ラオパンです。
今回も前回に引き続き、田中社長の教えに従い倒産パターンを学んでいきたいと思います。
倒産パターンを学ぶのに参考にする本は、今回もこちらです;
この二冊の事例を、私なりに幾つかの倒産パターンに分類してみました。
数回に分けて各パターンと事例を紹介しますが、今回がその6回目(最後?)です。
あなたも経営者として一歩でも田中社長の領域に近づきたいですよね?
手っ取り早く倒産パターンをインプットしていきましょう!
倒産パターン6:戦略が「戦略的」でない
今回の失敗事例は、事業戦略に関するものです。
事業戦略を考える際、戦う「土俵」を理解することが如何に大切で難しいかを教えてくれます。
なお、自らが戦う「土俵」を理解するとは、下記の一連のことです;
- まず、自らが戦う「土俵」のルールを熟知
- その「土俵」のルールで勝敗を決する要因(KFS、重要成功要因)を見極め
- その「土俵」のルールで勝つための能力(Capability)や経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を自らが保有するのかを自問
- もし、自らが保有する能力や経営資源が足りないと判断すれば、戦う「土俵」を変更する、或いは、新たにその能力や経営資源を調達
これ、なかなか簡単なことではありません。
しかも、戦う「土俵」を変更したところで、また、新たに経営資源を調達したところで、生き残れる保証はありません。
でも、この難問を克服しなければ安定成長が望めないのです。
是非、今回紹介する事例を「自分ならばどうする?」という自分事視点でお読みください。
では、戦う「土俵」への理解が甘く保有能力(Capability)不足で倒産した事例を紹介します。
ベアリングス銀行
ベアリングス銀行の倒産はイギリスで映画化されました。
倒産3年後の1998年に、破綻の原因を作ったトレーダー、ニック・リーソンの手記が映画され、『Rogue Trader(マネー・トレーダー 銀行崩壊)』というタイトルで1999年に公開されました☟
ベアリングス銀行の繁栄から倒産までは、ざっくり以下の通りです;
ベアリングス銀行は英国産業革命に伴い躍進し、19世紀には欧州一の金融機関となった。
二度の世界大戦後には英国の国力低下とともに衰退するが、米国でのM&A顧問や資産管理に活路を見出した。
1986年の金融ビッグバン以降はアジア市場でのトレーディングに活路を求めてベアリングス証券を設立、日本のバブル期に大きな利益を獲得した。
しかし、1990年に日本のバブルが崩壊し、ベアリング証券の業績は悪化した。
1995年にニック・リーソンのデリバティブ取引による巨額の損失隠蔽が発覚、倒産した。
ちなみに、ベアリングス銀行の創業から繁栄の歴史は下記の通り;
- 1762年にロンドン・シティに設立された最古のマーチャントバンク
18世紀後半の産業革命に伴う大英帝国の躍進とともに成長
19世紀初頭にはヨーロッパ一の金融機関となる
イギリスの産業発展に不可欠な存在であり「女王陛下の銀行」と呼ばれた - 1890年のアルゼンチン革命の影響により巨額損失を計上し経営危機に陥った
19世紀末から20世紀初頭までアメリカなど各国との関係を強化して目覚ましい回復を遂げる - 20世紀前半の二度の世界大戦によりイギリスの国際的地位が低下
ポンドが下落しロンドンでの外債発行が激減したためマーチャントバンク業界は衰退した - 1970年以降、アメリカでのM&A顧問や資産管理に活路を見出す
- 1986年にサッチャー元首相による金融ビックバン、外資系金融機関が参入
トレーディングに特化した投資銀行に活路を求め証券会社を設立
同證券会社が日本のバブル期にグループ全体の半分以上の利益を出す
一方、ベアリングス銀行の繁栄からの転落は下記の通り;
- 1990年に日本のバブル崩壊、日本株が急激に下落
証券会社の業績悪化 - 1995年1月に阪神淡路大震災が発生、東証株価指数が暴落
ニック・リーソンのデリバティブ取引にともなう巨額の損失隠蔽が発覚
1995年2月に自己資本4.7億ポンドを上回る8.6億ポンドの損失と公表、破線宣告を受ける
金融ビッグバン以降、ベアリングス銀行が戦おうとしていた「土俵」は、自由競争化によって非常に厳しい状況でした☟
ビッグ・バンは、外資系金融機関の怒涛の参入を招き、シティは再び活況を取り戻します。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
しかし、市場そのものは「ウィンブルドン化」とも言われ、今まで規制に守られていたイギリス国内の金融機関は苦境に立たされました。
ビッグ・バンによる自由競争化において、英国紳士的な保守気質を持った会社が、金融工学を駆使したアメリカ系の投資銀行に勝てる余地はほとんどありませんでした。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
投資銀行という「土俵」で勝敗を決する要因は、リスク許容度とリスク管理能力です。
残念ながら、ベアリングス銀行はいずれも満足していなかったようです。
自己資本は、投資銀行と比較して3分の1から6分の1程度しかないために、許容できるリスクは必然的に小さくならざるを得ません。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
加えて、リスク管理能力に長けているわけでもない。
また、投資銀行という「土俵」で戦うために必要な経営資源は、カネ(自己資本)と情報(金融工学の知識)ですが、いずれもベアリングス銀行には不足していました。
情報(金融工学の知識)については、外部から招聘したトレーダー達を招聘して補おうとしました。
ベアリングス銀行は、日本市場で利益を上げていた敏腕トレーダー、クリストファー・ヒースに目をつけます。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
そして彼が率いていた15人ほどのメンバーをそのままベアリングス銀行に招き入れ、ベアリングス・ファーイースト証券(後のベアリングス証券)を設立しました。
しかし、経営陣もデリバティブ部門の責任者もビジネスの内容をわかっていなかったようです。
「ビジネスの内容は分からないけど、儲かってるからやる。」
ベアリングス銀行経営陣は、そんな乱暴な意思決定をしたと「世界倒産図鑑」では断じています☟
ケイパビリティ(保有能力)と競争環境とのミスマッチです。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
(略)
そんなベアリングス銀行が、「儲かっている」という理由だけでアジアのトレーディング業務に足を突っ込むという意思決定は、その死期を早めるだけだったのです。
ここで、金融ビッグバン以降のイギリスのマーチャントバンク生き残り戦略について、非常に興味深い考察を見つけましたので紹介します☟
マーチャントバンクも生き残りを賭けて行動に出た。
「ベアリングスの崩壊」(田中文憲氏著)
彼らの戦略は大別すると2つに分かれる。
1つはアメリカの大手投資銀行のようなフルライン型の投資銀行を目指す戦略であり、
2つ目は、M&Aや投資顧問など特定の分野つまりニッチを狙う戦略である。
前者の戦略を採ったところはことごとく失敗し、身売りをするか破綻していった。
一方後者の戦略を採ったところも苦戦しながらも(略)命脈を保つことができた。
ベアリングス銀行は「土俵」の選択を誤ってしまった、ということですね。
でも、ベアリングス銀行の下記の流れは一見合理的に見えませんか?
- 外部環境の急激な変化(金融ビッグバンによる自由競争化)
- →これまでの「土俵」はもうない(規制に守られたマーチャントバンクという業態)
- →新しい「土俵」での戦いへの挑戦(アジア市場でのトレーディング)
- →必要な能力・経営資源の調達(敏腕トレーダーの招聘)
一見合理的な選択をしたのに、なぜベアリングス銀行は生き残れなかったのか?
それは、ここまで見てきた通り、彼らには、「土俵」の選択だけでなく能力・経営資源の獲得方法にも問題があったからです。
あなたなら「土俵」を正しく選択できるでしょうか?
また、その「土俵」で戦うための能力や経営資源を正しく獲得できるでしょうか?
是非、あなたも一緒に考えてみてください。
エルピーダメモリ
エルピーダメモリ元社長の坂本幸雄氏って、一時期よくテレビでお見掛けしましたね。
プロフェッショナルやガイアの夜明け。
カンブリア宮殿にも出てましたっけ?
2019年からは中国の半導体大手メーカーの副総裁に就任され、依然現役のようです。
エルピーダメモリの繁栄から倒産までは、ざっくり以下の通りです;
NECと日立のDRAM事業が統合して設立されたが、設立当初は業績不振に陥っていた。
外部招聘された坂本氏社長就任後に業績改善し、「日の丸半導体の復活」と注目された。
しかし、立て続けに発生した、2007年のDRAM供給過剰、2008年のリーマンショックによる景気後退、2011年の東日本大震災による円高、により業績が悪化した。
資金繰りに行き詰り、2012年2月に会社更生法を申請、倒産した。
ちなみに、エルピーダメモリの創業から繁栄の歴史は下記の通り;
- 1999年にNECと日立製作所のDRAM事業を整理統合したNEC日立メモリ設立
- 2000年に社名をエルピーダメモリに改称
NECと日立の両社間の調整に調整を重ね両社の意向を確認して打ち手を決める経営スタイル
環境変化への対応スピードなく競争力なし
2001年から2003年まで3年連続営業損失を計上 - 2003年に外部から坂本幸雄氏を社長として招聘
インテルや日本政策投資銀行からの増資を受けて生産ラインに投資
三菱電機のDRAM事業を買収 - 2004年に151億円の営業利益を計上
2004年11月には東証一部に上場、「日の丸半導体の復活」として注目される - 2007年には営業利益684億円、純利益529億円の過去最高益を計上
一方、エルピーダメモリの繁栄からの転落は下記の通り;
- 2007年にDRAM供給過剰により1年間で価格が1/6に急低下
Windows Vistaの特需を期待して半導体各社が増産、実際の需要は期待ほどではなかった
エルピーダメモリも他社と同様に大きな設備投資を行っていた - 2008年に1800億円の純損失を計上
資金繰りが危機的状況に陥る
日本政策投資銀行からの増資とメガバンクなどからの融資により乗り切る - 2011年に発生した東日本大震災の影響で円高
エルピーダメモリの売上の90%が海外向けであったためキャッシュフローが悪化した
半導体不況のなか提携先交渉も難航した
2012年2月に会社更生法を申請
エルピーダメモリが戦っていた半導体業界という「土俵」の特徴について見てみましょう。
「規模の経済」が効きやすい業界であり、この「投資→顧客獲得→低コスト化→収益獲得→再投資」という好循環を作ることができるかできないかによって生死が決まってしまいます。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
半導体業界においてこの規模の戦いに勝つために残されたイスはごくわずか。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
したがって、この限られたイスを取れなければアウト、というシンプルな戦いなのです。
(略)
エルピーダは(略)本質的にはこの半導体業界の熾烈なイス取りゲームに負けた、ということもできるでしょう。
つまり、半導体業界という「土俵」では、規模のイス取りゲームが行われています。
では、このイス取りゲームの勝敗を決する要因は何でしょうか?
この業界は大型の設備投資がものをいう業界です。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
最先端の設備にどのタイミングでどれくらいの投資を行うか。
大型の投資が先んじる戦いであり、かつ為替やシリコンサイクルなどの需給バランスに大きく左右されるビジネス。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
その大型投資の回収までに少しでも不測の事態が発生すれば、運転資金が回らずに倒産してしまいます。
半導体業界イス取りゲームの勝敗を決する要因は、大型の設備投資と不測の事態への対応です。
そして、半導体業界という「土俵」で生き残るために必要な経営資源はカネ(資金調達力)です。
このイス取りゲームの本質は、「資金調達」にあります。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
(略)
資金調達のオプションをどれだけ幅広く柔軟に担保できるかということが重要であり、もしキャッシュが途切れることがあれば、その瞬間に売上や利益がどれだけあってもゲームオーバーになる、というルールなのです。
敢えてメインバンクを作らないことで、誰にも縛られない自由な経営を行う、というコンセプトでしたが、この選択は大きなリスクと隣り合わせです。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
(略)
「大型投資x激しい波がある」という半導体ビジネスにおいて、資金調達面での不安定さが最後の成否を分けたポイントだったのかも知れません。
エルピーダメモリは半導体業界という環境変化への対応スピードが問われる「土俵」で戦っていくため、メインバンクを作らない≒誰にも縛られない自由な経営を行う、という選択しました。
実際、この選択は功を奏し、2007年までは絶好調だったわけです。
では、エルピーダメモリは何を間違えてしまったのでしょうか?
エルピーダメモリの頭にあった環境変化はポジティブなものだった気がします。
つまり、環境変化=チャンスが訪れたとき、誰にも縛られずタイミング良く大型投資をしたい、と。
しかし、実際には、環境変化にはネガティブなものもあります。
つまり、環境変化=ピンチが訪れたとき、どう対応すべきなのか?
あなたならこの「土俵」でチャンスにもピンチにもスピーディーに対応できるでしょうか?
また、そのためには、どうやって資金調達力を獲得すべきでしょうか?
是非、あなたも一緒に考えてみてください。
- 環境変化は両面あり(チャンスとピンチ)
- →チャンスの時はタイミング良く大型設備投資の資金調達(自由)
- →ピンチの時は運転資金を回すための資金調達(安定)
- ⇒幅広い資金調達オプション
スカイマーク
スカイマーク前社長の西久保氏は合計90億円近くの私財を投じスカイマークを支え、IT業界で培った徹底的な効率化により業績を大きく改善しました。
会社を倒産させはしましたが、それだけで西久保氏が稀有な経営者であることを否定できません。
スカイマークの繁栄から倒産までは、ざっくり以下の通りです;
HIS創業者の澤田秀雄氏らによって設立され、2000年にはマザーズ上場を果たすが債務超過状態が続く苦しい経営状態であった。
2004年に西久保氏が個人として出資して筆頭株主になるとともに、社長に就任。
徹底的な効率化で業績改善、2012年には航空会社として世界第三位の高収益を実現。
しかし、2012年の「LCC元年」で競争激化、2013年の円安と燃料高騰で収益圧迫。
2015年に資金がショートするタイミングで民事再生法を申請した。
ちなみに、スカイマークの創業から繁栄の歴史は下記の通り;
- 1996年にHISの創業者でもある澤田秀雄氏らが出資して設立
日本の航空運輸業における規制緩和政策による新規参入航空会社の第一号であった
1998年に免許交付され羽田-福岡間で運行開始
従来価格の半額を実現し平均搭乗率80%を達成
しかし、大手航空会社も同一水準まで値下げし対抗され早々に搭乗率は50%以下に低下
採算割れして赤字経営が続く - 2000年5月にマザーズ上場
債務超過状態が続く綱渡りの経営であった - 2004年に個人として出資し筆頭株主となったIT長者の西久保氏が社長就任
コスト削減による低価格で搭乗率改善に成功し高収益体制を実現
2004年10月には黒字決算 - 2012年に営業利益率19%という航空会社として世界第3位の高収益を実現
一方、スカイマークの繁栄からの転落は下記の通り;
- 2012年に「LCC元年」を迎える
エアアジア、ジェットスター、ピーチといったLCCが相次いで参入
圧倒的な低コスト構造でスカイマークの強みを打ち消す - これに対して格安・長距離国際線という独自ポジショニングを目指す
2011年に超大型エアバスA380を6機発注
全席ビジネスクラスを大手の半額で主要都市へ直行便を飛ばすという大胆な意思決定 - 2012年12月に安倍政権が発足、アベノミクスにより円安ドル高政策が打たれる
ドル建てで支払うリース料や新機材の導入費用が急騰し利益を圧迫
資金繰りが急速に悪化
2014年7月にエアバスから支払い目処が立たないと判断され契約解除と違約金7億ドル請求
この違約金により決算で監査法人からゴーイングコンサーンに注記を付けられる - この注記によって増資も融資も受けられない状態に陥る
- 2015年1月に民事再生法を申請
スカイマークが戦っていた航空業界という「土俵」の特徴について見てみましょう。
今までの低価格を打ち出してきたスカイマークにとって、LCC勢の参入はそれまでの強みを打ち消してしまうものであり、大手とLCCを踏まえたポジショニングの再構築が求められる状況になりました。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
大手もLCCも模倣できないスカイマークならではのポジショニングを構築することができる
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
つまり、航空業界という「土俵」では、大手やLCCとのポジショニング争いが行われています。
スカイマークはLCC勢算入という環境変化に直面し、LCCとは対抗せず、大手に対抗する「格安・長距離国際線」という独自ポジショニングにリポジショニングしました。
経営の方向性を変える「リポジショニング」というものは、極めて難度の高いものであるので、(略)「身の丈を超えて」「強引に」やらなくてはうまくいかない場合もあります。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
一見、スカイマークのリポジショニングは合理的だと思いませんか?
でも、このスカイマークのリポジショニングはうまくいきませんでした。
なぜ、うまくいかなかったのでしょうか?
その理由を考えるには、再度、航空業界という「土俵」の別の特徴に注目する必要があります。
航空業界というものは、事業を成立させるために固定的かつ先に出るコストが多い中で、事故、テロ、パンデミック、燃料高騰や為替変動などの「イベントリスク」が売上に大きな影響を与えるため、倒産の可能性は必然的に高くなります。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
先ほどのエルピーダメモリの半導体業界と同様に、航空業界にも大型の設備投資と不測の事態への対応という特徴があるんですね。
- 大型の設備投資:航空機
- 不測の事態 :事故、テロ、パンデミック、燃料高騰、為替変動
つまり、半導体業界と同様に、航空業界もその「土俵」で生き残るために必要な経営資源はカネ(資金調達力)なんです。
株式市場からの調達に依存していたスカイマークにとって、いざという時の頼りになるメインバンクも不在であり、この後は常に減りつつあるキャッシュと時間との競争に陥ります。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
スカイマークのリポジショニングという選択が悪かったわけではないと思います。
でも、スカイマークには、イベントリスクが顕在化してもそのリポジショニングを続行する資金調達力が不足していました。
航空業界という「土俵」のもう一つの特徴=イベントリスクへの対応が不十分だったわけです。
でも、ビジネスクラスにJALやANAの半分の値段で乗れるなんて本当に素晴らしいアイデアです。
本当に残念だし、悔しいですね。
乗ってみたかったなあ😢
- 特徴1:大手やLCCとのポジショニング争い
- →リポジショニング:「格安・長距離国際線」という独自ポジショニング
- 特徴2:イベントリスク(燃料高騰、為替変動)
- →幅広い資金調達オプション:メインバンク不在!!
戦略の良し悪しの議論は、ついつい「そんなの結果論だよ」とバッサリ切り捨てがちです。
特に、前線で実戦している人ほど、そういう傾向が強くなります。
かく言う私もそうです。
戦略を語る人をみると、「外野は黙ってろ」って心の中で悪態をついていることもしばしばです。
戦略にむやみやたらと意味付けをすることが良いとは思いません。
しかし、戦略に良し悪しがあるのは確かなことです。
それは、今回紹介した事例を見ても分かります。
なので、このような失敗事例から、良い戦略を立てるため、又は、悪い戦略を立てないため、私たちは学ばなければなりません。
で、そもそも戦略とは何でしょうか?
「世界倒産図鑑」で著者である荒木博行氏が非常に素晴らしい戦略の定義をしてくれています☟
戦略的 = 「考える論点の多さ」x「考える時間軸の長さ」
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
考える論点 :前回もお伝えしましたが、攻めだけではなく守りも考えましょう。
考える時間軸:二宮尊徳の「遠きをはかる者は富み 近くをはかる者は貧す」を思い出しましょう。
この定義を頭に入れ、重要な意思決定をする際には決して「短絡的」になってはなりません。
洋の東西や時代を問わず、重要なタイミングで「短絡的」になってしまうとそれが致命傷になり得ることを、これらの事例は私たちに教えてくれました。
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
では、どうすれば、重要な意思決定の場面で「短絡的」にならずにいられるのか?
日々の現場で「戦略的」に考えて動いていると言えるでしょうか?
「世界倒産図鑑」(荒木博行氏著)
極めてわかりやすい短期的な数字の引力に考えを奪われ、「短絡的」な意思決定をしてしまっていることはないでしょうか?
日頃からの「戦略的」に考え行動する心がけ。
極めて精神論&根性論ですが、やはり日々の積み重ねが重要な場面に活きてくるということです。
私自身も、これから日々「戦略的」な思考と行動を刷り込んでいきたいと思います。
ということで、ラオパン、戦う「土俵」への理解が甘く保有能力(Capability)不足で倒産した事例を紹介しました。
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