韓国の三権分立はたわごと

 日本軍慰安婦問題で“最終的かつ不可逆的な解決”で合意した2015年の「韓日慰安婦問題合意」に対して、韓国裁判所は、訴訟を提起した12人の原告らが合意の適用対象に含まれないとした。12人の原告のうち6人は、2015年の日韓合意に基づいて日本政府が出資し、設立された「和解・癒し財団」から1億ウォンずつをすでに受領しているという。 12人の原告のうち、一部が和解癒し財団から慰労金を受領したことは明らかな事実だろう。このような状況で、これらの原告らが2015年の合意内容の適用対象に含まれないなど、一体何を言っているのか分からない。

 このようなでたらめな主張をする表面的な論理が何なのか、これまでの韓国の裁判所の行動を見れば推測できる。

 2011年に出た韓国憲法裁判所の慰安婦問題関連の判断と、2018年における最高裁判所の戦時労働者(徴用工)に対する判決がそれである。これらを統合すると「強制・強要された慰安婦動員と性奴隷生活は不法だが、2015年合意では、その不法性が明示されず、不法行為の損害賠償も行われなかった。したがって、原告らは損害賠償金を請求することができる」という論理だろう。

 ここで我々は、2015年の日韓合意のような外交的約束の効力は、その約束をした政府だけでなく、立法府と司法府にも及ぶという点を想起しなければならない。そうでなければ、どの政府が他国政府と外交協約など約束するのか。 韓国政府は「三権分立」を云々するが、それがたわごとである理由も同じだ。日本政府が再び韓国政府と外交的合意をしないと言ってもおかしくない状況に陥ってしまった。