが、2020年に発表されたスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーション。
不織布のマスクは、せきをしても、飛沫(ひまつ)がほとんど前に飛ばない。
これに対し、布やポリエステル製のマスクの場合、細かい飛沫が前方に多く飛んでいることがわかる。
不織布マスクは、吐き出した飛沫の80%カット、吸い込んだ飛沫の70%カット。
布やポリエステル製より、飛沫を抑えられるという結果になった。
この結果もあったからか、さまざまな施設で、不織布マスクの着用が呼びかけられている。
不織布マスクへの着け替えを利用客にお願いするのは、東京を中心に店舗を展開する美容室チェーン「ザザ」。
さらに、新宿にあるドレスのレンタルショップ「ブライダリウム ミュー」では、スタッフだけでなく、客にも不織布マスクの着用を求めているという。
ちなみに、花嫁用にシルクで作られたマスクの下にも、不織布を下に重ねる徹底ぶり。
専門家は、布やポリエステル製のマスクも、効果が大幅に低くなるわけではないと指摘する。
日本感染症学会専門医・寺嶋毅氏「飛沫を広げない効果は、不織布と布マスクはほぼ同等。若干ウレタン(ポリエステル)素材は劣るような印象。あまり会話がないといったような状況なのかということをみて、マスクの素材を選択することがあってもいいと思います」
多くの自治体で、不要不急の外出の自粛が呼びかけられている中、迎えるこの週末。
16日、全国的に一気に春の陽気となる。
東京では、最高気温は19度の予想で、4月中旬並の暖かさとなる見込み。
街では、「日なたぼっことかしたくなる。外に出たくなる」との声が聞かれた。
感染拡大防止のためにも、国や自治体の呼びかけへの協力が求められている。