首都警備を担当した警官による今回の議事堂乱入事件について、あのような状況に置かれた警官の苦悩について語る、ワシントンポスト紙に掲載された素晴らしい意見記事。あんな状況は想定していないと指摘。
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返信先: さん
もしあなたの警備計画が一人一人の警官たちの英雄的な行為に依存したものであるならば、それは警備計画を書かなかったのと同じだ。
それは単に、部下たちに遺書を書かせたのと同じことだ。
(上の意見記事を書いた元首都警察官)
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「撃て/撃つな」・・連邦議事堂内の暴力シーンを見ながら、私はその不可能な選択肢を呟き続けている。私はこの質問が1月6日に暴徒に囲まれているのを見た首都警察の警官たちの頭の中を駆け巡っていたのを知っている。彼らの何人かは一生その質問を自問することになるだろう。(同上)
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彼らは決してあのような状況に置かれるべきではなかった。すでに起こるとわかっていた抗議や暴動(人々は銃を持って議事堂を襲撃することを公然と話していた)に向けて十分な準備をできなかったことで、本来は警官で「壁」をつくるはずだったが、少数の個人で対応せざるをえなくなった。(同上)
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私は警察官だ。訓練では様々なシナリオに対応することを教わる。男が突然携帯電話に手を伸ばしても撃たないとか、女が自動小銃を振り回しても撃たないとか、シナリオはいくらでもある。(同上)
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ところが何百人もの怒ったほぼ丸腰の人たちが押し寄せてきて、しかもあなたを押しのけていくようなシナリオは想定していない。「撃て/撃つな」が頭の中を巡る。(同上)
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首都での暴動の場合、撃つか撃たないかの決断がどれほど苦しいものかを理解するためには、致死力を伴う警察の方針について知っておくことが重要だ。各部署は独自の武力行使の方針を持っているが、それらはすべて「差し迫った致命的な脅威」というアイディアによって構成されている。(同上)
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警官は、自分自身や他人の死や重傷を防ぐために、致死的な強制力の行使を許可されている、というか、そうすることを強要されている。(同上)
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連邦法執行訓練センターを含む全ての警察学校の過程では、首都警察の新兵は2ヶ月間を過ごした後、2ヶ月間の組織別訓練のために戻ってくるが、武力行使の決定に重点が置かれている。(同上)
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この訓練では「ジャッジメンタル」と呼ばれるシナリオがあり、発光銃で武装した新兵は、様々なシナリオが映し出されるスクリーンの前に立たされる。シナリオの課題は同じである。目の前の脅威を適切に認識し、適切であれば撃つというものだ。(同上)
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私は首都警察の警官たちがシナリオと訓練と方針と義務感と自衛のために走りまわっているのを見た。しかし今回目撃したのは、ジャッジメンタルの訓練では一度も想定されなかったような状況だ。たしかに脅威は明白だったが、それは「差し迫っていた」ものだっただろうか?(同上)
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対象は誰だ?「一線」はどこで引けばいいのか?首都警察は抗議行動や複合施設の周囲での暴動の対処については十分に訓練されているが、それが小集団の場合や警官が孤立している場合は対処できない。(同上)
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私は2001年から2002年まで連邦議事堂担当の警察官をしていたが、今でもその訓練の質の高さを覚えている。(同上)
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だが銃を持った男たちが議事堂を襲撃しようとした場合の対処法については訓練されていたが、大統領に扇動された何百人もの人々が(何人かは小銃を持っていた)議事堂に急行し、選挙管理委員会の票の認定を妨害しようとした場合の対処法については訓練されていなかった。(同上)
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しかもやってきたのは莫大な数だ。また「撃て/撃つな」が頭を巡る。
「自分だったらどこかの時点で撃っていたはずだ」と言うのは簡単だ。しかし現実には、その場の警察官全員は本能的に「撃つな」となるのであり、それにはいくつかの理由がある。(同上)
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警察の上層部がこのイベントに対する準備をしていなかったため、孤立化したり小集団で取り残された警官たちは、各自で最も恐ろしい質問を自分にしなければならなくなったのだ。それは「この背後で何が起こっているのだろうか?」というものだ。(同上)
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自分の持っているグロック22の弾薬で、目の前にいる1000人のうち16人をいつ射殺すればいいのだろうか?(リロードする時間はない)引き返せない点はどこだ?自分は臆病者ではないとわかっているが、それでも怪物(モンスター)になれるだろうか?(同上)
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そしてこの質問だ。「もしこの場を生き残れたとしても、この思いと共に生きていけるだろうか?」(同上)
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暴動中の行動についての調査によれば、このような恐怖が加わることによって、警官の中にはさらに過剰な行動をして停職処分を受けているとの報告がある。(同上)
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確信を持って言えるが、暴動中の首都警察の何人かによる犯罪行為や不適切な行為は、他の部門の警察にも知られることになるだろう。実際のところ。私たちの社会の多くの部分、しかも警察官の中にも、暴力的な過激派や人種差別的な癌は存在するからだ。(同上)
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ごく少数ではあるが、たしかに連邦議事堂に突入してきたデモ隊と一緒に「自撮り」をした警察官もいた。そしてその合間にも、彼らの同僚の多くは十分な援護なしに暴徒と向かい合いながら孤立した状態で「撃て/撃つな」と自問自答していた。このような事態全体を理解するのは困難であろう。(同上)
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私は今回起こったことにとても腹が立っている。そして、警官たちが永遠に自問自答する。なぜ警官を応援するシンボル(薄い青い線)の旗を振っている人々が警官を死傷させるようなことをしたのだろうか?なぜ十分な準備ができていなかったのだろうか?(同上)
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なぜ大統領や、選挙で選ばれた議員たちや、いつも怒っている言論人たちは、国民に向かって「戦え!」「国を取り戻せ」「盗みを止めろ」と促したのだろうか?そしてなぜ多くの人々が、実際にそのようなことが実行されたことに驚いたのだろうか?(同上)
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私はこれらの疑問への答えを持っているわけではない。だが、二度とこのようなことが起きてはならないということだけは知っている。あってはならないことが起こってしまったのだ。重層防御や縦深性によるセキュリティー計画の目的は、そもそも今回のような事態を防ぐ点にある。(同上)
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もしあなたの警備計画が一人一人の警官たちの英雄的な行為に依存したものであるならば、それは警備計画を書かなかったのと同じだ。それは単に、部下たちに遺書を書かせるだけの行為なのだ。(同上)
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もし警戒線上で待機している警官が、脅威が差し迫っていることを正しく認識したのに望ましくないやり方でデモ隊に発砲していたら?何人死んでいただろうか?そうすることによって何か事態を変えることができたのだろうか?(同上)
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我々は「撃て/撃つな」というひどい選択肢を、それを永久に思い悩むことになる警察官たち個人の判断に過度に依存しているのだ。(了)
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私の想定超えています
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