介護老人保健施設「白藤苑」の松下和徳施設長は熊日の取材に対し、「一度に多数の発熱者が出て、あっという間に広がった。感染拡大を止められず反省している」と話した。(福井一基)
-大規模なクラスターとなり、10人が亡くなりました。
「亡くなった方に心からお悔やみ申し上げる。また、利用者に不便を掛けて申し訳なく思っている」
「昨年12月22日の時点で入所者に発熱はなかった。最初はなぜ(施設の)3階で発熱者がたくさん出るのか理解できなかった。クラスターというと、最初の感染確認から対応の遅れなどで徐々に感染者が出るイメージがあったが、完全に違った。あっという間に広がり、いきなりクラスターになった」
-なぜ、感染が防げなかったのでしょう。
「職員も毎朝検温していたが、最初に陽性が判明した11人のうち検査時に発熱していた3人もその日の朝は熱がなかった。無症状のまま広がった可能性がある」
「入所者は家族との面会をリモートに切り替えるなどしていたが、透析室で外来患者と接点があった。完全にクローズにはできなかった。透析室は現在、ベッドの間隔を空け、ビニールカーテンを設けた。職員も防護服を着用している」
-熊本市保健所から「休憩室の換気が不十分だった」などと指摘されました。
「休憩室はもともと仮眠室・シャワー室として作ったスペースで狭く、そこで食事を取る職員もいた。食堂でも各階のスタッフが集まるため、密になっていた面がある。以前から感染防止を指導していたが、どこかで気の緩みがあったと思う。感染対策を見直し、安心して過ごしてもらえる施設運営に努めたい」