(新)何で一級建築士?

三級建築士の憂鬱

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構造の8

2007-05-20 21:16:29 | 1級建築士学科試験(構造)

【2次設計】

  《層間変形角》

   架構の変形により、内外装材の脱落や、設備機器等の
   破損を防ぐために変形量の制限を設けるというもの。

   1次設計用地震力許容応力度計算)により、層間変形量
   を算出し、各階に生ずる水平方向の水平変位(δ)を当該
   各階高(h)で割って決定します。

   その際、参考にする基準式がδ=θ×L
   これはとても重要な式ですね~。(この場合、Lはhで)

   層間変形角(θ)は、それを変形し、θ=δ/h で表します。

   更に詳細に・・Q/D×(h/12EKo)になります。
   これは、D値法の”D”を表す式を変形しますが、
   D=Q/δ÷(12EKo/h2)を
   D=Q/δ×(h2/12EKo)にして更に
   δ=Q/D×(h2/12EKo)になって、それを
   θ=δ/hと入れ替えて、
   θ=Q/D×(h2/12EKo)/h・・
   で結局、θ=Q/D×(h/12EKo)になります。

   ここで何が重要か・・というと、(階の地震層せん断力)
   や、(階の高さ)が大きくなるほど、θは大きくなり、
   (階のせん断力分布係数のX、又はY方向の和)や
   EKo(ヤング係数×標準剛度)が大きくなるほどθが
   少なく
なる・・それだけです。。

   層間変形角(θ)は、1/200以下・・だから、それより厳し
   けりゃOKと言う訳です。(1/200より1/300がいい!)

   建物の剛性や階高等が一律であれば、上階に行くほど 
   層間変形角(θ)は大きくなる傾向にあるのだと思いますが
   ただ、低層階に剛性の小さい階があったり、階高が高い
   階等があれば、上階よりもθは大きくなるのだと思います

   《剛性率》

  まず、「剛性」とは構造体の変形に対する抵抗の度合いの事。
  その階の層間変形角の逆数(1/θ)を
  全ての階の層間変形角の逆数(1/θ)の平均で割ったもの。

  剛性率が1.0以上である・・・剛性率が平均よりも大きいので
     その階の剛性率は高い。

  剛性率が1.0以下である・・・剛性率が平均よりも小さいので
  その階の剛性率は低い。

  要するに、剛性率は高さ方向の強さのバランスであり、その割合
  が6割(0.6)よりも小さくなると、建築物は崩壊する可能性が
  高くなるのだそうです。

  例えばRC構造の場合で純ラーメン構造と壁式構造とを比較
  して、ピロティー等のラーメン構造のほうが壁式より剛性は
  低くなるので、上下で違った構造を重ねた場合には水平力に
  より剛性の低いピロティーが先に崩壊しやすくなります。

  よってピロティー階では、柱の水平分担率を適正に見込んで
  設計する必要があるようです。 

  《偏心率》 

  剛性率が建物の高さ方向のバランスであれば、偏心率は
  建物の平面的なバランスを検討する訳です。
  まず偏心率とは、

  Re=e/γe

  で表し、eは重心(重さの中心)と剛心(剛さの中心)との
  相互の距離のこと。

  γeは弾力半径のことで、ねじり剛性を水平剛性で割って
  ルートを被せた計算式ですが、ここで重要なのは
  「ねじれ剛性」が大きくなるほど弾力半径の数値は大きくなり、
  結果として偏心率の数値を減少させる事ができると言う事です。

  弾力半径を大きくする為には、ねじれ剛性を大きくし、それを
  大きくするには剛心周りのねじれモーメントを大きくする必要
  がありますが、これを大きくするためには剛心からなるべく
  遠い位置に耐力壁を設ける事で、ねじれ抵抗モーメントを
  稼ごう・・といった所でしょうか?

  木造のバランス計算で、建物の1/4の位置の耐力壁のみ
  カウントするのは、この「ねじれ剛性」の話が影響している
  ようです。(でも軸組みバランスは偏心率じゃありませんから・・)

  地震等の水平力が建物にかかると、その地震力(水平力)
  は建物の重心に係り、剛心を中心に建物に回転が発生します。
  これが過大となると建物が損傷崩壊に至るという事で、
  偏心率を0.15以下に抑えることで建物のねじれに対する
  抵抗性を確認しようとするのが、どうやら偏心率の本意
  らしいですね。

  大事なところは・・
  そして重心と剛心をなるべく近接させ、外周部に耐力壁を多く
  設ける事・・。
  結果として偏心率は0.15以下。  
  だからその数値が少ないほど良い傾向にある・・という所
  でしょうか・・。

  《保有水平耐力計算》

  まず、保有水平耐力と必要保有水平耐力があると言う事。

  保有水平耐力(Quとは、建築物の持っている崩壊寸前の
  最後の力・・とでもいいましょうか、塑性ヒンジの形成により
  建物が倒れる寸前の水平力に対する力・・ですかね。
  材料強度によって計算します。

  次に必要保有水平耐力(Qunとは、最小限必要な保有水平
  耐力のこと。
  (Qun)=Ds×Fes×Qud
   
上記で計算します。

  Dsとは構造特性係数の事で、振動減衰性及び各階の靭性
  
に応じてun低減する係数であります。
  低減を行う階の架構の形状と性状と構造種別によって数値が
  規定されています。(表になってます)
  (告示1792号(昭和55年)に載ってますので、そちらでどうぞ。)
  ちなみに架構の形状とは、水平力を剛節架構もしくは筋違い
  等で処理するか否かの判断。
  架構の性状とは、架構の耐力がどのような破壊に耐えられるか
  どうかの判断・・多分。。
  で、要は靭性や減衰性が大きい程Dsの数値が小さく出来、
  unを小さくする事ができます。

  Dsの判定要素でもある「靭性」と「減衰性」についてですが、
  どちらとも優れている構造としては、純ラーメンの  RC構造
  が上げられます。

     地震力(水平力)を柱と耐力壁(筋違い)にどれだけ分担させるか
  によってDsの数値が違ってきます。
  例えばいわゆる壁式RC構造のように主要な水平力を耐力壁
  のみで負担する構造
のような場合、大きな水平力を負担する
  ことが出来ますが、逆に一度ひび割れが発生すると弾性域から
  いきなり崩壊する「脆性破壊」が生じます。
  それゆえ、強度に頼る構造とするので、Dsの数値は高くなり、
  結果的に必要保有水平耐力は大きくなってしまいます。

  次に純ラーメンのRC造のように、柱梁で水平力を負担する
  構造
は、もともとの負担できる水平力は小さいが、塑性化後の
  大きな変形により水平力を吸収できるので、靭性と減衰性を
  兼ね備えた構造となるので、Dsの数値は小さく設定でき、
  必要保有水平耐力を小さくする事ができるのです。

  Ds数値の例として(告示1792号参照)、表が1から3まであり
  表1は木造、表2はS造、表3はその他(RC造はこれ!)になり、
  RCを例とすると純ラーメン構造として0.3とする事が出来ます。
  ちなみにこれは最小値。(SRCは0.25にできます)

  変形係数(Fes)は、建物の剛性率と偏心率に応じて必要保有
  水平耐力を割り増しさせる係数であり、平面的及び立面的に
  バランスの悪いもの程、数値を割り増しさせるものです。

  変形係数(Fes)=Fe×Fsで計算し、
  Feは偏心率により割り増しする係数で1.0~1.5の間の数値。
  Fsは剛性率により割り増しする係数で2.0-(Rs/0.6)で
  1.0~2.0の間の数値。(Rsとは各階の剛性率)

  例えば、偏心率(0.15以下と仮定)により告示の表から
  Fe=1.0を選択し、Rs(剛性率)が0.6以上であれば
  Fsは1.0で、Rsがゼロならば2.0になります。
  Fe(1.0)×Fs(1.0)=1.0
  ゆえにFesは1.0となります。
  (でもこれじゃ、割り増しは無い事になりますね~笑)

  必要保有水平耐力については、建物が安全ならQun
  少なくても良いという事になりますね。


  以前にも触れましたが、許容応力度計算は弾性設計、
  保有水平耐力計算は弾塑性設計なのです。

  2次設計の流れは大まかに
3種類

  許容応力度計算終了後(OK前提)に層間変形角の検討をし、
  その後剛性率と偏心率の検討をしてOKになる
ルート2形式

  もう一つはやはり許容応力度計算終了後に層間変形角の
  検討を経て、剛性率、偏心率でNGが出た場合、保有水平
  耐力計算に移行しOKになる
ルート3形式

  そして、同様に層間変形角まで終了後、保有水平耐力計算を
  行う
ルート3形式

  ルート2の要求があり、建物の高さが31mを超えると最初から
  保有水平耐力計算(ルート3)でないといけませんが、逆に高さ
  31m以下で最初からルート3を選択する事は出来ます。
  (但し、構造計算手数料が割高になると思いますが・・)

  多分ご存知とは思いますが、2次設計とルート2とはイコールじゃ
  ありませんよ。
  ルート3はありますが3次設計ってのは存在しませんからね~。。

  以上、2次設計でした~。。


   ・・・分かりずらい・・ですか??

ちょいとお待ち下さいな~、ターさん。。(??

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構造の7

2007-04-13 00:55:46 | 1級建築士学科試験(構造)

■耐震設計の目的

耐震設計の考え方として、まず中地震に対しての1次設計

大地震に対しての2次設計とがあります。

具体的に、1次設計は許容応力度計算により、建物の機能

保持の為に、使用上の支障が無いかを検討する事。

弾性範囲内の構造計算になります。

2次設計は許容応力度計算プラス、偏心率、剛性率の検討、

層間変形角により変形量のチェックを行います。

それに漏れた場合は、保有水平耐力計算により終局耐力の

計算を行い、再検討します。

(保有水平耐力計算は2次設計ですよ~)

そして、人命の保護を最優先とし、建物が倒壊するまでに

人間が避難できるよう、建物に有る程度の余裕を持たせる

そんな設計法です。

保有水平耐力計算は、弾塑性範囲内の構造計算です。

(2次設計には、31m以下のルート2と、31m超60m以下

のルート3があり、ルート3は無条件で保有水平耐力計算が

必要になります)

他、限界耐力計算や超高層建築物の検証法(大臣定める計算)等

がありますが、この際は構造関係規定のみを適合させればよくて、

その他の仕様規定は適用緩和されます。(法令集参照!)


免震建築物の構造計算について。

特別な存在で、地震力に対して構造を3分割して検討します。

上部構造(地上階であれば、1Fスラブ以上の部分)については、

許容応力度計算(短期のみ)により安全性が確認できれば良いと

されます。通常の許容応力度計算では長期と短期の検討を

要しますので、その辺は免震層使用ということで。。層間変形角は

通常の1/200と比較しても厳しい1/300以下となっています。

免震層の構造計算は、まず偏心率が0.03以下である事を

確かめます。(通常の偏心率は0.15以下)

免震層の応答変位については、設計限界変位を超えず、周囲の

クリアランスは免震層の応答変位に1.25倍かつ変位+20㎝以下

通路を設ける場合はそれに60㎝を追加します。

免震層のせん断力分担率は0.03以下で、殆どせん断力を受け

ないものでなくてはならないようですね。

地盤から伝わった地震力を免震層でその伝達を無くす・・・、

そんな感じでしょうか。

免震層の設計用一次固有周期2.5秒以上とされ

(小規模建築物は2秒も有り)、長周期であれば有るほど良いと

さていますが、技術面や応答変位の関係で、最新の免震構造で

『やっと4秒!』と見た事がありますよ。(見ただけなので詳細は・・)

下部構造(マッドスラブ等、基礎部分の事でしょうね)は上部構造と

同じで、許容応力度計算(短期のみ)により安全性が確認できれば

良いとされます。

免震構造は、今後出題が増える可能性がある・・と三級は睨んで

おりますが・・。(そうですね~う~ん、どうでしょう~・・by背番号3)


ルートを適用する際の注意点として、X、Y方向は別ルートで計算

しても良いですが、階ごとは別ルートの計算は「不可」ですから~!


参考までに、マグニチュードと震度階について、少々能書きを。

マグニチュードは地震の規模を示すエネルギー量の事です。

エネルギー比として、マグニチュードが1大きくなると30倍大きくなる

のだそうです。

・・と言う事は、M4.0とM5.0、M6.0を比較して~

M5.0はM4.0の30倍、M6.0はM4.0の900倍!!

M7.0は・・・。(怖・・

(自己解釈なので・・多分・・ですよ。)

震度階については、有感地震の揺れ方程度の尺度として採用され、

震度0から震度7までの10階級あります。(5と6には強弱有り)

(マグニチュードとは直接の関係はありませんよ~)

また、地震の強さとマグニチュードは直接の関係はありません。

地震の強さとは、実際に建物に入力される地震エネルギーの事で

同じ規模や震源の深さだったとも、地盤の状況や地震の加速度

によって変化します。


長くなったので、退却~。では~~!

コメント (7)

構造の6

2007-04-09 23:14:18 | 1級建築士学科試験(構造)

固有周期

f=1/T  T:周期(秒)

f=振動数(Hz)。振動数は周期の逆数です。

ちなみに周波数fはf=C/λ

C:音速(m/s) λ:波長(m) 参考までに。

自由振動の片側の周期を表すと、水平変位は

δ=Wh3/3E I。これは片持梁のタワミの式です。

質量がmでバネ定数がkとして、固有周期の式として

T=2Π√m/K≒0.2√δ(秒)だそうです。

T:固有周期

m:質量 m=W/g(重力加速度)

k:バネ定数 水平剛性でk=3E I/l3

上記の式より、mが大きくなるほどkが小さくなる程

固有周期は長くなります。

簡単にいえば、重い錘と軽い錘のをそれぞれ付けた

同じ剛性の棒があったとして、重いほうがタワミが大きい

ので、周期(行って帰ってくる行程)が長くなり、

逆に、軽いとタワミが少なく、周期は短くなる・・そんなトコ

でしょうか?(判りづらい??)

ところで、質点系の錘は建物の床に相当します。

棒は柱やスジカイ等といったトコでしょうか・・。(余談です)

固有周期の式として、タワミを絡ませた形として、

T=2Π√ml3・3E Iというのがありますが、等質等断面で

共通項を取っ払い、T∝√ml3として、固有周期の大小の

比較が可能になります。これは憶えたほうがよいかと・・。

質点系の振動モードによる構造計算は、その建物の質点系

の固有周期の中で一番長いもの設計用一次固有周期)を

採用します。(超高層の構造計算を除くらしいですが・・)

前述なのですが、T=h(0.02+0.01α)

この設計用一次固有周期の式は鉄板です~!!

参考までに、一次に比較して、二次固有周期は1/3の長さ

になるそうです。


減衰定数とは・・何だか難しそうな言葉ですよね・・・。

簡単に言えば、計画で音の減衰や光などの『逆二乗則』を

やりましたよね。

あれをイメージして、それが建物の振動に変わって・・・

車のサスペンションのダンパーとでも言えば良いのでしょうか?

ダンパーはサスペンションの跳ねを止める役割をしますからね。

その減衰の度合いを数値化したものが、減衰定数だそうです。

減衰定数は、その数値が大きいほどダンパー?の性能が良く、

よく振動エネルギーを吸収、拡散します。

ちなみに、設計用減衰定数ζ(ジータ)として、

  RC造が  ζ=0.02~0.04

  鉄骨造が ζ=0.01~0.03

数値の根拠は分かりませんが、RCのほうが鉄骨に比べ減衰定数

が大きいようですね。

参考までに、建物の耐震上、靭性と減衰性は大きい程良いと

言う事でしょう。

(塑性変形と減衰性、靭性の関係は、後ほど・・。。)


地震応答スペクトル(レスポンス・スペクトル)

ここの所は、変位の種類と特徴だけ分かれば大丈夫でしょうね。

質点の変位を『変位応答スペクトル』

速度を『速度応答スペクトル』

加速度を『加速度応答スペクトル』

と言い、各周期に対する最大応答値の図を見て頂き、

縦軸に最大応答値、横軸に周期(T)があり、

各曲線の特徴として、周期が長くなるほどに

変位は下向き、速度は変わらず、加速度は上向き・・

となります。

(ちなみに、減衰の大きいものほど、応答値は小さくなります)

それから、固有周期を使った、応答せん断力の計算も是非

練習しましょう~。。


では、また来週~???・・・そうなの?

コメント (4)

構造の5

2007-04-03 22:43:30 | 1級建築士学科試験(構造)

桜の花も咲きました。さあ、今度は皆さんが花咲く番ですよ~。

(何言ってんだか・・・すみません・・)(○ ̄ ~  ̄○;)

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地震力。

まずは、重要なトコから。

Qi=Ci×Wi

地震力とは、地震層せん断力のことです。

建築物に地震が入力された際に、地上にあるものは

例外なく地震の影響を受けます。

いくら強硬で、核シェルターのような建物でも揺れます。

問題は、その建築物が地震によって倒壊されるかどうか

または、損傷するかどうかでしょうか。(当たり前?)

地震層せん断力は、重量が重いほど大きなものになります。

(Wiは検討階部分を含むそれより上部の全重量)

だから、建物の軽量化は、耐震性を向上させる効果が

あります。

ちなみに、1、2階をRCに、3階をS造とした場合、

地震層せん断力は3Fに最も多くかかります。

何故?

答えは3FのS造部分がもっとも大きく揺れるから・・

だそうです。

2階までのRC造は構造上一体なので急激な変化

はありませんが、3FになってS造になり、S造はRC

造の床を地面として考えるので(多分・・)そうすると

RCのR階部分で発生している地震動を地面と仮定し

鉄骨部分の振動が更に加わり、地震応答が大きくなり

非常に大きく揺れるのでしょう。(仮説・・仮説ですよ・・)

地震層せん断力係数(Ci)。

Ci=Z・Rt・Ai・Co

Z =地震地域係数

Rt =振動特性係数

Ai =高さ方向のCoの分布係数

Co =標準せん断力係数

この式は極めて重要です。・・し、知ってましたか・・。

(Z)地震地域係数

これは、地震における危険度解析を参考にして決められたもの

だと言う事ですが・・・。

ちなみに、Zは安全係数の事で、0.7から1.0まであります。

(数値が小さくなれば、地震力も少なくできます)

(Rt)振動特性係数

これを語るには、まず固有周期の話から話さねば~~。

振動特性係数に利用するのは『設計用一次固有周期』と

『地盤種別』です。

(ちなみに、地盤種別の判定には、常時微動測定や

SP波速度検層が用いられます・・施工でやりました?)

設計用一次固有周期(T)とは、建物の床を質点系

(棒の上に丸い団子が付いた様な物。この後の固有周期

を参照されたし!)とした場合に、その団子に横から力が

加わって、行って帰ってくるその行程を1周期といいます。

(御婆さんの1周忌じゃありませんよ・・)

そして、その周忌周期の一番長いものを一次固有周期

といいます。

T=h(0.02+0.01α)

※αは架構が木造又S造だった場合は1、RC等は0に

なります。

地盤の種類には第一から第三までの3種類があり、

(Tc)はその種別ごとに1種の0.4秒、2種の0.6秒

3種の0.8秒と分けられます。

・・・なんだか、だらだら行ってしまいそうなので要点だけ。

振動特性係数の所で試験上重要なのは、

振動特性係数と地盤種別・設計用一次固有周期との関係

の表です。

これで、左軸にRtが下から上にあがり、下軸に固有周期(T)

があって、右にいく(固有周期が長く)なるほど、3つの地盤

とも右下がりの形をイメージできるか・・だと思います。

Rtは0.25から1.0までの範囲の数値で、低減係数です。

地盤が固いほど、固有周期が長いほど、Rtは小さくなります。

(低減率が大きくなり、地震力を低減できます)

(Ai)Ciの高さ方向の分布係数

簡単にいいますと、このAiは、揺れすぎ防止の為の地震力

割り増し係数・・ってとこでしょうか。

固有周期(T)が長くなる程上階にいく程、Aiの値は大きくなり、

逆に、1階層(最下階)ではは最低の1.0になります。

(T=0のとき、Ai=1.0です)

あと、Aiの分布の表のイメージは頭に焼き付けましょう。

(αiとAiとTの関係の表です)

(Co)標準せん断力係数

地震の規模によって定まる係数です。

中地震を想定して、Co=0.2以上

(層間変形角の計算等用)

(S造や軟弱地盤木造等は0.3です)

大地震を想定して、Co=1.0以上

(保有水平耐力の計算用)

さあ、これで地震力計算の必要要件は揃いました。

地震力関係で、注意点をまとめました。

●地震層せん断力係数は、上層になるほど大きくなり

最下層における値がもっとも小さい。

(これは、Aiによる影響が大きいからだと・・思います)

●地震層せん断力は、建物の重量に比例する。

(Wiが大きいほど地震力は大きくなってしまう)

●地震層せん断力は、建物の上層ほど小さくなる。

(αiの影響により、上層ほど重量が減るから・・

でも、地震力せん断力係数は大きくなってしまう・・)

地震力の番外編?ですが

局部地震動(屋上突出物等の地震力)は

P=k×W

P:地震力 W:屋上水槽などの重量 

k:水平震度(1以上) Z:地震地域係数(0.7~1.0)

通常の地震層せん断力係数は1.0以下になりますが

この場合は、屋上突出物に大きな加速度がかかります。

(もしZが1.0だったら、ホントにPは1.0以上になります)

結果1G以上の重力加速度が掛かることとなりますが

ちなみに、先日の能登半島地震の近隣にある原発は

400ガル程度までは・・・といっていましたので。

ってことは、本体構造体と切り離し考えた工作物とは、

どうやら、980ガル以上の加速度・・・お、恐ろしい・・・。

結論。屋上工作物は・・・よく揺れる・・・。おお~。

地下部分の地震力

局部地震動と反対に、地下に入る程地震力を低減する

ことが出来ます。

地下部分の地震力(地震層せん断力)は、地下部分の重量

に地下直上階(1階)の柱の分担せん断力の合計をかけて、

地下の水平震度を更にかけ計算します。

地下部分の水平震度kは0.1Zから0.05Zまでの低減係数で

あり、地上から地下20mまでの範囲内で数値が変化し、

20mを越える部分以深は最低値の0.05で一定となります。

地下部分の地震って、怖い~!というイメージがありますが、

じつは、地上のほうが地震力って大きかったのですね。

地震力について、ホントは書ききれていないのですが、

1級建築士学科では、こんなところかと・・。

(はあ~。正直、殆ど忘れてましたよ・・勉強になりますっ!)

では、また。

コメント

構造の4

2007-04-01 23:43:20 | 1級建築士学科試験(構造)

構造設計は、出来れば今後のRCや鉄骨、木造等

で自信が付くと思いますので、是非~力を入れて~

くださいっ!!

ヽ(^▽^)人(^▽^)人(^▽^)ノヽ(^▽^)人(^▽^)人(^▽^)ノ

7.構造設計

■許容応力度計算

まず、許容応力度計算の概要とは・・・

建物を構成する材料に働く応力度を仮定荷重や

地震力、風圧力等により算出し、

その力に対して、材料が元々持っている耐力を

設計基準強度(F)とし、それに安全係数(各構造

により数値は違いますので・・)を掛けてそれを

許容応力度と呼び(表などで数値は既出・・)、

各応力度が、許容応力度を越えないように使用部材

等のレベル?を上下させる事・・・だと思いますが・・。

要するに、各応力度が許容応力度以下であればよい

のだと思います。

ちなみに、関係あるかどうか・・なのですが、

後で出てくる”保有水平耐力計算”の考え方は、

建物全体の持っている最後の力?保有水平耐力

に対し、大地震に対して安全を保有するのに必要

な各階各方向の最小限水平耐力である必要保有

水平耐力(Qun)をDs・Fes・Qudを掛けて算出し、

比較して各階の最後の力が上であればOK!

といった所なのでしょうか。

大雑把なもので、すみません~。

####################################

■荷重及び外力

長期の応力を検討する際、固定荷重と積載荷重

(多雪区域では積雪荷重)を考慮します。

DL、LL、TLという記号?がありますが、参考までに

DL・・・DEAD LOAD(固定荷重)

LL・・・LIVE LOAD(積載荷重)

TL・・・TOTAL LOAD(合計荷重)

です。(総合さんのテキストには載って・・・?)

積載荷重

ワシの場合、積載荷重は一通り暗記しましたよ。(やっと!)

ですが、今は殆ど覚えてません~。

せめて床の構造計算用だけでも暗記できれば、心強い?

廊下、階段等の積載荷重は連絡する室の種類により(c~e)

eのその他の数値とします。

また、屋上やバルコニーは、学校又は百貨店にあっては

dの百貨店の売り場の積載荷重とします。その他は住宅等

と同じ数値です。

柱又は基礎の垂直荷重による圧縮力を計算する場合において

支える床の数に応じ、0.95~0.6の範囲内の数値を掛けて

鉛直荷重を低減する事ができます。(8段階)

ただし、劇場や映画館等は対象外になりますので、御注意を。

積雪荷重

屋根に雪止めがある場合は、勾配による低減を受けられず、

100%荷重で検討します。それ以外は・・・

60°をこえれば積雪荷重がゼロ。(スッゴイ急勾配ですよ!)

それ以下の範囲内ではμb=√cos(1.5β)の式で低減係数を

算出します。(βは屋根勾配で単位は度)

例えば、10寸勾配でμb=√cos(1.5×45°)=0.618・・。

一般地域の積雪量が50㎝の区域で、

50㎝×20N/㎡=1000N/㎡×0.618

=618N/㎡になります。(多分・・・)

風圧力

速度圧の計算は、最初、速度圧と風力係数を分けて考えると

簡単かと・・。

まず速度圧。q=0.6EVo2をバラし、EとVo。

E速度圧の高さ方向の分布を示す係数で、ErとGfに

更にバラし、平均風速の高さ方向の分布係数Erについては

告示1454号に記載され、地表面粗度区分のⅠ~Ⅳ区域

により、しかも高さにより(Ⅰ~Ⅲの区域は5m以下か超か)

数値が変わります。

(地表面粗度区分は、Ⅰが都市計画区域外の平坦地で、Ⅳ

都市化が極めて著しい都市部などです。通常はⅢ?)

Gfガスト影響係数の事で、上記と同様に地表面粗度区分

と高さ(最高高と最高軒高の平均値)によって求めます。

ちなみに、求めた数値は、高さが同じとした場合に、Erは

市街地の方が小に、逆にGfは市街地ほど大になります。

Vo基準風速は、30m~46m(沖縄等)のうち、地域により

それぞれ決まっています。

(稀発の暴風時の地上10mでの10分間の平均風速に相当)

風力係数(Cf)

Cpe及びCpiともに、建物等の形状により数値は異なり、

CpeからCpiを差し引き、求めます。

交番応力は風向きの直角方向に働かせようとする風圧力で

細長い建築物等はその両側に渦巻きが発生し、影響を与え

長波長の横揺れを起こす原因となります。

超高層建築物の耐風設計は、地震力でなく風圧力により決定

される事もあるそうです。

次ぎは地震力・・と行きたい所ですが、長くなった為、次回に・・。

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