旅立つ自由人
今日初作品の初投稿です
作品にいちゃもんコメントしてください!
参考にさせていただきます
まだシステムとかがわからないので何かあったら温かい目で見守って欲しいです
「メスフィール王国が大陸を統一した」
そのことはすぐに王都にも伝えられた。
伝令を任されたムンクは、朝日が照らす人の気配の無い市場まで走り、こう叫んだ。
「戦争は終わった!勝ったぞォォ!」
人々は慌しく建物から出てきた。
その言葉に人々は様々な反応を示した。
歓声を上げる者。
泣き崩れる者。
抱き合う者。
酒を掛け合う者。
例外はあれど、そこにいた人々は心の底から喜んでいた。
その光景を、母の肩越しに見る少年がいた。
王都を出、母の故郷へ行く為、馬車に乗ったばかりのクリスティアンであった。
クリスティアンは遠のく王都をぼんやり見つめながら、いつの間にか寝てしまっていた。
クリスティアンが再び目を開けたときは、既に日は沈みかけていた。
母は疲労のせいか寝ており、馬を走らせている男は鼻歌を歌っていた。
何もすることがなかったクリスティアンは窓から頭を突き出して、流れていく何もない草原を眺めていた。
「起きたかクリス」
振り向くと、馬車を走らせていた男が笑っていていた。
彼の名はマルス。お母さん、ローズの弟だ。
「うん、おはよう」
そう答えた時、あることに気づいた。
「おじさん、前ちゃんと見てる?ほら、あの石。」
「へっ?」
驚いた表情で振り向いたマルスは慌てて右に曲がり、危機を回避した。
しばらくまっすぐな、何もない道が続くことを確認してから、マルスおじさんは再びこちらを向いた。
「そんなとこから。よく見えたな、あの石。こんなに暗いのに。すげーなお前!」
「見えたんじゃないよ!感じたんだ!」
おじさんは、「へ、へぇ才能あるかもな」と呟いてから言った
「まぁ話しにくいからクリス、こっち来いよ。操縦席の方がずっと風が気持ちよくて、楽しいぞ」
「うん、行く!」
そう答えると、わざわざ馬車を止めて、 僕を操縦席に乗せてくれた。
「ん?ちょっと待てよ。」
おじさんが急に何か思い出したかのように来た道を駆け足で戻って行った。
しばらくしても帰ってこないので心配してると、だんだんおじさんの体が見えてきた。何か『変』というか、さっきも感じた気配も近づいてきている。
おじさんはさっきの石を持って来たようだった。
「おーい、クリス〜!魔石拾ったぞ!」
おじさんは何かに馬車で作業してから帰って来た。
「さっきはスルーしたんだがな。石を感じるって何?って思ったら、魔石かもしれないと…」
おじさんは長々と説明してくれていた。
興奮した時のおじさんホント話長いから、ごめんって心で叫びながら割り込んだ。
「あんなでかい魔石あったの?ランクはどのくらいだった?」
僕でも知っている。魔石っていうのは魔力を含んでる希少で高価な石で、大きさや、ジュンドという綺麗さとか魔力量で決まる数値が大きければ大きいほど高いものだ。それに応じてS〜Hランクがあり、それによって価値が変動する。
えっへん。すごいでしょ。
…誰に言ってんだろ。いつも無意識に思っちゃうんだよな〜
それにしてもさっきの石はかなりデカかった。
「俺は鑑定とかそういうの得意じゃないしな〜。でも確実にCくらいはある」
へー。Cかぁ。よくわからない。
「それってどのくらい?」
「5千フェルだ。平均的な生活なら二ヶ月持つ。うまいスティックなら五万本だな」
うまいスティックは安くて人気のお菓子。10レカロで一本、1フェルで10本買えるんだ。
それを5万本って…
椅子一個が100フェルで、机が150フェルだから、
「それってものすごいんじゃないの?!」
「そうだぜ!お前のおかげさ」
なんか嬉しかった。
「さぁ、出発するぞ」
マルスおじさんが鞭を振ると馬車が走り始めた。
スピードが上がっていくにつれ、風を感じるようになってきた。
「ぷはぁー」
思わず声が出てしまった。
「どうだ。きもちいいだろ?」
おじさんが言い終わった瞬間だった。
グシャ...
赤い、温かい液体が吹き出した。
…バタン
それを血だと理解するのに時間は掛からなかった
おじさんが死んだんだ。
矢だ。殺されたんだ。
戦争中の国に住んでたんだ。人が殺されるとこを目の前で見たことは何回もある。
続いて、馬も暴れ始めた。そして倒れる。もう使い物にならないだろう。
敵国だろうか。でも戦争は終わったはずだ。
恐る恐る顔を上げる。
矢が飛んできた右方向を見たら不気味に笑ういかにもな盗賊がいた。
盗賊たちはちょっとした丘の上にいて、僕たちの左側は森だった。
今見えている盗賊たち以外にも左側にも人がいる気がする。
ああ、死ぬのかと思った。諦めた。お母さん大丈夫かな。お父さんに会いたい。
そんなことを考えていると、視界が真っ黒になったことに
終わった
せめてお父さんに一度は会ってみたかった
1円=1レカロ
100レカロ=1フェルです