小学校から下校中に誘拐され、9年2カ月余り監禁されていた女性が2000年1月に新潟県柏崎市内で保護された事件で、逮捕監禁致傷罪などで服役した元受刑者の男性が17年ごろに病死していたことが22日、複数の捜査関係者の話で分かった。犯罪史上でも類を見ない長期の監禁事件は、明るみに出てから28日で20年が経過する。
捜査関係者らによると、元受刑者は15年ごろに刑務所を出た後、新潟県内には戻らず、千葉県内のアパートで1人で暮らしていた。定職には就いていなかったとみられ、17年ごろに自室で倒れているのが発見された。検視などによって病死が確認されたという。病名は不明。元受刑者は当時50代半ばだった。
新潟県警には千葉県警を通じて連絡があり、新潟県警から被害者側にも伝えられたとみられる。
元受刑者は1990年、下越地方の小学校から帰る途中だった少女を車に乗せて連れ去り、柏崎市内の自宅2階の部屋で9年2カ月にわたって監禁した。2000年1月28日に、家庭内暴力に悩んだ母親が市保健所に相談、元受刑者を強制入院させるために訪れた医師や職員らが女性を発見し、保護した。
元受刑者は逮捕監禁致傷などの疑いで逮捕、起訴された後、窃盗罪でも追起訴された。上告審まで争ったが、03年に懲役14年の刑が確定した。
事件当時、一緒に暮らしていた元受刑者の母親は服役中に亡くなった。事件のあった柏崎市内の自宅は現在もそのままとなっている。
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