PCR検査をなぜどんどんやらないのか
日本のPCR検査件数が少ないことに疑問を持っておられる方が多いと思います。
しかし4月2日、日本感染症学会と日本感染環境学会は「軽症の患者に対してはPCR検査を勧めない」という指針を明らかにしました。検査を拒否され、たらい回しにされた人には納得できないかもしれませんが、これは「重症の人から優先して検査せざるを得ない」と読み替えるべきでしょう。
背景にあるのは、まず陽性者の入院・隔離施設の圧倒的な不足、PCR検査可能許容数の不足、偽陰性の率の高さ(30%ほどとも聞きます)などです。
一方「コロナに感染しても大方(80%)は自然治癒する」という事実も忘れてはいけません。「コロナでない」安心を求めて検査に殺到することで、重症者の発見・治療を阻害することがないよう配慮も必要です。
(広島県医師会・小園 亮次) 2020年05月09日(土)