美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らが主導した愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動で、複数の愛知県議や市議が22日、「無断で名前を書かれた」と取材に証言した。リコール運動を巡っては、不正な署名が多数あるとの情報が寄せられ、愛知県選挙管理委員会が不正の有無を調査している。

神谷和利県議によると、不正署名があるとの情報を受け、自治体の選管に自己情報開示請求をしたところ、署名していない自身の氏名、住所、生年月日があり、指印まであったという。杉江繁樹県議も同様に身に覚えのない自身の署名が情報開示で判明したと取材に答えた。

碧南市では市議13人が情報開示請求し、新美交陽市議会議長ら3人の署名を確認。うち小林晃三市議は署名集めを担う「受任者」にもなっていたという。田原市の山下政良市長も市を通して「開示請求したところ、自分の署名があり驚いた。覚えがない」とコメントした。

杉江県議は「腹立たしい。誰がやったか分からないが事実関係を明らかにしてほしい」と話した。

高須氏らは11月、43万5231人分の署名を各選管に提出。解職の賛否を問う住民投票実施に必要な法定数だった約86万6千人の半分ほどにとどまった。(共同)