「casual」と「casualty」について
「カジュアル(casual)」とは、「格式張らず、くつろいでいるさま」を意味し、特に気軽な服装をさして「カジュアルな装い」というような使われ方をする。外来語としてすっかり定着しており、これにピッタリと該当する日本語が即座に思いつかないほどである。
他方、「カジュアリティ(casualty)」とは、広義には「(事故・災害などの)死傷者、被害者、犠牲者又はその数」を、狭義には軍事における「死傷病兵、損耗人員」を意味する。
なぜ、「格式張らず、気軽」な「casual」に「-ty」がつくだけで「死傷者」になるのか。
よく似た単語なのに、ここまで意味が違うのはどうしてだろうか。
「カジュアル」でググればカラクリが分かるだろうと思ったけど、どこにもそれらしいものがない。。
語源、ルーツが同じなら、現代の我々に伝わる過程の何処かで変化したか、ある一部だけ伝わったということになる。極めて適当であるが、「casualty」については英語圏で普通に使われていることから、「カジュアル」の方を疑ってかかることにする。(一応の仮説)
1 「casual」
まず、「casual」について。
語源辞典によると、「casual (adj.): late 14c., "subject to or produced by chance," from Middle French casuel (15c.), from Late Latin casualis "by chance," from Latin casus "chance, occasion, opportunity; accident, event" (see case (n.1)). Of persons, in the sense of "not to be depended on, unmethodical," it is attested from 1883; meaning "showing lack of interest" is from 1916. Of clothes, "informal," from 1939. Related: Casually.」とある。
つまり、古期フランス語(800-1400年頃)の「casuel」、ラテン語の「casus」などに由来しており、「by chance(偶然)、行き当たりばったり」というのが原義で、「case」とも語源を同じくする。
参照せよ、とあるので「case」を見てみると、「case (n.1) : "state of affairs," from Old French cas "an event, happening, situation, quarrel, trial," from Latin casus "a chance, occasion, opportunity; accident, mishap," literally "a falling," from cas-, past participle stem of cadere "to fall, sink, settle down, decline, perish" (used widely: of the setting of heavenly bodies, the fall of Troy, suicides), from PIE root *kad- "to lay out, fall or make fall, yield, break up" (cf. Sanskrit sad- "to fall down," Armenian chacnum "to fall, become low," perhaps also Middle Irish casar "hail, lightning"). The notion being "that which falls" as "that which happens" (cf. befall). 」とある。
やはり、(たまたま、偶然起きた)「出来事」といったところか。
さらに、接頭辞の「cas-」は「落ちる」という意味のラテン語、「cadere」に由来している。
「落ちる」と「起きる」はイコールではないものの、ドイツ語の「Fall」にはズバリ「事件、出来事」という意味もあり、(予期しない、又は計画にないことが)(どこからか落ちてきたように偶然)起きた」みたいな成り立ちではないかと考えられる。
脱線になるが、「(小さな)滝」という意味の「cascade(cas-cade)」も、今ならなるほど、と理解できる。
2 「casualty」
次に、「casualty」について。
語源辞典によると、「casualty (n.) : early 15c., "chance, accident; incidental charge," from casual (adj.) on model of royalty, penalty, etc. Casuality had some currency 16c.-17c. but is now obsolete. Meaning "losses in numbers from a military or other troop" is from late 15c. Meaning "an individual killed, wounded, or lost in battle" is from 1844."とある。
やはり、「casual」と同じく、(老衰や病死などと違って)「たまたま、偶然、事故などに付随して発生したネガティブな結果としての」死傷者といったところか。
前述の(軍事における)「死傷病兵、損耗人員」という意味では15世紀後半から使われているようである。
3 (服装の)「casual」
ここまでのところ、最初の仮説は良い線を行っているように思える。
では、そもそもの原義としては「偶然」を意味する「casual」が、どのようにして「格式張らない気軽な」という意味を後年になって獲得したのだろうか。
多分、「あまり計画的でなく、深い考えもなく、さながら偶然のように選んだ」服装を指して「casual」と表現したのがそもそもではないだろうか。
適当に選んだので、(普通、結果として)「格式張らない気軽な」服装になったよ!ということになりはしないか。
改めて英英辞典を見ると、(なんのことはない)用例①の「relaxed and unconcerned」のあとに、②「not regular or permanent」、③「happening by chance」、④「without formality of style or manner」があった。
「casual」の語の原義と成り立ちからすれば、用例③は語源そのものであり、これから派生して②や④が、最後に(結果としてそうなりますよねといった感じで)①の「気取らない、無頓着な」という意味が派生したんだろうといったことが見て取れる。
4 結論
語源から紐解くと、「casual」に「気軽な」という意味は元々なかった。
ただ、例えば服装について言えば、「casual」に選んだら「気軽な」服装になってしまいました、ということが積み重なり、「casual」という語そのものに今や「気軽な」という意味がついてしまった、というのが実際のところのようである。
よって、「服装:カジュアル」というドレスコードを聞いて、「半袖は許されるか」、「襟はないとダメか」、「ネクタイは」、「ジャケットは」といろいろ検討するのは、ちっとも本来の「casual」ではない、ということになる。
他方、「カジュアリティ(casualty)」とは、広義には「(事故・災害などの)死傷者、被害者、犠牲者又はその数」を、狭義には軍事における「死傷病兵、損耗人員」を意味する。
なぜ、「格式張らず、気軽」な「casual」に「-ty」がつくだけで「死傷者」になるのか。
よく似た単語なのに、ここまで意味が違うのはどうしてだろうか。
「カジュアル」でググればカラクリが分かるだろうと思ったけど、どこにもそれらしいものがない。。
語源、ルーツが同じなら、現代の我々に伝わる過程の何処かで変化したか、ある一部だけ伝わったということになる。極めて適当であるが、「casualty」については英語圏で普通に使われていることから、「カジュアル」の方を疑ってかかることにする。(一応の仮説)
1 「casual」
まず、「casual」について。
語源辞典によると、「casual (adj.): late 14c., "subject to or produced by chance," from Middle French casuel (15c.), from Late Latin casualis "by chance," from Latin casus "chance, occasion, opportunity; accident, event" (see case (n.1)). Of persons, in the sense of "not to be depended on, unmethodical," it is attested from 1883; meaning "showing lack of interest" is from 1916. Of clothes, "informal," from 1939. Related: Casually.」とある。
つまり、古期フランス語(800-1400年頃)の「casuel」、ラテン語の「casus」などに由来しており、「by chance(偶然)、行き当たりばったり」というのが原義で、「case」とも語源を同じくする。
参照せよ、とあるので「case」を見てみると、「case (n.1) : "state of affairs," from Old French cas "an event, happening, situation, quarrel, trial," from Latin casus "a chance, occasion, opportunity; accident, mishap," literally "a falling," from cas-, past participle stem of cadere "to fall, sink, settle down, decline, perish" (used widely: of the setting of heavenly bodies, the fall of Troy, suicides), from PIE root *kad- "to lay out, fall or make fall, yield, break up" (cf. Sanskrit sad- "to fall down," Armenian chacnum "to fall, become low," perhaps also Middle Irish casar "hail, lightning"). The notion being "that which falls" as "that which happens" (cf. befall). 」とある。
やはり、(たまたま、偶然起きた)「出来事」といったところか。
さらに、接頭辞の「cas-」は「落ちる」という意味のラテン語、「cadere」に由来している。
「落ちる」と「起きる」はイコールではないものの、ドイツ語の「Fall」にはズバリ「事件、出来事」という意味もあり、(予期しない、又は計画にないことが)(どこからか落ちてきたように偶然)起きた」みたいな成り立ちではないかと考えられる。
脱線になるが、「(小さな)滝」という意味の「cascade(cas-cade)」も、今ならなるほど、と理解できる。
2 「casualty」
次に、「casualty」について。
語源辞典によると、「casualty (n.) : early 15c., "chance, accident; incidental charge," from casual (adj.) on model of royalty, penalty, etc. Casuality had some currency 16c.-17c. but is now obsolete. Meaning "losses in numbers from a military or other troop" is from late 15c. Meaning "an individual killed, wounded, or lost in battle" is from 1844."とある。
やはり、「casual」と同じく、(老衰や病死などと違って)「たまたま、偶然、事故などに付随して発生したネガティブな結果としての」死傷者といったところか。
前述の(軍事における)「死傷病兵、損耗人員」という意味では15世紀後半から使われているようである。
3 (服装の)「casual」
ここまでのところ、最初の仮説は良い線を行っているように思える。
では、そもそもの原義としては「偶然」を意味する「casual」が、どのようにして「格式張らない気軽な」という意味を後年になって獲得したのだろうか。
多分、「あまり計画的でなく、深い考えもなく、さながら偶然のように選んだ」服装を指して「casual」と表現したのがそもそもではないだろうか。
適当に選んだので、(普通、結果として)「格式張らない気軽な」服装になったよ!ということになりはしないか。
改めて英英辞典を見ると、(なんのことはない)用例①の「relaxed and unconcerned」のあとに、②「not regular or permanent」、③「happening by chance」、④「without formality of style or manner」があった。
「casual」の語の原義と成り立ちからすれば、用例③は語源そのものであり、これから派生して②や④が、最後に(結果としてそうなりますよねといった感じで)①の「気取らない、無頓着な」という意味が派生したんだろうといったことが見て取れる。
4 結論
語源から紐解くと、「casual」に「気軽な」という意味は元々なかった。
ただ、例えば服装について言えば、「casual」に選んだら「気軽な」服装になってしまいました、ということが積み重なり、「casual」という語そのものに今や「気軽な」という意味がついてしまった、というのが実際のところのようである。
よって、「服装:カジュアル」というドレスコードを聞いて、「半袖は許されるか」、「襟はないとダメか」、「ネクタイは」、「ジャケットは」といろいろ検討するのは、ちっとも本来の「casual」ではない、ということになる。
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この記事へのコメント
日本では昔、かすりは、普段着だったと言われてます。
Casual=普段着とも言えるので偶然にも似てないことはないですね。