携帯電話大手「ソフトバンク」の次世代高速通信「５Ｇ」に関連する営業機密を不正に持ち出したとして、警視庁はソフトバンクから転職した「楽天モバイル」の社員の４５歳の男を逮捕しました。

　不正競争防止法違反の疑いで逮捕されたのは、「楽天モバイル」社員で技術職の合場邦章容疑者（４５）です。

　合場容疑者はソフトバンクに勤務していたおととし１２月３１日、自宅から自分のパソコンを使ってソフトバンクの管理するサーバーに接続し、ソフトバンクの営業機密にあたる「５Ｇ」に関連する技術情報ファイルをメールに添付して自分自身に送信し、営業機密を不正に持ち出した疑いがもたれています。合場容疑者は、この直後、「楽天モバイル」に転職していました。

　「５Ｇ」をめぐっては、携帯電話大手３社が去年３月にサービスを開始。楽天モバイルは半年後に格安の料金プランを掲げて参入するなど業界内で競争が過熱していました。

　警視庁によりますと、おととし１２月頃に持ち出されたファイルが他にも複数あるとみられるということで、男が不正に持ち出した資料をどのように使ったか捜査を進める方針です。楽天モバイルは「事実関係を調査中」とコメントしています。