スタジアムで玉入れ、アバターで文化祭 秋の学校行事
スタジアム貸し切りで体育祭

京都府亀岡市立東輝中学校は18日、同市内の「サンガスタジアム by KYOCERA」で体育祭と文化行事の一部を兼ねた学校行事「東輝祭」を行った。川口雅彦教頭によると、修学旅行や社会科見学、遠足など行事らしい行事は軒並み中止になったが、「密さえ避けられれば、東輝祭は出来るのではないか」とサンガスタジアムを貸し切って開催した。使用料は、府のスタジアム条例の施行規則に基づき半額の30万円。亀岡市のサポートで実現に至った。
スタジアムの収容人数は約2万人。全校生徒数約700名の同校にとっては、保護者らが出席しても十分な大きさだ。応援の間はマスクを着用し、座席も1席ずつ空けて着席する。大会などが中止され発表の場を失った吹奏楽部も間隔を空けて、広いスタジアムに音楽を響かせた。
3年の森下大毅さん(15)は「普段は入れないスタジアムで、全校生徒が集まって東輝祭を行えてよかった。今まで以上に一体感が生まれて、とてもいい思い出になった」と笑顔で話した。
オンラインで文化祭

「新しい文化祭の形を――」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、文化祭の通常開催を断念した筑波大付属高校(東京・文京)。しかし実行委員の生徒を中心に協議を重ね、10月18日にオンラインで開催されることになった。
準備期間は2カ月弱。4月からオンライン授業や分散登校をしていたため、全校生徒が学校に集まるようになった8月末から文化祭の準備は本格化した。感染拡大防止のため、準備時間も毎朝、授業が始まる前の1時間のみに限られる。
オンライン文化祭では、仮想現実(VR)空間に実際の校舎が再現される。自分の分身「アバター」を使って校内を回り、クイズ大会やライブなど各クラスの出し物に参加でき、リアルな文化祭に近い体験が可能になる予定だ。文化祭の実行委員長で3年の岩田楽さん(18)さんは「これまでの文化祭では校舎をどう使うかだった。今年は校舎をどう作るかという、ゼロベースでのスタート。難しくもあり、楽しいところ」と意気込みを話す。
テニスコートではダンス部が動画の撮影をしていた。オリジナルの衣装を身にまとい、元気に踊る。例年だと観客を入れてダンスを披露しているが、今年はウェブ上に動画を載せる形式に。副将の八木杏理さん(16)は「曲によってメークを変えたり、踊る場所を変えたりできる。新しい自分たちの表現を見てほしい」と話した。
(写真映像部 石井理恵、目良 友樹)