米コロナ死者、1日で4000人超 変異種確認は8州に拡大
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【ニューヨーク=宮本岳則】米国で新型コロナウイルスの猛威が止まらない。7日に全米の1日あたり死者数が4000人を初めて超えた。21秒ごとに1人がコロナで命を落としている計算だ。感染力の強いウイルス変異種の確認も相次いでおり、保健当局は警戒を強めている。
コロナの感染拡大状況を集計する「COVIDトラッキング・プロジェクト」によると、7日の1日あたり死者数は4033人となった。8日の死者数は3700人超とわずかに減ったものの、高水準を保った。
8日時点の7日移動平均の1日あたり死者数も初めて2900人を超えた。8日の新規感染者数は31万人強となり、過去最多となった。感染拡大の勢いは増している。
米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は米メディアのインタビューで足元の感染拡大について「休暇時期の旅行や集会によるもの」と述べ、月内に状況はさらに悪化するとの見方を示した。米ワシントン大の予測では、今後1カ月間で新たに10万人を超える死者が見込まれている。
感染力が通常のウイルスよりも強い変異種の確認も相次いでいる。南部テキサス州の保健当局は7日の声明で、成人男性1人が英国で初めて発見された変異種に感染したと明らかにした。海外渡航歴はないという。東部コネティカット州も同日、変異種への感染者2人が確認され、うち1人は北欧アイルランドからの帰国者だったと公表した。同日までに変異種への感染者が見つかったのは、全米で少なくとも8州にのぼっている。
予防ワクチン接種などによる集団免疫獲得以外に感染拡大を収束させる方策は見当たらない。米疾病対策センター(CDC)の研究チームは7日、新型コロナ感染者の半数以上は、無症状の感染者からうつったとするリポートを公表した。一定のモデルによる推計で、感染者の実例を基にした研究ではないが、ウイルス拡散を防ぐことの難しさを改めて示している。