社内さまざまな部署の社員が集結して新たなサービスを検討

プレミアムカーはどのような検討を経て実現したのでしょうか?

人口減少や高齢化などの影響により鉄道のお客さまは1990年代初めから減少傾向が続いてきましたこのような厳しい経営環境のなか鉄道事業の活性化を目的に2013年に発足されたのが鉄道活性化委員会です
この委員会は鉄道の活性化につながるあらゆる企画を検討するもので200以上のアイデアが出されましたメンバーは役職や所属に関係なく幅広く鉄道に直接関わりのない部門からも集まりこれまでにない新たな切り口で種々の検討が行われました
そのなかから企画として採用され具体的な検討を進めるためのプロジェクトチームが発足して実現に至ったのがプレミアムカーです

今回のプレミアムカーというアイデアはどのようにしてうまれたのでしょう?

有料座席指定車というアイデア自体は新しいものではありません多くの鉄道会社が以前から観光向けの有料特急や通勤ライナーなどを運転していますし当社でも過去に検討されたことはありました
これまで実現に至らなかったのには様々な理由があると思うのですがニーズは絶対にあるきちんとしたビジネスモデルを構築できればお客さまに喜んでいただけるという直感があり鉄道活性化委員会でアイデアを発表したところ具体的な検討を進めていくことになり引き続きプロジェクトチームにも参加することになりました

プレミアムカーのアイデアを発表するまでにどのような検討をされたのですか?

私は入社以来鉄道部門の業務に直接携わった経験はほとんどなかったのですが今回鉄道経営の常識にとらわれず自由に考えてみたとき最初にやったのが京橋駅のホームに立って電車を乗り降りされるお客さまをひたすら眺めることでした
京橋駅は京阪で最も乗降客の多い駅ですたとえば出町柳方面に向かわれるグループのお客さまがいらっしゃるとします手前の天満橋駅や淀屋橋駅で乗車された他のお客さまが席にいらっしゃるため京橋駅からグループでご乗車されるお客さまには分かれてお座りいただくことも多くなってしまいますホームで電車を待ちながらガイドブックを開き京都に着いたらあのお店に行きたいねと相談していたお友達やご家族が電車が到着し並んで座ることができないのを見てあぁとちょっと落胆した表情になられる
そういう時お客さまにとって乗車している時間が早く着いてくれないかなと思って耐える時間になってしまっているのではないかと思ったのです

 
そういう耐える時間を変えたいと考えられたわけですね

個人的な話になりますが以前東京に頻繁に出張していた時期がありました毎回新幹線を利用したのですが何度かポケットマネーでグリーン車にアップグレードしたことがありましたその時東京までの3時間がグリーン車になると非常に快適でこんなにも違うのかと感じましたグリーン車では資料を広げてコーヒー片手にじっくり仕事の準備をしてさあやってやろうかという感じで東京に乗り込めるんです新幹線と違って乗車時間は長くないかもしれませんが京阪電車という普段の日常の中でもこうした上質な時間をお客さまにご提供したいと思っていました
今の時代は価値のあるものにはしっかりお金を払いそうでもないものは安く済ませるという消費動向が顕著ですまたご高齢の方も増え着席して乗車したいというニーズも高くなっていますたとえ有料であっても確実に座れてより快適な車内でゆったりと過ごせるサービスをお求めの方は必ずいらっしゃると考えたのです

 
プレミアムカーの企画は当初から現在のようなものだったのですか?

私が検討に加わったのは2014年にプロジェクトチームが発足したときのことでした当時私は列車運行計画業務などに携わっていましたがプレミアムカーの実現に向けてさらに踏み込んだ検討に入るというタイミングで参画することになったのです
実はその頃に進められていた企画の方向性は正直言ってお客さまにとって本当に魅力のあるものになっているとは感じられませんでしたそもそもお客さまは普段ではできない乗車体験に対して特別な対価を払われるのであって当時の企画内容には本当にそう言えるか?という疑問を感じたのですそこでもう一度プレミアムカーによってお客さまに何を提供するのかという原点に立ち戻りメンバーと一緒に根本的に事業プランを見直すことを提案しました
そうしてまとめあげた企画を経営層へプレゼンした際に強調したことはお客さまが特別料金をお支払いされるのは“普段の日常とは違う上質な時間”に対してであるこの企画によって京阪特急のイメージをより一層高めるものにしたいという点ですもちろん会社としても相応の投資が必要となりますがお客さまには必ず喜んでいただけるものになると説明しました

具体的な企画にまとまるまでにはいろいろなご苦労があったのでは?

プロジェクトチームのメンバーで有料特急やライナー列車など全国の列車に乗って徹底的に調べて回りました
乗車の際には日付・時間気温天気停車駅とその間の距離各駅でどのような方が何名乗降するかなどを細かく記録しましたさらに有料車両を利用せず一般車両で立っている方の数を数えどの駅でどのような状況下でそういった方が発生するかを何度も出向いて調べました車内をうろうろ見て回りときには車掌の方にいつもこんなに混んでいるんですか?などと質問することもありましたどのような方が有料座席指定列車を利用し車内でどのような行動をとったかも注目した項目の1つです

それでは京阪のプレミアムカーではどのような方が
どのように利用されると想定されていますか?

どのような方がプレミアムカーを利用されるのかという話はこれまでもずいぶんしてきましたが私たちはプレミアムカーで体験できる上質な時間に価値を見出してくださるすべてのお客さまだと考えています
プレミアムカーではお一人でご乗車されるお客さまにはお一人のお二人にはお二人のご家族にはご家族のそれぞれにとって快適な時間すなわち私の○○時間を楽しんでいただきたいと思っていますある方にとっては私の快眠時間かもしれませんまたある方にとっては私の仕事時間かもしれません心安らぐ読書時間集中できる勉強時間パートナーやお仲間との語らいの時間など○○時間の○○にお客さま一人一人によって異なる言葉を書き込んでいただけるなら企画に携わった者としてこんなに幸せなことはありません

 
  • プレミアムカーを鉄道復権の切り札に、京阪DNA「進取」で鉄道事業を未来へ
  • 徹底的にこだわった空間デザイン・付帯装備で車両に新たな価値を
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プレミアムカークラブ専用ダイヤル
06-6945-0897 平日9:00~18:00(但し12月30日から1月3日まで休業)
京阪電車お客さまセンター
06-6945-4560 平日9:00~19:00 / 土休日9:00~17:00 年中無休(12月30日から1月3日を除く)

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