京橋~片町間の回送列車
前回の記事で、「1978年頃の片町駅は京橋駅の折り返し設備のよう」といったようなことを書きましたが、今回はこれに関連して京橋駅~片町駅間で運転されていた回送列車について見てみることにします。
1978年頃の片町駅の配線はこんな感じで、
島式ホームに面した1・2番線のほかに2本の電留線(3番線・4番線)が設けられています。
この電留線への電車の出入りについては、普通に考えれば、
①片町駅終着列車が片町駅で入換(=木津方への引上げ)を行って電留線に転線する。
②しばしの休憩後に再度入換で電留線からホームに移動し、片町駅始発列車として出発する。
ということになろうかと思います。
しかしながら、
・京橋~片町は500mしかなく、電車が木津方に引き上げると先頭部が京橋駅のホームにかかりそうなくらいの位置関係になっている。
・京橋~片町間は京橋以東区間に比べて旅客需要が少ない。
といったことが理由ではないかと推測するのですが、実際には
①片町駅の電留線に入る列車は京橋でお客を降ろした後にそのまま直接電留線に入る。
②出ていく場合も電留線からそのまま京橋駅のホームに進んでそこからお客を乗せる。
という方法がとられていました。
ただし、わずか500mとはいえ電留線は隣の片町駅の構内ですので、短いながらも京橋~片町間は回送列車となります。一風変わった運転方法のように感じます。
この辺りを、例によって(汗)480042さんからご提供いただいた1980年3月のダイヤで詳しく見てみます。
まず5時から10時の時間帯です。
・色付きのスジが注目すべき列車で、細線は回送列車、太線は営業列車です。
・片町駅には3編成の電車が夜間滞泊しています。場所は2番線と3番線と4番線です。
・5時ちょうど頃、61運用の202が片町駅を出発します(灰色)。ホームに面した2番線での滞泊ですので片町からお客を乗せて営業列車として出発します。
・5時17分頃、53運用が片町駅を出発します(赤色)。電留線である3番線での滞泊ですので京橋までは回204、京橋からお客を乗せて204となります。
・6時48分頃、55運用が片町駅を出発します(青色)。同様に電留線である4番線での滞泊ですので京橋まで回220、京橋から220となります。
・8時54分頃、52運用の京橋止まりの271が到着します(緑色)。回送(多分回271)となって片町駅3番線へ入ります。
続いて13時から18時です。
・14時頃、5時間ほどの休憩をして先ほどの52運用が片町駅3番線を出発します(緑色)。回344で京橋へ、京橋から344です。
・14時19分頃、入れ替わりに56運用の335が終点京橋に到着し、回335となって片町駅4番線に入ります(紫色)。
・17時45分頃、3時間半ほどの休憩をして上記の56運用が回378~378で出発していきます(紫色)。
続いて19時から24時です。
・19時59分頃、54運用が411~回411で片町駅4番線へ(橙色)。そのまま片町駅滞泊となります。
・21時47分頃、52運用が427~回427で片町駅3番線へ(緑色)。そのまま片町駅滞泊となります。
・23時44分頃、60運用が441で片町駅に到着し(茶色)、そのまま片町駅滞泊となります。2番線到着ですので片町駅まで営業列車として運転されます。
以上のように、1980年当時は、
・片町駅で3編成の電車が夜間滞泊していた。
・日中の片町駅ではおおむね1編成の電車がお昼寝をしていた。
・片町駅の電留線への出入りのために京橋駅~片町駅間では上下各4本の回送列車が運転されていた。
といった感じだったわけですね。
「路線の終端の駅(しかも都心側)の一つ手前の駅までは営業するが、次の終端駅までは回送となる列車」
「路線の終端の駅(しかも都心側)を回送で出発し、一つ目の駅から営業を始める列車」
というのはなかなか珍しいのではないかと思うのですが。
列車ダイヤは480042さんよりご提供いただきました。
ありがとうございます。
○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●
バックナンバーはこちらからどうぞ。
最近のコメント