【SARS-CoV-2の空気を介した感染伝播についての神話の解体】(2021 1/12)
★ウイルスの空気媒介性感染伝播を支える科学について,いくつかの一般的な神話を明らかにし,払拭する
※神話mythsは,「誤解」と意訳します.
※以下それぞれの項目について個人的に大切と思ったところを要約しました
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スレッド
会話
返信先: さん
<Introduction>
●飛沫,飛沫核,エアロゾル,粒子の関連用語の定義・適用は大きな混乱がある(Table 1)
●SARS-CoV-2の特定の感染伝播経路の直接証拠は,あるとしてもほとんどない
●これは大きな飛沫や小さな空気媒介性粒子(airborne particles)と同様にfomitesや直接接触にも適用される.
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●大きな飛沫を介した感染伝播は,どのような呼吸器ウイルス感染症でも直接証明されてこなかったことは注目に値する
●これらの神話(誤解)を支える科学を検証することで,なぜ一般的な声明が時代遅れなのか,そしてなぜ現在の証拠が異なる方向を向いているのかの理解が進むことを望む
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■誤解 1「エアロゾルは5μm未満のサイズの飛沫である」
●この神話(誤解)は,歴史的に誤った定義に由来しており,最近ではWHOによって”... 直径5μm未満の飛沫は,飛沫核またはエアロゾルと呼ばれている”と報告されている
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●呼吸器飛沫は呼吸器分泌物や唾液から形成され,会話,咳,くしゃみ,呼吸で放出される
●直径は1μm未満~100μmを超えるものまである
●小さいものは急速に乾燥して元の直径の20-40%になり,残留物は”飛沫核(droplet nuclei)”と呼ばれ,これはほとんどの臨床医が”エアロゾル”と同義と考えている
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●粒子が懸濁したままでいる能力は,粒子が放出される運動量や周囲の気流の特性(速度,乱流,方向,温度,相対湿度)など,サイズ以外の多くの要因に左右されるため,空気媒介性粒子(airborne particles)の直径カットオフ値を明確に指定することはできない
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●気流条件によっては以前はこの長年の定義( >5μm)によって”大きい”と分類されていた多くの粒子は,そのような粒子が地面に落ちると主張されている”神話上の”1-2mの距離よりもはるかに遠くまで移動することができる
●よって大きな粒子であっても従来の”エアロゾル”のように振る舞うことができる
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●”エアロゾル”と”飛沫”のどちらも,それらの空気媒介性パターンが環境条件によって変化するサイズ範囲の極端なものとして考えられるべきである
●感染伝播を説明する目的で,飛沫とエアロゾルを区別するためのより合理的なサイズの閾値は,その物理的な振る舞いと曝露経路の観点から,100μmである
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●本稿の用語を明確にするために,飛沫とは,重力および/または感染者から呼出された空気のモーメントの影響下にて地面に落下する粒子であり,エアロゾルとは,サイズおよび/または環境条件によって懸濁したままの粒子である.我々は,”粒子(particles)”という用語を,飛沫/エアロゾル全般を指す
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■誤解2「5μmより大きいすべての粒子は,発生源から1-2m以内に落下する」
●呼出された直径5-10μmの粒子は,静止した屋内空気中で重力の影響を受けてゆっくりと床に落下する
●これは1.5mの高さからだと,8-30分かかる
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●しかし,ほとんどの部屋には0.1-0.2m/sの典型的な周囲空気流があり,これらの粒子はあまりに小さすぎて,発生源から1〜2m以内の地面に沈降しないことを意味している
●屋内で放出源から1-2m以内に着地する確率が高いためには,飛沫の大きさが50-100μmよりも大きくなければならない
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●局所的な乱流気流は,この沈降時間をさらに長くすることができる
●50-100μmより大きい飛沫は,特にくしゃみや咳をしているときに,呼気のジェット気流の中で1-2mを超えて運ばれることがすでに知られている
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●重力下では小さすぎて急速に沈降しない粒子は,人の体温プルーム中で上方に移動しうる
●このような粒子は最終的に吸入される前に,換気,人の往来,ドアの動き,対流によって発生する他の気流の影響を受ける
●この輸送は,長い距離(> 2m)にわたって輸送される< 5-10μm未満の粒子にとって重要
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●静止した空気中では,様々なサイズの粒子において,物理法則(ストークスの法則など)によって正確に予測できる沈降時間が異なる
●直径50μm前後の粒子でも1.5mの高さから沈降するのに約20秒かかり、エアロゾルと考えるべきである
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●忙しい病棟や診療所における乱気流の影響で,このサイズの粒子はさらに長く空中に残り(remaining airborne),発生源から2mを超えた距離を移動する可能性がある
●空気中に懸濁する粒子が臨床的に関連する時間は,換気に依存する.
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●病院の換気システムは清浄な空気を供給し,部屋の空気とそれに含まれる粒子を部屋の外に放出する
●病院の中には機械による換気システムがなく,窓やドアが閉じている場合,空気媒介性粒子が地面に沈降するまでに何時間もかかる可能性がある
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■誤解3「もし短い距離ならば,それは空気媒介性(airborne)になりえない」
●長距離伝播は空気媒介感染伝播の証明であると一般的に考えられているが,検出しうる長距離伝播がないからといって空気媒介感染伝播が除外できるわけではない
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●たとえ長距離伝播が示されてこなかったとしても,特に短距離あるいは密接(すなわち会話の距離以上)での空気媒介性曝露(airborne exposure)およびエアロゾル吸入は,SARS-CoV-2感染伝播にとって依然として重要である
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●吸入による感染性物質(infectious agent)の伝搬は,どんな距離でも起こりうるが,エアロゾルは発生源に近いほどより濃縮されているため,密接距離でより起こる可能性が高い
●”たばこの煙”,”におい”を考えてほしい
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●昼食にニンニクやアルコールを摂取した人の近くに立っていると匂いを感じるかもしれないが,遠ざかるにつれて匂いは薄れる
●しかし,呼出された息の中ににおいがする場合は,その呼出された息の中に含まれるウイルスを吸い込んでいるかもしれない
●通常,会話のできる距離(~1m以下)で起こる
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●多くのアウトブレイクはエアロゾル化されたSARS-CoV-2吸入以外では説明することが難しい
●エアロゾルは感染性放出者の近距離(< 1m)で存在し遠距離よりも明らかにはるかに高濃度で存在
●密接距離では人は弾道的な”大きい飛沫”から小さなエアロゾルまで,あらゆるスペクトルの粒子にさらされる
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■誤解4「基本再生産数R0が麻疹より大きくないので,空気媒介性(airborne)ではありえない」
●重要なのはR0が疾患がエアロゾル吸入を介し感染伝播するかどうかには直接関係していないということだ
●R0は,1人の感染者と接触した後に何人の人が感染するかを示しているが感染メカニズムは関係ない
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●様々な病原体が空気媒介することありうるが必ずしも人から人へ感染伝播するわけではない
●ハンタウイルスやBacillus anthracisは,どちらも動物のリザーバーを持っており,そしてどちらも吸入によって獲得されるが,必ずしも人から人へ感染伝播するわけではない
●これらは空気媒介性疾患である
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●R0は二次症例を識別する能力と同程度の精度しかない
●麻疹や水痘のような空気媒介性(airborne)と広く認められているウイルスの場合これらのウイルスは感染例の> 99%に特徴的な皮膚病理を引き起こすため,正確な症例や二次症例の同定は比較的簡単である
●よってR0の推定はより正確になる.
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●一方COVID-19症例は無症状であることも多く,R0を評価することは非常に困難である
●軽度の症状,あるいは全く症状がない場合には,アウトブレイクの程度や二次症例数を把握することは非常に困難である
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●1つのアウトブレイクイベントが感染源と関連している場合でも,その感染源がすでに,簡単には追跡・集計できない他の二次症例を増加させているかもれない
●COVID-19では非常に前症状性感染伝播が起こる可能性がある.そしてSARS-CoV-1と同様にすべての感染者に均一的な感染性があるわけではない
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●現在,インフルエンザ,SARS-CoV-1,MERS-CoV,RSV(respiratory syncytial virus)などの他の呼吸器ウイルスが空気を介して感染伝播することを示す良い証拠があるため,この”神話を打ち破る”理論は,これらのウイルスの感染伝播にも適用できる
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■誤解5a「もし空気媒介するならば,サージカルマスク(あるいは布マスク)は機能しない」
■誤解5b「ウイルスはわずか100nm(0.1μm)のサイズなので,フィルターやマスクは機能しない」
⇒マスクに関しては様々なエビデンスがあるので省略します
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■誤解6「組織培養されないので,感染性はない」
●ウイルス培養は驚くほど困難で,これが細胞培養におけるウイルス分離が分子法(molecular methods)による検出よりもはるかに感度が低い理由の一つ
●細胞培養において感染の開始が成功するためには複数のウイルスが必要であることが理由の一つ
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●例えば,インフルエンザウイルスを使用して,Fabianらは,1 TCID50(in vitro細胞単層の50%に感染させるのに必要なウイルス量)が約300ゲノムコピーに相当することを示した: Van Eldenらによる100-350コピーの既知の推定値に類似している
●しかしWeiらによって報告された650コピーよりも小さい
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返信先: さん
いつもありがとうございます.論文へのリンク張っておきますね。
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こちらこそいつもありがとうございます!
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