岐阜・中濃病床90%「空いてもすぐ埋まる」地域差顕著
「岐阜県内の新型コロナウイルス患者向けの病床使用率は地域差がある。岐阜と中濃の両圏域では100%近い」。9日に開かれた県の感染症対策本部員会議では、深刻化する医療提供体制の逼迫(ひっぱく)状況が報告された。感染急増によってコロナ以外の重症患者受け入れにも支障が出ており、「医療崩壊」を懸念する声も上がった。
県内の8日時点での入院者は369人。新型コロナ病床は625床を確保し、病床使用率は59%となっている。ただ、関係者によると、圏域ごとでは岐阜と中濃で90%を超え、東濃と西濃では40%台、飛騨は10%以下。
県病院協会の冨田栄一会長は「岐阜、中濃の医療圏では退院者が出てもすぐまた患者が入ってくる。まったく余裕がない」と明かした。コロナ患者の急増に対して医療スタッフの数は変わっておらず、「現場の看護師からは『使命感ではやっているが、なんとか人の流れを止めて感染者を増やさないでほしい』という切実な声が出ている」と強調。医療従事者の院内感染による救急外来の停止が相次ぐ事態を心配した。さらに、寒くなって循環器疾患などの患者が増えており、「(重症で)個室で管理する必要性があるのに、コロナ患者が個室を占有するので入れられないという問題も出ている」と述べた。
県によると、県内でのコロナ感染者の死亡率は1・5%だが、70歳以上では10%超まで跳ね上がる。県医師会の河合直樹会長は、若い人が飲食の場などからウイルスを家庭内に持ち込んで広める事例が多いと指摘し、「家庭に高齢者がいる場合、実際には(外へ)飲食に行ったこともない高齢者が死に直面することになる」と行動変容を求めた。
また、県観光連盟の岸野吉晃会長は、全国的な感染拡大により県内の観光業界も大きな打撃を受けていると報告。一方で「経済にとって一時的にはダメージが大きくなるかも知れないが、ここへきて強めのブレーキを踏んでほしい。短期間で回復してほしい、という声が事業者の間でも大きくなっている」と語った。