ライトノベルおすすめ作品10選!【恋もバトルも欲張りたいあなたに】

『このライトノベルがすごい!』が発刊されるなどし、近年盛り上がりを見せているライトノベル。

「小説家になろう」「カクヨム」「エブリスタ」など、各種投稿サイトからも続々人気作が生まれ、今後ますます注目度が上がっていくに違いない。

この記事では古今東西、これだけは押さえておきたいラノベの傑作10冊を紹介したい。

ライトノベルおすすめ作品10選

賀東招二『コップクラフト DRAGNET MIRAGE RELOADED』

ガガガ文庫より刊行されている小説。

作者は『フルメタルパニック』でスマッシュヒットを飛ばした賀東招二。

竹書房Ζ文庫から刊行されていた『ドラグネット・ミラージュ』シリーズが前身だが、キャラクターのビジュアルや年齢設定などをがらりとリメイクし2009年に刊行し直された。

異世界と繋がってしまったアメリカ西海岸風の架空の都市・サンテレサ市を舞台に、自衛隊上がりの硬派な日系人刑事・マトバと、その相棒である異世界レト・セマーニの少女騎士・ティラナが活躍する。

異なる価値観を持った男女のバディが、難事件の捜査にあたる中で次第に理解し合い絆を強めていく警察小説で、刑事ものの海外ドラマが好きな層に特におすすめしたい。

骨太な文体や派手なアクションは言うに及ばず、ヒロインであるティラナの、気位高く高潔な騎士とピュアな少女が同居する愛らしさは特筆に値する。

エルフやドワーフが暮らし、魔法が生きる異世界と融合したからこそ起こり得る犯罪や社会問題にも焦点をあてており、ファンタジーを現実に落とし込んだ世界観が魅力的だ。

個人的にはマトバの情報屋であるオニール牧師の、コメディアンも裸足で逃げ出すナイスパフォーマンスを推したい。

あとがきでは本作が実際に海外ドラマとして放映されている設定で、ティラナやマトバたちの楽屋裏トークを堪能できる。

浅井ラボ『されど罪人は竜と踊る』

ガガガ文庫から刊行されているファンタジー小説。

ファンには『され竜』の愛称で親しまれている。

殺人や性暴力を含む過激な描写や鬱展開の連続、ライトさとかけ離れたヘビー級の読後感は異様な中毒性を持ち、暗黒ライトノベルの開祖とされている。

化学と融合した魔法体系・咒式が、生活のあらゆる面において定着した世界を舞台に、荒事専門の攻性咒式士であるガユスとギギナコンビの活躍を描く。

元素記号や化学用語を盛り込んだ戦闘描写の密度は圧巻。

それ以上に注目したいのはガユスとギギナの仲の悪さで、ともに依頼をこなす相棒でありながら、しばしば暇潰しに殺し合いを始める大人げなさが痛快極まりない。

悪口雑言の語彙も凄まじく、2人の喧嘩を眺めているだけで楽しい。

竜や異貌のものども、巨人族が人類の敵と見なされる一方で、私たちが生きる現代社会の歪みに起因する様々な問題(ネット犯罪・虐待・移民・いじめ・ストーカーなど)がしばしば作品の核心部分に根差しており、時代性を映したシニカルなリアリティに満ちている。

野村美月『文学少女』シリーズ

ファミ通文庫(エンターブレイン)より刊行されていたライトノベル。

番外編を含めて全16冊完結済み。

ある事情からデビュー作で筆を折った高校生作家・心葉と、本をこよなく愛する文芸部の先輩・遠子のコンビが、古今東西の古典が関わるミステリーに挑む。

基本的に一話完結シリーズで、取り上げられる作品は『人間失格』『嵐が丘』『銀河鉄道の夜』など、本好きならずともタイトルは知っている古典が多い。

遠子は紙を主食にしており、物語の傾向や雰囲気によってその味の質が変わる。

女子高生が紙を食べ、豊饒なディティールで味の感想を述べる奇抜な設定に当初こそ面食らうが、各古典をインスパイアした話がシリアスな様相を強めていくほど、本を愛しフィクションを肯定する彼女の優しさに救われるのは否めない。

物語が進むと心葉がスランプに陥ったきっかけや遠子の複雑な生い立ちも明らかになり、彼らの幸せを願わずにはいられない。

遠子が毎回宿題として心葉に出す、三題噺の作文もひそかな楽しみである。

『文学少女シリーズ』原作小説あらすじと感想【文学を紙ごと食べる少女が、謎に挑む青春ミステリー】

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