それでも「臭いものにふたをすれば民主主義の危機だ」と叫びたい

トランプは米議会襲撃事件の後でも
大原 浩 プロフィール

フランス革命前夜に似ている……

フランス革命は1789年のバスティーユ襲撃に始まる。1776年の米国独立宣言も彼らに勇気を与えたはずだ。

そして、この革命は、三部会での対立がきっかけとなったと言われる。

三部会とは現在の先進国の議会とは違って、議員ごとに1票の権利を持つのではなく「身分ごとに1票」を持つ仕組みであった。三部会という名前のとおり、第1身分=聖職者、第2身分=貴族、第3身分=その他(ブルジョアジーを含む庶民)によって構成される。

つまり、特権階級である第1身分と第2身分が結束すれば2票を獲得できるので、どんなに頑張っても1票しか獲得できない人口のほとんどを占める第3身分は、手も足も出ないということである。

最初、第3身分の庶民たちは「議会」が開かれるから自分たちの意見が反映されると大喜びしたのだが、この仕組みを理解した後激怒してフランス革命が起こったと言われる。

現代の米国議会はまさに、革命前夜のフランスだと言えよう。現代の第1身分・第2身分である金権政治家、ウォールストリートの金持ち、金満IT企業経営者などに牛耳られ、第3身分である大衆の投じた貴重な票が公正に扱われることがないがしろにされている。

 

「公正な選挙」が民主主義の根幹だ

これまでの状況を見る限り、第1身分・第2身分の権力者たちにとって「公正な選挙」などどうでもよく、自らの利権の確保が最優先事項のように思える。

そもそも、フランス革命に先立つ米国独立は宗主国英国の横暴に立ち上がるために行われたから、独立軍総司令官ジョージ・ワシントンは英国から「反逆者」として扱われた。

また、強大な英国軍との戦闘において3勝6敗と苦戦したとされることは、昨年12月28日の記事「晩年に成功する人生の必勝法『負け続けても最後に勝てればいい』」で述べたとおりだ。